By まつがん
今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

シールド追加+《星龍の記憶》だと……?
《暴発秘宝ベンゾ / 星龍の暴発》を引き合いに出すまでもなく、トリガー付与といえばバグの宝庫。となれば、種々の危険なコンボに採用されうるに違いない。
さて、12月20日(土) に発売予定の王道W第4弾「終淵 ~LOVE&ABYSS~」に収録される新カード、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
新カードでデッキを作る際にまず考えるべきことは、「唯一無二性」だ。では《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の唯一無二性はどこにあるのか。それはやはり「D・D・D」で《星龍の記憶》類似の効果が得られる点だろう。
とはいえ「既に《星龍の記憶》があるのだから唯一無二とは言えないのでは?」と思われるかもしれない。だがテキストをよく読んでみると、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》のトリガー付与には《星龍の記憶》とは異なる点が存在しているのである。
それは「山札の上から追加したシールドにもトリガーを付与する」という点だ。
ゲーム開始時から設置してある5枚のシールドは当然ランダムだし、シールドの中身を固定するのには手間がかかる。しかし山札の上ならばどうだろうか?
そう、すなわち。


《観測者 オハコガクヤ》で山札を操作してから《ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶》を出せばいいのでは???🤔🤔🤔
2ターン目に《観測者 オハコガクヤ》を出し、トップ3枚の中から踏み倒したいカードを「2枚目」に積む。3ターン目に通常ドローし、マナチャージからそのまま《観測者 オハコガクヤ》で攻撃。そこで《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の「D・D・D」と《ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶》の「革命チェンジ」を同時に宣言し、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》から解決することで、前のターンに山札上に積んでいたカードに確定でS・トリガーを付与しながらブレイクすることが可能となるのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『人力離回り』
| 4 | 《忍風の聖光 fu53n》 | 2 | 《忍式の聖沌 y4kk0》 | 4 | 《観測者 オハコガクヤ》 | 4 | 《ドラン・ゴル・ゲルス/豪龍の記憶》 | 4 | 《マジック・A・セミプーロ / ♪閑かさや とにかくブレイン 蝉ミンミン》 | 2 | 《「合体」の頂 アクア・TITAAANS / 「必殺!ジェット・カスケード・アタック!!」》 | 4 | 《聖霊王アルファディオス GS》 | 4 | 《完全不明》 | 4 | 《ロジック・サークル》 | 4 | 《ブレイン・ストーム》 | 4 | 《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》 |
要求値どうなってんだよ!!!😡😡😡
まず、《ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶》と《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の2種に関しては一切替えが利かないカードである。しかも《観測者 オハコガクヤ》は任意のメカで代用できると思いきや、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の効果を十全に使おうと思ったら「D・D・D」のために攻撃できるクリーチャーをあらかじめ用意する必要があり、山札の上の積み込みもしておきたいことまで考えると、「1コストのメカ+《ブレイン・ストーム》系」の組み合わせが必須となってしまう。ここに《ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶》と《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》を水増しするための《ロジック・サークル》を挟むとどうなるか。一言で言えば爆散である。
だが要求値が大きいならば要求値を下げればいい。そもそも《観測者 オハコガクヤ》が「積み込み」+「D・D・D用兼チェンジ用メカ」という破格の仕事量をたまたまこなしているだけと考えれば、「積み込み」はできなくても「D・D・D用兼チェンジ用メカ」を2ターン目に用意すれば足りる。
そして「積み込み」が毎回はできないということを許容するなら、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の代替性にも希望が見えてくる。
そう、すなわち。

《星龍の記憶》も合わせて8枚積めばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『8星龍』
| 4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《観測者 オハコガクヤ》 | 4 | 《光器アメリア》 | 4 | 《ドラン・ゴル・ゲルス/豪龍の記憶》 | 2 | 《獅子頂龍 ライオネル》 | 2 | 《海龍神クリスド》 | 4 | 《聖霊王アルファディオス GS》 | 4 | 《完全不明》 | 4 | 《ロスト・ウォーターゲイト》 | 4 | 《星龍の記憶》 | 4 | 《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》 |
運ゲーが過ぎるだろ!!!😡😡😡
確かに1ターン目のアクションの干渉による爆散は防げているものの、結局《ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶》の替えが利かないせいで《ロスト・ウォーターゲイト》は積まざるをえず、《星龍の記憶》も増えたせいでトリガーして嬉しいデカブツのスロットは12枚しか用意できていない。これをランダムな暴発で引き当てるとなると5割を下回るギャンブルになり、もはや相手からしてみれば何もしてないのにいきなり自らジャパニーズ☆SEPPUKUしてくる異常者に他ならないだろう。
だがそうなると、「《ドラン・ゴル・ゲルス / 豪龍の記憶》が1種4枚しか積めないこと」とはどうあっても向き合う必要がある。これを解決するには、多少強引な手を使わざるをえない。
1種4枚しかコンボパーツが積めないというのなら。
別のコンボとハイブリッドさせればいいのだ。
そう、すなわち。


「退化」と組み合わせればいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『暴発退化』
| 4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《観測者 オハコガクヤ》 | 4 | 《~時空の工兵~》 | 4 | 《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》 | 4 | 《ドラン・ゴル・ゲルス/豪龍の記憶》 | 4 | 《獅子頂龍 ライオネル》 | 4 | 《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》 | 4 | 《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》 | 4 | 《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》 | 4 | 《王闘の大地》 |
ますます運ゲーじゃねーか!!!😡😡😡
《~時空の工兵~》の下に退化先が敷かれるかわからないし《月光電人オボロカゲロウ》でコンボパーツを引き込めるかもわからないというのに、答えの出ない2択を選ばせては毎回裏目が発生する有り様はもはやセルフ人狼ゲームとしか言いようがないのであった。なんで自分自身のデッキと嘘をつき合ってんだ???🤔🤔🤔
ここまででわかったことは、「《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》でデカブツを暴発させようとするのは無理」という残念な結論であった。
だが、ならば逆に考えよう。
普通にもプレイできるカードをより早く暴発させうるカードとして捉えればいいのではないか。
そう、すなわち。

《アーテル・ゴルギーニ》を色んな角度で発射する普通のメカにすればいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『暴発メカ』
| 4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《観測者 オハコガクヤ》 | 4 | 《昇カオスマントラ》 | 4 | 《忍鎖の聖沌 94nm4》 | 4 | 《奇天烈 シャッフ》 | 4 | 《ドラン・ゴル・ゲルス/豪龍の記憶》 | 4 | 《アーテル・ゴルギーニ》 | 4 | 《魔法カオスマントラ》 | 4 | 《聖沌忍法 b4ckd00r》 | 4 | 《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》 |
別に暴発要素いらんだろ!!!😡😡😡
最大値を《アーテル・ゴルギーニ》にした途端、ランダムな暴発よりも3枚も見れて堅実な「メクレイド」の方がよっぽど信頼の置ける踏み倒しと化してしまうのであった。もはやデッキというか音楽性の不一致が原因でバンドが解散する3日前の姿である。哀愁すら漂っている。
そもそもこのコンセプトなら《星龍の記憶》でも良かったわけなのだから、やはり《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》を生かすなら最大値を目指すしかない。
しかし半端なハイブリッドでは状況は改善しない……それならば、いっそ。


フレア覇星をぶち込めばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ビッグバン暴発』
| 4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《観測者 オハコガクヤ》 | 4 | 《ドラン・ゴル・ゲルス/豪龍の記憶》 | 4 | 《龍装車 マグマジゴク/地獄スクラッパー》 | 4 | 《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》 | 1 | 《完全不明》 | 4 | 《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》 | 4 | 《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》 | 4 | 《“必駆”蛮触礼亞》 | 2 | 《バンキシーの魔盤》 | 1 | 《ホーガン・ブラスター》 | 4 | 《王闘の大地》 |
じゃあもうフレア覇星だけでいいだろ!!!😡😡😡
完全なる迷走であった。
もはや結論は明白だった。《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》が生きる道は、「S・トリガー付与」にはない。
だがそうなると、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の唯一無二性はどこにあるというのだろう?
私は《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》を紹介カード候補から外すことすら検討しようとしていた。
……しかし、そこで気づいたのだ。
《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》が持つ、もう一つの唯一無二性に。
そう、すなわち。


普通に《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を出すのに使えばいいのでは???🤔🤔🤔
冷静に「D・D・D」部分をすべて無視したとしても、《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》は2コストで無条件かつ恒久的なシールド追加が可能である唯一無二のカードである。ということは相手との間にシールド差を作れるということだ。
これまでは相手が先攻で2コストのクリーチャーを出した場合、仮に《「自由のクルト」》などの1コスト「ギャラクシールド」持ちが手札にあったとしても、先攻3ターン目にシールドブレイクされてしまった時点で後攻3ターン目に《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を着地させることは不可能だった。
だが《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》があれば、後攻2ターン目にあらかじめ唱えてシールド追加しておくことで、返しでシールドブレイクされたとしてもなお「ギャラクシールド」+《ウィリデ・ゴル・ゲルス》の動きが可能となるのだ。
となればあとは光単の《ウィリデ・ゴル・ゲルス》デッキに、《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を引かない場合にも《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》の採用が合理的となるような5~8枚目の軸を採用するだけだ。


そのようなカードとしてぴったりなのが《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》で、1コスト「ギャラクシールド」と合わせて軽量シールド追加カードが大量かつ自然に搭載されている構造なので、安定して能力を発動させられる。また、ドローを連鎖させて《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を探しにいけるし、コストが軽いので《ウィリデ・ゴル・ゲルス》の能力で着地させやすいのも噛み合っている。
《ウィリデ・ゴル・ゲルス》の能力を活用するとなると「コストが軽い割りにインパクトが大きいクリーチャー」が求められるところ、《一音の妖精》は光の2コストクリーチャーの中で最もインパクトのある能力を持っていると言っていいだろう。《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》の「離れない」を使用した状態で進化させることで安全な1ターンを確保できる点も強力だ。


《光器アメリア》は《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》と違って恒久的なシールド追加ではないものの、《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》以外の手札補充が乏しいこのデッキにおいてシールド追加能力を持ちながら実質的な《AQvibrato》として機能する点はデッキにマッチしている。
《獲銀月 ペトローバ》は先攻後攻を入れ替えられるインパクトがあるほか、「ハイパーモード」で安全に《PP-「P」》の誘発を防げたりするなど小回りが利くのが頼もしいところだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ウィリデ・ザゼゼーン」だ!
『ウィリデ・ザゼゼーン』
| 4 | 《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》 | 4 | 《光器アメリア》 | 4 | 《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》 | 4 | 《一音の妖精》 | 4 | 《ポッピ・冠・ラッキー》 | 4 | 《獲銀月 ペトローバ》 | 4 | 《「予言のジェス」》 | 4 | 《「自由のクルト」》 | 4 | 《ウィリデ・ゴル・ゲルス》 | 4 | 《♪離れても 周りが廻り 離回りなり》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《ピッピ・修・ピヨッコ》を出します」

なるほど、これが火文明の《PP-「P」》……ってそんなわけあるか!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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