デュエマ妄想構築録 vol.89-2 ~相手を閉じ込めろ!ロスト・プリズン!!~

By まつがん

 そろそろ発売から1ヶ月半ほどが経つ「王道vs邪道 デュエキングWDreaM 2025」だが、まだまだ可能性に満ち溢れたカードがたくさん眠っている。

 そんな中で、今回私がピックアップした1枚がこれだ。

▲「王道vs邪道 デュエキングWDreaM 2025」収録、《デス・ザ・ロストの黒像》

 《デス・ザ・ロストの黒像》。4つの能力を自分の毎ターン終わりに好きな順番で解決でき、うち3つはゲームを有利に進められる効果だが、4ターン後には必ず敗北してしまうというデザインのカードだ。

 とりわけ目を引くのは2ハンデスの効果である。4コストで2ハンデスが可能なのはプレミアム殿堂カードの《スケルトン・デバイス》くらいのものだ。それとは違って捨てるカードの選択は相手の任意だが、3ターン目に設置して2ハンデスし、さらにその後はシールドを2回収してアドバンテージ獲得も可能と、どうにかして敗北のデメリットさえ無視できれば破格のボーナスを得られるカードと言えよう。

 だが、現代デュエル・マスターズの速度感においては3ターン目にこれを設置することが許容されるかは怪しいラインだ。特に後手だと、その後の2ターン以内にシールドも3枚になることがほとんど確定してしまっているため、2ターン目→3ターン目とクリーチャーを展開されていた場合には、一時的に手札破壊で相手の手札を空にできたとしても、その後にもし1体でもクリーチャーを追加されてしまったらダイレクトアタックのリスクが極限まで上がってしまう。

 ならばどうするか?

 私が考えた答えはこれだ。

▲王来MAX 第1弾「鬼ヤバ逆襲S-MAX!!」収録、《トレジャー・ルーン》
▲王来MAX 最終弾「切札! マスターCRYMAX!!」収録、《アトランティスの海幻》

 《トレジャー・ルーン》で2ターン目に設置すればいいのでは???🤔🤔🤔

 《デス・ザ・ロストの黒像》は4コストのタマシードなので、《トレジャー・ルーン》でマナからわずか2マナで設置することができる。これなら後攻2ターン目から2ハンデスという宇宙ムーブも可能だ。

 だが当然それだとマナが1枚になってしまい、動きが遅れて結局3ターン後に自分で《デス・ザ・ロストの黒像》を何とかできないと負けてしまう。しかしそこでマナ加速から《アトランティスの海幻》を使うことで、「敗北効果が迫った《デス・ザ・ロストの黒像》をどかす」ことと「新たに《デス・ザ・ロストの黒像》を設置する」の2つのムーブを一手でこなすことができるようになるのだ。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『ターボ・ロスト』

枚数
カード名
4 《シェル・アルカザール》
4 《蒼狼の大王 イザナギテラス》
1 《K・アトラン&キング海賊団 / アイアイサー・チャージャー》
4 《トレジャー・ルーン》
4 《地龍神の魔陣》
3 《ピクシー・コクーン》
2 《深淵の逆転撃》
4 《空間型無限収納ストラトバッグ》
2 《ヴァルハラの天宝》
4 《デス・ザ・ロストの黒像》
2 《ウルトラクイック・マホガニーハンドル》
1 《環嵐!ホールインワン・ヘラクレス》
4 《アトランティスの海幻》
1 《Dの天災 海底研究所》

 

 闇のカードが少なすぎて普通に《デス・ザ・ロストの黒像》を設置できない!!!😡😡😡

 タマシードと相性の良いカードは水と自然に固まっているが、だからといって水自然ベースで《デス・ザ・ロストの黒像》のデッキを作ってしまうと闇文明で入れたいカードが全く存在せず、結果として《トレジャー・ルーン》からしか設置できないドウ・ヤッテ・ダスネンの黒像が爆誕してしまうのであった。

 また、そもそも《アトランティスの海幻》で出し直せるとは言ったものの、「《デス・ザ・ロストの黒像》の出し直しを迫られるターンが発生すること」それ自体がリスクであると言える。相手はそのターンに合わせて行動すればいいからだ。そう考えると、《トレジャー・ルーン》は《デス・ザ・ロストの黒像》の抱える問題を解決しておらず、むしろマナを減らしてより悪化させるダイナミック切腹であるとすら言えよう。

 だが「後攻3ターン目の《デス・ザ・ロストの黒像》は相手によってリスクが大きい」ことは変えられない事実である。では2ターン目の設置以外でこれを解決するにはどんな方法があるだろうか?

 これについて私が考えたのは、《デス・ザ・ロストの黒像》の「裏択」を用意するというものだ。

 カードゲームにおいては通常動きの再現性を重視するため、「《フェアリー・ライフ》11枚、《デス・ザ・ロストの黒像》9枚」のような構築を目指した方が良いとされる。だがデュエル・マスターズに関しては1ターンのスイングが大きい割りに相手ターン中の干渉ができないことから、相手の行動を予見し、あらかじめ1ターン前に布石を打つゲームとなっている。つまり「こいつ《デス・ザ・ロストの黒像》9枚入ってそうだな」と思われたら、必然的に2ターン目と3ターン目にクリーチャーを出されてしまうのである。

 これを回避するべく、デュエル・マスターズでは自分の動き自体にあえて確率的なブレを取り入れることで、相手の布石に裏目を作らせる「表択」と「裏択」のデッキ構築が定番化している。それに、そもそも《デス・ザ・ロストの黒像》自体も2枚目以降を重ね引いた際の効用が急激に悪化する性質を持っている。ならばなおのこと《デス・ザ・ロストの黒像》は「表択」ということにして、主に後手用でプランが成立する「裏択」も用意しておいた方が良い。

 そしてこの際の「裏択」は、「表択」が抱える弱点を補完するようなものであることが望ましい。したがって「表択」の《デス・ザ・ロストの黒像》が2ターン目3ターン目とクリーチャーを出されることが辛いというなら、逆に並んだクリーチャーに対して強い「裏択」を用意するべきだ。

 そのようなものとしては何があるだろうか?私は必死に考え……そして答えに辿り着いた。

 そう、すなわち。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《ヨビニオン・トライブ》
▲王来MAX 最終弾「切札! マスターCRYMAX!!」収録、《コオニ弁天》

 《ヨビニオン・トライブ》から《コオニ弁天》を出し続ければいいのでは???🤔🤔🤔

 《ヨビニオン・トライブ》はマナから召喚できて破壊時にマナゾーンに行くので、《学校男》系のクリーチャーを「ヨビニオン」で確定サーチできる構造にすることで、デッキ内の《学校男》の数だけ相手のクリーチャーを破壊できるギミックとなる。《デス・ザ・ロストの黒像》は4コストのタマシードであり、3ターン目に設置するべく「2→4」の動きをとることを考えると、「裏択」としてはちょうどいい。

 また、「敗北が迫った《デス・ザ・ロストの黒像》の対処」についても、呼び出す《学校男》を《コオニ弁天》にすることで、いつでもマナゾーンの《ヨビニオン・トライブ》から破壊手段を持ってこれることになる。その際に《コオニ弁天》をバトルゾーンに残せば、相手の小型ビートダウンへの牽制もでき一石三鳥だ。

 あとはこの「表択」と「裏択」のコンセプトをベースに、両方の択に共通する「相手をコントロールする」という思想に沿ったカードを残りのスロットに採用していけばいい。

▲王道W 第3弾「邪神vs時皇 ~ビヨンド・ザ・タイム~」収録、《危険深淵 デンジャラス=ジャック》
▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《空間型無限収納ストラトバッグ》

 《危険深淵 デンジャラス=ジャック》は「表択」と「裏択」の後に添える蓋役として最適だ。リソースを刈って動きを遅らせた相手に対し、さらに立て直しも遅らせられるので、山札からのドローの要求値をかなり引き上げられる。

 《空間型無限収納ストラトバッグ》は早期の「革命チェンジ」による攻めを防いでくれるほか、《ヨビニオン・トライブ》との組み合わせでリソースを伸ばしたりアクション数を増やすことにも利用でき、「ヨビニオン」を邪魔してしまうため軽量メタクリーチャーを採用できない構造であることも相まって、能動的な運用が可能なメタカードとして重宝することだろう。

▲「スタートWIN・スーパーデッキ 深淵の邪襲」収録、《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》
▲「エキサイティング・デュエパ・デッキ 双極のアカシックZ計画」収録、《雪精 サエポヨ&ユキぴょん / ハンマー・チャージャー》

 《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》は《コオニ弁天》で割った《デス・ザ・ロストの黒像》を再利用したり、並んでしまったクリーチャーを対処するための《深淵の逆転撃》を継続的に回収する役割を担っている。小型ビートに対するブロッカー兼ロングゲームにおいて《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》のようなアドバンテージエンジンとなりつつ、最終的には《デス・ザ・ロストの黒像》で相手のシールドを焼却した後のダイレクトアタッカーにもなれるので、八面六臂の活躍が期待できる。

 とはいえ3ターン目に設置したいわけでもないため手札によってはマナに埋めざるをえない一方で、ゲームが膠着した際には一刻も早く設置したいという性質を持つところ、《雪精 サエポヨ&ユキぴょん / ハンマー・チャージャー》を入れておけば下面でサーチ、上面でマナ回収と《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》を完璧にサポートしてくれる。

 というわけで、できあがったのがこちらの「ロスト・プリズン」だ!

 『ロスト・プリズン』

枚数
カード名
4 《コオニ弁天》
4 《ヨビニオン・トライブ》
3 《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》
2 《聖邪のサトリ ミント》
4 《危険深淵 デンジャラス=ジャック》
2 《雪精 サエポヨ&ユキぴょん / ハンマー・チャージャー》
4 《フェアリー・Re:ライフ》
4 《フェアリー・ライフ》
3 《アントマ・タン・ライフ》
2 《深淵の逆転撃》
4 《空間型無限収納ストラトバッグ》
4 《デス・ザ・ロストの黒像》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!では《ポッピ・冠・ラッキー》を出します

▲アビス・レボリューション 第3弾「魔覇革命」収録、《ポッピ・冠・ラッキー》

 ポッ……ポッ……ポピピィーーーーッッッ!!!(言語野デス・ザ・ロスト)😡😡😡

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は12/12(金)更新!!