ゾイド生みの親徳山氏5656万字!?限界ロングインタビュー 第1回

『ゾイドワイルド』開発秘話第1回!

自ら積極的にお宝を開陳していくスタイルの徳山さんに周囲はあ然!!

 ○月×日
 タカラトミー本社を訪れた我々コロコロオンライン編集部一同は、いつになく緊張していた。インタビューのお相手はなんと徳山光俊さん! 初代『ゾイド』を手がけられた『ゾイド』の父のひとり。いわば半端ないレジェンドなのだ!

 しかも徳山さんは話題沸騰の最新シリーズ『ゾイドワイルド』にもバッチリ携わっているということで、新旧『ゾイド』の開発秘話や裏話を聞けることになっていた。まさか生きる伝説と化した徳山さんに会えるなんて……なんでも答えると事前に言われているけど、どこまで答えてくれるんだろう? タカラトミーさんが言うには「止めないといつまでも喋ってます」とのことだったが、なにせこちらは初対面。緊張しないわけがないッ!!

 直立不動で待機するなか……ついに会議室の扉が開いた!
「ガチャ」
 キターーー!! 徳山さんだ!

──はじめまして! コロコロオンライン編集部です。本日はよろしくお願いします!

徳山光俊(以下、徳山。立ったままいきなり話し始める) はいよろしく! で、ですね、今日はこういうもののほうがおもしろいかなと思って、『ゾイドワイルド』の初期デザインを持ってきたんですよ。『ゾイド』はオリジナルなので、最初にぼくがベースとなるコンセプトデザインを起こすんです。でね……。

──あ、ちょっ、ちょっと徳山さん、まずは座っていただいて……

徳山 うん、そうね~。それでね、いろいろひっくり返して準備したやつがこれなんだけど。

──あ、いや、一応流れ的には、きょうはインタビュー形式でやろうという……。

徳山 んん? あー、それなら大丈夫、もう質問状見たから

(一同笑)

 まあ任せて! それでね、細かい開発途中のどの部分と言ってもつまんないだろうし、ウチ的には『ゾイドワイルド』推しだし! ってことで、企画段階のというか、最初のデザインとかを見てもらおうと思って。
 例えばこれ。「ガノンタス」の初期デザインなんだけど、ほら、色なんか今とまったく違うんだよね。

『ゾイド』ってオリジナルなので、最初に僕のほうでこういうベースとなる初期デザインを起こすんですよ。
 このときはまったくギミックもないんですけど、だいたい機構的な部分でこんなのがいいんじゃないかなっていうのを、おおまかに整合するものを作るんです。
 こういう絵は、Macを使って全部3Dで描いています。3Dでやらないと、いろんな面を描けないからね。

 そしてここから板状のパーツを組み上げていってサンプルのモデルを作り、その段階で
「これじゃちょっと面白くないよね」とか、
「他のともかぶっちゃうよね」とか、
 いろいろ意見が出てきて、「ワイルドブラスト」(※1)のギミックをチームのみんなで最終的に決めていくんです。

『ゾイド』って立体なんで、ラフっていってもある程度形状がわかんないと進まないんですよ。
 しかも動きがなきゃいけないし、基本的には生き物であるということがコンセプトの商品だから。
 そこが『ゾイド』がほかの商品と違う、オリジナルなところなんだよね。
 これ(「グラキオサウルス」の初期デザイン)も、最初はこんな感じ。

──(質問は諦めて、相槌を打ち始める)あー、なるほど。名前も実際の商品と違って仮名ですね。

徳山 僕が初期のコンセプトデザインを書く段階って、当たり前ですけど商品の名前がまだ決まってないんです。

※1 ワイルドブラスト:「本能解放」とも称される。ゾイドと人の気持ちがシンクロし、互いの闘争本能が最大級に高まったときに発動するゾイドの特殊能力のこと。生物本来の特徴が誇張された武器が出現し、攻撃的な必殺技を放つことができる。

 

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