デュエマ妄想構築録 vol.90-1 ~ゼロを力に!シラズ・ダイナマイト!!~

By まつがん

 恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック1月号はもう入手されただろうか?

 デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。


 王道W第4弾「終淵 ~LOVE&ABYSS~」が発売となり、デュエマのカードプールにはまた新たな彩りが多数加わった。

 そんな中で、私が注目した1枚がこれだ。

▲王道W 第4弾「終淵 ~LOVE&ABYSS~」収録、《愛・爆・発》

 《愛・爆・発》。闇限定でしかも墓地からの蘇生とはいえ、3コストで4コストのクリーチャーを出せる破格のスペックを持った呪文だ。

 「クリーチャーを踏み倒す呪文」は、特にそれ自体が無から踏み倒しを可能にする場合、その呪文そのものよりも低いコストのクリーチャーを踏み倒すのが通常(例:《キユリのASMラジオ》など)だ。だがこの《愛・爆・発》は、事前に墓地を肥やしておかないと蘇生が不確実ということもあってか、自身よりも上のコストのクリーチャーを踏み倒せるのである。

 これまでこうしたカードは、《邪侵入》のように種族を指定するものしかなかった。だが《愛・爆・発》の登場により、闇の4コストクリーチャーすべてに早出しの可能性が生まれたのである。となれば、新デッキを作らないわけにいかないだろう。

 では《愛・爆・発》でデッキを作るとして、どのようなデッキを組むべきか。それには《愛・爆・発》の唯一無二性に着目する必要がある。《愛・爆・発》の唯一無二性は、効果が近い《邪侵入》と比較することで得られるだろう。すなわち、「非アビスの闇の4コストクリーチャーの早出し」だ。

 だが仮に「非アビスの闇の4コストクリーチャー」を《愛・爆・発》で早出しするデッキを組んだと仮定した場合、一つ問題が生じる。それは再現性だ。「非アビスの闇の4コストクリーチャー」と《愛・爆・発》を1種4枚ずつ積んだだけのデッキでは、《愛・爆・発》を毎ゲーム安定して引き込めないことはもちろん、蘇生対象の「非アビスの闇の4コストクリーチャー」を毎回墓地に落とすことができるはずもない。

 ならばどうするか?

 1種4枚ではダメだというのなら、2種8枚積めばいい。

 そう、すなわち。

▲ゴッド・オブ・アビス 第1弾「伝説の邪神」収録、《邪侵入》

 《邪侵入》と合わせて8枚積めばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「ジャオウガ爆発」だ!

 『ジャオウガ爆発』

枚数
カード名
4 《オペラグラス=ドクラス》
4 《ブルーム=プルーフ》
4 《ド:コータ》
4 《貴布人 テブルカッケ=エディ》
4 《ヴァイナル=ヴィランド》
4 《CRYMAX ジャオウガ》
4 《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》
4 《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》
4 《邪侵入》
4 《愛・爆・発》

 

 《愛・爆・発》が今にも抜けそうじゃねーか!!!😡😡😡

 確かに《愛・爆・発》を《邪侵入》の5~8枚目として扱うことには一定の合理性がある。だが《愛・爆・発》は《邪侵入》と違って自力で掘れる枚数が少ないため、《邪侵入》で成立していたコンセプトに単純にぶち込んだだけだと容易に下位・爆・発となってしまうのであった。

 だが、これくらいで諦める私ではない。《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》との組み合わせは、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》がデッキ内に一定枚数の強力なデモニオを要求してしまう点が《愛・爆・発》の少ない墓地肥やし枚数と干渉していた。ならば、4コスト以下のクリーチャーだけで完結したデッキにすれば問題ないのではないか?

 そう、すなわち。

▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《邪魂龍 ジャビビルブラッド》
▲王道篇 第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」収録、《超化秘伝アビスアサルト》

 《邪魂龍 ジャビビルブラッド》を蘇生すればいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「爆発アサルト」だ!

 『爆発アサルト』

枚数
カード名
4 《霊淵 アガルーム=プルーフ》
4 《ド:コータ》
4 《霊淵 スゴーチ=トートロット》
4 《漆黒の深淵 ジャシン帝》
4 《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》
4 《アロガント・アウェイン》
4 《邪魂龍 ジャビビルブラッド》
4 《邪侵入》
4 《愛・爆・発》
4 《超化秘伝アビスアサルト》

 

 《愛・爆・発》のありがたみが少ない!!!😡😡😡

 《愛・爆・発》のバリューは「3コストで4コスト分のアクションになること」にある。だが当たりが《邪魂龍 ジャビビルブラッド》しかない《超化秘伝アビスアサルト》デッキでは、《邪魂龍 ジャビビルブラッド》がたまたま拾えたパターン以外では《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》や《漆黒の深淵 ジャシン帝》を蘇生してお茶を濁す選択肢しかとれず、ぶっちゃけデッキに入っている意味があまりない無・無・無のスロットと化してしまったのであった。

 ここでわかったことは、《愛・爆・発》を強く使うなら2スロット以上の「闇の4コストクリーチャー」が必要ということだった。しかもその4コストクリーチャーは、バリューが高ければ高いほど《愛・爆・発》のありがたみが増える。

 では改めて考えてみよう。《愛・爆・発》で蘇生して最もバリューが高い「闇の4コストクリーチャー」とは何だろうか?

 私が考えた答えは、これだ。

▲「ヒーローズ・ダークサイド・パック 闇のキリフダたち」収録、《堕∞魔 ヴォゲンム》

 《堕∞魔 ヴォゲンム》では???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「テンザン爆発」だ!

 『テンザン爆発』

枚数
カード名
4 《奇跡妖精マルス》
4 《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》
4 《冥界の不死帝 ブルース /「迷いはない。俺の成すことは決まった」》
4 《爆撃男》
4 《龍装05号 イヴィルヴィ / イーヴィル・フォース》
4 《不吉の悪魔龍 テンザン》
4 《堕∞魔 ヴォゲンム》
4 《危険深淵 デンジャラス=ラッセル》
4 《暴走龍 5000GT》
4 《愛・爆・発》

 

 こんなデッキで《堕∞魔 ヴォゲンム》蘇生したら2ターン後に自爆するわ!!!😡😡😡

 新カード《危険深淵 デンジャラス=ラッセル》と《愛・爆・発》を同時に使えるデッキ構造は魅力だったが、《堕∞魔 ヴォゲンム》《不吉の悪魔龍 テンザン》の「放っておいたら負け」を解消する気がなさすぎて、蘇生した瞬間ダイレクト紐なしバンジーが確定してしまうのであった。

 そもそも《堕∞魔 ヴォゲンム》はともかく、《不吉の悪魔龍 テンザン》の方は《愛・爆・発》のバリューを上げているとは言い難い。

 となれば、《堕∞魔 ヴォゲンム》の「放っておいたら負け」さえ解消すればデッキになるということだ。

 そう、すなわち。

▲新4弾「誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」収録、《卍 デ・スザーク 卍》
▲双極篇 第2弾「逆襲のギャラクシー 卍・獄・殺!!」収録、《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》

 「無月の門」に巻き込んでしまえばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「爆発ザーク」だ!

 『爆発ザーク』

枚数
カード名
4 《堕魔 ザンバリー》
4 《堕魔 ドゥベル》
4 《堕魔 ドゥンブレ》
4 《堕魔 ドゥリンリ》
4 《堕魔 ドゥポイズ》
4 《堕∞魔 ヴォゲンム》
2 《堕魔 ヴォーミラ》
4 《卍 デ・スザーク 卍》
1 《ガル・ラガンザーク》
2 《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》
1 《「無月」の頂 $スザーク$》
4 《愛・爆・発》
2 《秩序の意志》

 

 なんかパンチが弱い!!!😡😡😡

 「《愛・爆・発》で《堕∞魔 ヴォゲンム》が早く出るようになって魔導具強化だよ」は、「まあ、それはそう」過ぎて目新しさに欠けていた。難しい場合もあるだろうが、なるべく新たな基盤になるような組み合わせを紹介したいというのがこの連載の目標でもあった。

 だが、ここで私は気づいたのだ。《堕∞魔 ヴォゲンム》ほどではないにせよ、《愛・爆・発》で早出しする価値のある「闇の4コストクリーチャー」の存在に。

 そう、すなわち。

▲双極篇 第1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」収録、《追憶人形ラビリピト》

 《追憶人形ラビリピト》も早出ししたら強いのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「爆発ラビリピト」だ!

 『爆発ラビリピト』

枚数
カード名
4 《奇跡妖精サートゥル》
4 《ステニャンコ》
4 《オア:ナテハ》
4 《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》
4 《堕∞魔 ヴォゲンム》
4 《不吉の悪魔龍 テンザン》
4 《追憶人形ラビリピト》
4 《危険深淵 デンジャラス=ラッセル》
4 《超暴淵 ボジャガイスト》
4 《愛・爆・発》
4 《カレイコの黒像》

 

 事前に墓地肥やしを挟まないと《愛・爆・発》が運ゲーすぎる!!!😡😡😡

 《愛・爆・発》の出力を上げるためには「闇の4コスト以下クリーチャーの濃度を上げる」ことが求められるが、そうなると《愛・爆・発》のためにわざわざ墓地肥やしなどという弱い行動をとる合理的な理由がなく、結果デッキコンセプト・爆・発になってしまうというのが本末転倒であった。

 ここまで様々なカードの組み合わせを試してわかったことは、「闇の4コストクリーチャー」はわざわざ墓地肥やしして《愛・爆・発》するより《一撃奪取 ブラッドレイン》から出した方がお手軽という残酷な事実だった。

 ループや呪文の使い回しをするならばともかく、たった1マナを軽減するために墓地利用が半強制的にコンセプトになってしまうのではリスクとリターンが釣り合っていない。だがそれは、《愛・爆・発》というカードが抱える本質的かつ逃れようのない課題であった。《愛・爆・発》で「闇の4コストクリーチャー」を蘇生しようとする限り、この課題からは絶対に逃れられない……しかしそれはこの連載の冒頭、カードチョイスまで遡って根本的に見直さなければならないということを意味する。

 私は何とか抜け穴を探そうとした……そして、実は《愛・爆・発》には読み飛ばしていたテキストがあるということに気づいたのである。

 そう、すなわち。

▲「キングマスタースタートデッキ アバクの鬼レクスターズ」収録、《シラズ死鬼の封》
▲「謎のブラックボックスパック」収録、《ゾンビポンの助》

 タマシードを蘇生すればいいのでは???🤔🤔🤔

 《シラズ死鬼の封》は蘇生対象がコスト範囲内である限り対象数の縛りがないので、《ゾンビポンの助》をはじめとした0コストクリーチャーとの組み合わせで面白いことができるタマシードである。だがタマシードにはサポートが少なく、これをまともに早出しする手段はこれまで《邪杯と魔術の決断》くらいしかなかった。

 だが《愛・爆・発》の登場により、《シラズ死鬼の封》を健全に早出ししたり、墓地肥やしで見つけたそれを後から蘇生したりできるようになった。ならばこれこそが《愛・爆・発》の持つ本当の唯一無二性と考えるべきだろう。となれば、あとはこのシナジーと方向性が合致するようなカードで残りのスロットを埋めていくだけだ。

▲王道W 第3弾「邪神vs時皇 ~ビヨンド・ザ・タイム~」収録、《ズン=ドー》
▲王道W 第1弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」収録、《貴布人 テブルカッケ=エディ》

 《ゾンビポンの助》のような0コストクリーチャーは、墓地召喚権がある状態では毎ターン破壊時などに誘発する効果を走らせられる。《ズン=ドー》は墓地召喚権とそうした効果を併有する唯一無二のカードで、《ズン=ドー》がいる状況では相手のパワー4000以下のクリーチャーは殲滅できるため、実質《凄惨なる牙 パラノーマル》が表向きでシールド上にあるようなものだ。

 一方、《貴布人 テブルカッケ=エディ》は墓地召喚権しか持たないが、墓地肥やしで《ズン=ドー》を探しにいけるので、動きの安定性に貢献する。よって《ズン=ドー》と合わせたこれら2種8枚を軸に据えることで、毎ターン破壊時効果を走らせコントロールしていくというコンセプトが確かなものとなる。

▲革命ファイナル 第1章「ハムカツ団とドギラゴン剣」収録、《禁断C ステーロ》
▲王道W 第4弾「終淵 ~LOVE&ABYSS~」収録、《カワグーツ=アグース》

 《禁断C ステーロ》は「《ズン=ドー》or《貴布人 テブルカッケ=エディ》+0コストクリーチャー」のパッケージとセットで揃えると継続的な手札破壊として機能する。バトルゾーンは《ズン=ドー》が、手札は《禁断C ステーロ》がそれぞれ追い詰めることで、相手の選択肢をどんどん減らしていくことが可能となる。

 また、《愛・爆・発》と同じく王道W第4弾「終淵 ~LOVE&ABYSS~」で登場した新カードである《カワグーツ=アグース》は、相手の序盤のアクションを咎める役割に加え、「《ズン=ドー》or《貴布人 テブルカッケ=エディ》+0コストクリーチャー」パッケージとの組み合わせで毎ターン墓地を肥やせるようになる。墓地は《ズン=ドー》と《貴布人 テブルカッケ=エディ》のおかげでほぼ手札と同義なので、ドローが弱い闇ならではのリソースの取り方というわけだ。

▲双極篇 第4弾「超決戦!バラギアラ!!無敵オラオラ輪廻∞」収録、《ゲオルグ・バーボシュタイン / ゴースト・タッチ》
▲ゴッド・オブ・アビス 第1弾「伝説の邪神」収録、《烈火大聖 ソンクン》

 《ゲオルグ・バーボシュタイン/ゴースト・タッチ》は相手の妨害になる初動でありながら自ら墓地に落ちて《愛・爆・発》の確実な蘇生対象になることができる、こちらもほぼ唯一無二のポテンシャルを持っている。

 このデッキはもちろん最初は《烈火大聖 ソンクン》4枚と0コストクリーチャー12枚を入れたワンショットから構想がスタートしたが、最速に寄せても再現性がない上にフィニッシュが脆いこともあり、いっそのこと《ズン=ドー》でコントロールしてから確実にフィニッシュできる状況を作ることで、最後だけ《烈火大聖 ソンクン》で〆る方が合理的であるという結論に至った。ともあれこのデッキでないにせよ、「《ズン=ドー》or《貴布人 テブルカッケ=エディ》+0コストクリーチャー」パッケージによるコントロール基盤はなかなか面白い挙動なので、記憶の片隅にとどめておくと将来何らかの役に立つかもしれない。

 というわけで、できあがったのがこちらの「シラズ・ダイナマイト」だ!

 『シラズ・ダイナマイト』

枚数
カード名
1 《夢幻なる零龍》
1 《ゾンビポンの助》
1 《試作品 クロコギア》
4 《ブルーム=プルーフ》
3 《カワグーツ=アグース》
4 《貴布人 テブルカッケ=エディ》
4 《ズン=ドー》
4 《ゲオルグ・バーボシュタイン / ゴースト・タッチ》
4 《禁断C ステーロ》
2 《烈火大聖 ソンクン》
1 《愛銀河プルート・タイドロック》
1 《テラ・スザーク <ナーガ.Star>》
4 《愛・爆・発》
2 《邪侵入》
4 《シラズ死鬼の封》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!《禁断C ステーロ》で手札破壊ですか……では《蒼神龍アナザー・ワールド》を捨てます

▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《蒼神龍アナザー・ワールド》

 糞・爆・発(カス・ダイナ・マイト)!!!😡😡😡

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は1/2(金)更新!!