『ゾイドワイルド』開発秘話第4回!
箱を開けた瞬間ゾイドワールド全開! 新世代の世界観でリブートする!!
新旧『ゾイド』を手掛けるレジェンド、徳山光俊さんのインタビュー第4回!
前回のお話では、ワイルドライガーは歴代の『ゾイド』スタッフの力が結集したものだということだった。
今回は、徳山さんが『ゾイドワイルド』にこめた思いや、今後への期待などについて語っていただいた。
『ゾイド』の父も、第3世代の新アイデアには唸った!?
──お話を聞いていると、デザイン、世界観、ギミックのバランスをとりながら作っていくのって、かなり大変だと思うのですが?
徳山 まあ大変は大変なんですけど、最初の『ゾイド』もそうだったんだけど、僕自身はそんなに大変とは思ってなかったりします。なんでかっていうと、『ゾイド』って基本的に「恐竜図鑑の世界」なので、まったくのゼロから考えるわけじゃないんですよ。子供たちも恐竜図鑑って読むじゃないですか、『NEO』(※1)とか。通過儀礼的なんですよ、恐竜って。昔の1期目の『ゾイド』がヒットした理由も、僕個人的には、恐竜図鑑ってどの家にもあるし、恐竜のことってみんな知っているし、共有しているものが多いからだと思ってるんです。開発するにあたって、僕らもティラノサウルスがいいとか何々サウルスがいいとか言い合って、次のラインナップを決めていきますし。しかも最近はどんどんいろんな学説が出て、昔よりも種類が増えて、モチーフもバラエティに富んでいますよね。
あとはギミックですけど、『ゾイドワイルド』だったら、「人機一体」や「本能解放」をどう加えていくかっていう作業になるんですけど。それも、さっき言った動物の擬態とか乗り物からヒントを得ているので、まったくのゼロからのスタートではないから、そんなに厄介ではないなと、個人的には思っています。
──たしかに現実の動物や図鑑という、いわば壮大なネタ帳があるのは強いですね。
徳山 ただ、決まった後の工程っていうのは、やっぱ見せる人の注目もあるんで、どこで決めるかっていうのはすごい重要かなと思っています。昔の『ゾイド』はわりと一発勝負的なところがあったんですよ。でも今って、映像業界もそうですけど、最後のポスプロ(※2)ってどこまでも見れちゃったりするんですよね。ギリギリまで修正して作り込んでクオリティを上げることができちゃうから、ある程度決めるとこは決めないと、作業がどこまでも終わらない。粘れる時間がギリギリまであるから、逆にそこは大変だなと思いましたね。
ただ基本的なところは、過去の工程も今も同じことなんで、今日はこういったコンセプトデザインをお見せしたわけなんです。そういった流れを経て、3世代合作の「ワイルドライガー」がいるんです。
──デザインやギミック以外で、「これは若手のアイデアだった!
という部分はありますか?
※2 ポスプロ:ポストプロダクションの略。作業の事後処理のこと。
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