By まつがん
今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

たった2コストでなんだこの強烈なロック能力は……?
真価を発揮するには進化させる必要がある(ダジャレ)とはいえ、一方的に常在の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》能力を押しつけられると考えると、そのポテンシャルは計り知れない。
さて、6月21日(土) に発売予定の王道W第2弾「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」に収録される新カード、《一音の妖精》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
まず例によって《一音の妖精》の唯一無二性について考えると、軽さに比して超強力なロック性能であることは間違いない。《地封龍 ギャイア》や《龍世界 ドラゴ大王》とまではいかないものの、1ターンに1体ずつ順にクリーチャーを出すしかない小学生デュエマを最速2ターン目から、しかも対戦相手にだけ強要できるのだから、このロック性能を生かしたデッキを組むべきだろう。
そして、こうしたメタや制限をかけるカードを使う場合、逆算から考える方がうまくいくことが多い。
では、メタや制限の逆算とは何か。それは当然、メタや制限を突破されることだ。
想像してみよう。進化した《一音の妖精》がいるときに、対戦相手に一番とって欲しくない行動とは何か。

そう、《飛翔龍 5000VT》だ。「G-NEO進化」で《一音の妖精》自体は残るものの、クリーチャーの展開制限は進化しているときしか発揮されない。さらにパワー5000以下の展開制限によって続くターンに《一音の妖精》の2体目を出してのロック復活も許されないので、せっかくのロック状態を完全に突破されてしまう。
しかも盤面のクリーチャー数によってはマナが余り、ターンが返る以前に《飛翔龍 5000VT》を出したターンに悠々と2体目以降のクリーチャーを出されてしまう……といったことにもなりかねない。
つまり《一音の妖精》を使おうと思ったら、天敵の《飛翔龍 5000VT》を乗り越えなければならないということだ。
では《一音の妖精》が《飛翔龍 5000VT》を乗り越えるにはどうすればいいだろうか?
私が最初に思いついたのは、これだ。


筋肉で解決すればいいのでは???🤔🤔🤔
《一音の妖精》はスノーフェアリー。そしてスノーフェアリーの全体強化といえば、最近《執着妖精クロッカス》が登場したばかりだ。しかも継続的な全体強化なので、《飛翔龍 5000VT》による影響を追加展開不可を除いてほとんど無視できる。それも相手の行動が《飛翔龍 5000VT》のみに縛られることを考えれば十分許容範囲内だろう。
また、《飛翔龍 5000VT》は防げないものの《同期の妖精/ド浮きの動悸》は《一音の妖精》をその他の除去手段から守ることができる。《執着妖精クロッカス》のためのスノーフェアリーの頭数も増やせて一石二鳥だ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ワンオン・アンドロメダ』
4 | v《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》 | 4 | 《一音の妖精》 | 4 | 《同期の妖精/ド浮きの動悸》 | 3 | 《桜風妖精ステップル》 | 2 | 《執着妖精クロッカス》 | 4 | 《百景妖精アセビ=アンドロメダ=クシナダ》 | 4 | 《龍后妖精エリカッチュX》 | 3 | 《完璧妖精マリニャンX》 | 4 | 《探究の絆》 | 4 | 《ハラグロX☆行っくよー!》 | 4 | 《ジャスミンの地版》 |
デッキ自体が《飛翔龍 5000VT》に弱すぎ!!!😡😡😡
《執着妖精クロッカス》を使うためにスノーフェアリーを最速で5つ揃えようとすればするほど、《執着妖精クロッカス》を出すor引く前に《飛翔龍 5000VT》が秒で着地してしまうというクロッカスのジレンマ、略してカスのジレンマが発生するのであった。あとついでに《一音の妖精》を進化で用意したいということは実質スノーフェアリー6体必要なのもカスポイントであった。
だがもちろん、《一音の妖精》を《飛翔龍 5000VT》から守る手段は「パワーを上げる」だけにとどまらない。そう、奇しくも「とどまらない」という言葉を使ったが……つまり逆に「とどまり続ける」効果を付与すればいいのだ。
では、「とどまり続ける」効果を付与するカードといえば?

《金天使 エン・ゴルギーニ》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ワンオン・プリズン』
4 | 《哀樹 コシン》 | 4 | 《ベイB セガーレ》 | 4 | 《とこしえの超人》 | 4 | 《キャディ・ビートル》 | 4 | 《卓球の妖精/回転する開眼》 | 4 | 《一音の妖精》 | 4 | 《星姫械 エルナドンナ》 | 4 | 《金天使 エン・ゴルギーニ》 | 4 | 《翼速 ザ・ウイング》 | 4 | 《喜びの夜 エルボロム・ハッピー》 |
ゲームに勝つ気がなさすぎるだろ!!!😡😡😡
何というか全体的に「ゲームに勝つ」という目的だけがすっかり抜け落ちて「相手を困らせよう」という意思しか残されていない迷惑という概念の権化みたいなデッキになってしまった。せっかく《一音の妖精》を守れても毎ターン1体ずつクソデカディスペクターを出されて普通に撲殺されそう。
また、《一音の妖精》を進化で用意するためにはクリーチャーの頭数を1体減らさなければいけないのに、それにもかかわらず「ハイパーエナジー」で頭数を参照する矛盾も気になった。
しかし、「離れない」能力の付与は《金天使 エン・ゴルギーニ》だけの特権というわけではない。「ハイパーエナジー」が噛み合わないなら、他の手段で「離れな」くすればいいのだ。
そう、すなわち。

《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ワンオン・ダウンフォース』
4 | 《哀樹 コシン》 | 4 | 《ベイB セガーレ》 | 4 | 《一音の妖精》 | 4 | 《同期の妖精/ド浮きの動悸》 | 4 | 《葉鳴妖精ハキリ》 | 4 | 《学識妖精サイクリル》 | 4 | 《魔軸の鎖 カメカメン》 | 4 | 《名俳句楽 Drache der’Zen》 | 4 | 《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》 | 4 | 《キユリのASMラジオ》 |
もはや何がしたいねん!!!😡😡😡
《一音の妖精》でロックをかける目的は、自分と相手との手数差でゲームを有利に進めること。にもかかわらずこのデッキは「毎ターン《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》を唱える」ことだけに必死になりすぎていつまで経っても自分の盤面が強くならず、負けないために自ら勝ちの方向から遠ざかるクソ雑魚メンタルのデッキであった。
だがこうした失敗を経て、デッキ未満ができあがってしまう原因がどうやらわかってきた。「《一音の妖精》を進化で出す」ことに付随する要求が大きすぎるのだ。
進化で出すということは、「進化元が必要」ということ。さらに《一音の妖精》を維持したいなら「耐性は出したターンに必要」となる。つまり《一音の妖精》を満足に運用するためには、進化元となる軽量クリーチャーがある程度入っていつつも、《一音の妖精》の展開と耐性付与を同時に行えるデッキでなければならないのだ。
私はそんな同時行動が可能なコンセプトを必死で考えた……そして。
ついにゴールにたどり着いたのである。


《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》なら、登場時と攻撃時で計2体のクリーチャーを踏み倒せる。このうち1体を《一音の妖精》にした上で、もう1体を耐性付与が可能なクリーチャーにすれば、最強の《一音の妖精》を完璧に維持できる。
ただそのためには4コスト以下で耐性付与が可能なクリーチャーが必要なところ、《蒼狼の大王 イザナギテラス》を使えば《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》をデッキ内から探しつつ唱えることができる。また、既に手札に持っている場合は《一音の妖精》のサーチにもあてることができるため、かなりのパターンをカバーできそうだ。
となれば、あとはこのコンセプトを実現できる2~3ターン目のアクションを考えていくだけだ。


最も難しいのは、「4枚しかない《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》を4ターン目までにどうやって引き込むか」。ただこれについては殿堂解除された《アクアン》が最適解となる。コンボパーツの《一音の妖精》や《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》もまとめて拾ってくれるからだ。
とはいえ「3ターン目に《アクアン》」を出しつつ「4ターン目に《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》」と動くためには、2ターン目には「《アクアン》も《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》もどちらも軽減できる光の2コストクリーチャー」が必要となるところ、《奇跡妖精ヴェヌス》はまさしくそのような要求を完璧に満たしてくれる。《虹彩奪取 アクロパッド》と合わせて8枚積めるので、初動の枚数としては及第点だろう。


《アクアン》から《蒼狼の大王 イザナギテラス》が拾えないという欠陥もあるが、それを補ってくれるのが《ナゾの光・リリアング》で、計8枚で《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》の射出口となってくれる。
これだけだと射出口に対して3コスト呪文が物足りないが、《煙幕の聖沌 k3mur1/聖沌忍法 メカくしの術》を採用すれば《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》の連続攻撃にも運用できるので、打点不足も補えるはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ワンオン・鬼羅スター」だ!
『ワンオン・鬼羅スター』
4 | 《虹彩奪取 アクロパッド》 | 4 | 《奇跡妖精ヴェヌス》 | 4 | 《一音の妖精》 | 4 | 《ナゾの光・リリアング》 | 4 | 《終末の時計 ザ・クロック》 | 2 | 《BIRIBIRIII・ビリー》 | 2 | 《煙幕の聖沌 k3mur1/聖沌忍法 メカくしの術》 | 4 | 《アクアン》 | 4 | 《蒼狼の大王 イザナギテラス》 | 4 | 《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》 | 4 | 《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では「G・ゼロ」の《勝熱と弾丸と自由の決断》で《一音の妖精》と《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》を無視します」

よっ!!!(テーブルをひっくり返す掛け声)😡😡😡
ではまた次回!来週は休載なので、6月20日 (金) にまた会おう!!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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