デュエマ妄想構築録 vol.80-2 ~イージーワンショット!イザナギ・ダイダロス!!~

By まつがん

 王道篇第4弾「悪魔神、復活」は、誇張ではなく本当に無限にデッキを作れるセットだった。

 そしてそんな中でも最も多くのデッキを作れるカードといえば、私はこのカードに軍配を上げるかもしれない。

▲王道篇 第4弾「悪魔神、復活」収録、《魔誕の猛将ダイダロス》

 《魔誕の猛将ダイダロス》。そもそも「ヨビニオン」を持つカード自体、そのカードを中心にしたデッキをそれぞれ1デッキ以上作れるほどのポテンシャルがあるわけだが、それにとどまらず「全体スピードアタッカー付与」まで有しているとなれば、もはや可能性は無限大だ。

 だが、それはデッキビルダーにとっては逆に頭痛の種と言えた。新カードが持つポテンシャルを最大限引き出すのがデッキビルダーの役目だが、《魔誕の猛将ダイダロス》が持つ可能性があまりにも多すぎてどこが「最大」なのか判別できないからだ。

 こういうときの解決法は、まずは適当にデッキを作ってみることだ。巨大な暗闇に向けて錨を下ろすように、そのデッキの存在によって次に進むべき方向を見定めることができる。

 では、《魔誕の猛将ダイダロス》でどのようなデッキを作ればいいだろうか?

 それは取りも直さず、「ヨビニオン」先として何を呼び出すかという命題と同値だ。

 そして「他のクリーチャーBを呼び出す能力」を持つクリーチャーAでデッキを作る場合の定石は、Aを出せるクリーチャーBを探すことだ。

 そうすることで、「A→B→A→B→……」という再帰構造が生まれ、ループとはいかないまでも強力な連鎖を組むことができる。

 だがここで一つ課題が生まれる。「ヨビニオン」は自身より低コストのクリーチャーしか出せないので、《魔誕の猛将ダイダロス》で再帰構造を作るためには、4コスト以下で5コストのクリーチャーを出せるクリーチャーを探さなければならない。《アーテル・ゴルギーニ》のように高コストから低コストにつなげるのは簡単だが、低コストのクリーチャーで自身より重いコストを出せるものを探すのはかなり大変だ。

▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」収録、《U・S・A・ONE》
▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」収録、《BIRIBIRIII・ビリー》

 そのようなカードの代表例として《U・S・A・ONE》がある。だが再帰構造を簡単には作らせないように、スピードアタッカーもないし手札が1枚以下のときしか殴れない制限がある。スピードアタッカーは《魔誕の猛将ダイダロス》で付与できるが、手札の枚数だけはどうしようもない。デュエマは相手の判断でこちらのシールドを好きにブレイクできるので、「手札の枚数を常に1枚以下に保つ」ことは難しいからだ。

 一方《BIRIBIRIII・ビリー》はどうかというと、こちらも盤面3体以上の制限があり、「ヨビニオン」で《BIRIBIRIII・ビリー》を確定で呼び出そうとすると《魔誕の猛将ダイダロス》の召喚ターンに3体目を用意することがかなり難しくなってしまう。

 さらにそもそも「マジボンバー」で《魔誕の猛将ダイダロス》に再帰したとしても、「ヨビニオン」は召喚時しか誘発しないため、「A→B→A」という1回だけの再帰で止まってしまう。それではあまり楽しくない。

 つまり必要なのは、4コスト以下でありながらも5コストの《魔誕の猛将ダイダロス》を「召喚」できるクリーチャーなのだ。

 だが、まさかわずか4コスト以下のクリーチャーが5コストもの重さのクリーチャーを「召喚」で出せるはずも……あった。

▲超天篇 第3弾「零誕! 魔神おこせジョルネード1059!!」収録、《葉鳴妖精ハキリ》

 《葉鳴妖精ハキリ》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 マナゾーンに5枚以上用意しなければならないという縛りはあるものの、これならば完全なる再帰構造を実現できる。連鎖の上限は手札にある《魔誕の猛将ダイダロス》だけに限られるが、5マナと《魔誕の猛将ダイダロス》2枚を手札に用意するだけでも、ダイダロス召喚→「ヨビニオン」ハキリ→ハキリ攻撃時ダイダロス召喚→「ヨビニオン」ハキリという動きで盤面に何もない状態からジャスキルが組めるというのは十分強力なコンセプトとなるはずだ。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《ヨビニオン・ガッツンダー》
▲王道篇 第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」収録、《グラディアン・バレット・ドラゴン》

 とはいえデッキに4枚しかない《魔誕の猛将ダイダロス》を2枚抱えるのは大変なところ、1枚でも《魔誕の猛将ダイダロス》を引けているなら2枚目は《ヨビニオン・ガッツンダー》で代替できる。下位互換に見えて、2枠目が存在してくれていてこれほどありがたかったことはない。

 また、手札に余分な《葉鳴妖精ハキリ》を抱えている場合は、《グラディアン・バレット・ドラゴン》も2枚目の《魔誕の猛将ダイダロス》の代替になれる。こうした疑似的な代替カードでデッキを埋めていけば、どんな状況でもゼロからジャスキルが組めるデッキが爆誕するに違いない。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『ハキリ・ダイダロス』

枚数
カード名
4 《葉鳴妖精ハキリ》
4 《魔誕の猛将ダイダロス》
4 《ヨビニオン・ガッツンダー》
4 《グラディアン・バレット・ドラゴン》
4 《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》
4 《U・S・A・CAPTEEEN》
4 《パンヌダルク》
4 《雪精 サエポヨ&ユキぴょん/ハンマー・チャージャー》
4 《オ:ドユニワ/喰土邪覇》
2 《全虹帝 ミノガミ/ハザード・パクト》
2 《グリージー・ファブノーレ/死的で詩的な制裁》

 

 トリガーケアなしで殴るなら《我我我ガイアール・ブランド》でいいだろ!!!😡😡😡

 《魔誕の猛将ダイダロス》からSAの《葉鳴妖精ハキリ》を発射するというのはコンセプトとして美しくはあるものの、そもそも《魔誕の猛将ダイダロス》を使えば大体何でもできるので、単なるSAバニラの連鎖にとどめてしまうのは宝の持ち腐れ以外の何物でもないのであった。

 また、この構造だと1枚目の《魔誕の猛将ダイダロス》は素引きするしかないというのも気になった。

 かくして実際にデッキを作ってみたことで、《魔誕の猛将ダイダロス》というカードには2つの課題が存在することがわかった。1つ目は、「トリガーケアの必要性」。ダイダロスでジャスキルを組むことは容易だが、それだけでは現代デュエマで通用する戦略とはとても言えない。クリーチャートリガーか呪文トリガー、せめてどちらかを封殺しながらの4キルが求められるところである。

 『チューザ・ダイダロス』

枚数
カード名
1 《単騎連射 マグナム》
4 《お騒がせチューザ》
4 《魔誕の猛将ダイダロス》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4 《鬼寄せの術》
4 《Forbidden Sunrise ~禁断の夜明け~》
19 何か

 

 じゃあ単騎かチューザが絶対出る「ヨビニオン」にすればいいのでは???🤔🤔🤔とも考えたが、ここで2つ目の課題である「《魔誕の猛将ダイダロス》召喚の再現性」が立ちはだかる。「ヨビニオン」を確定させるために4コスト以下のクリーチャーは1種類しか入れられないが、そのデッキ構造でありながらも1枚目の《魔誕の猛将ダイダロス》を、しかも4ターン目までには召喚したいので1~3ターン目までの動きで確実に手札に加えられていなければ、《魔誕の猛将ダイダロス》に体重を全乗せしたデッキを組む意味がない。

 かくして、この2つの課題をクリアできるデッキ構造など、とても作れないように思われた。

 だが、デュエル・マスターズというゲームが持つ広大なカードプールは、課題の解決を求める者には必ず答えを示してくれるのだ。

 そう、すなわち。

▲「レジェンドスーパーデッキ 神歌繚嵐」収録、《蒼狼の大王 イザナギテラス》
▲「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」収録、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》

 《蒼狼の大王 イザナギテラス》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 《魔誕の猛将ダイダロス》から《蒼狼の大王 イザナギテラス》を呼び出す構造にすれば、SAを持った《蒼狼の大王 イザナギテラス》は《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》へと「革命チェンジ」して呪文トリガーを封殺できる。さらに《蒼狼の大王 イザナギテラス》の登場時にカードをサーチできるので、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》をあらかじめ手札に抱えておく必要もない。

▲「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」収録、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
▲「最強戦略!! ドラリンパック」収録、《轟く革命 レッドギラゾーン》

 もちろんこれだけではシールドを4枚ブレイクするだけで終わりだが、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》《轟く革命 レッドギラゾーン》の力を借りればそのターン中にダイレクトアタックできる打点を組むことはそう難しくないはずだ。

▲「第1弾」収録、《ディメンジョン・ゲート》
▲王来篇 第4弾「終末王龍大戦」 収録、《地龍神の魔陣》

 《蒼狼の大王 イザナギテラス》の素晴らしい点は、「5枚見て手札に加える」ことと「3以下の呪文を唱える」ことが分割されている点だ。すなわち「2→4」のブースト構造をとりながら《ディメンジョン・ゲート》を採用することで、3ターン目は《蒼狼の大王 イザナギテラス》 or 《ディメンジョン・ゲート》で《魔誕の猛将ダイダロス》を探しにいくことができるし、4ターン目に「ヨビニオン」で出た《蒼狼の大王 イザナギテラス》の能力も、「《ディメンジョン・ゲート》を拾って《ディメンジョン・ゲート》を打つ」こともできるし「《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》を拾って抱えていた《ディメンジョン・ゲート》を打つ」ことも可能なのである。

 このギミックを使えば、4ターン目に《魔誕の猛将ダイダロス》から《蒼狼の大王 イザナギテラス》を「ヨビニオン」した時点で「呪文封殺込みのジャスキル」が可能な手札を様々な組み合わせで組めるはずだ。

 また、「2→4」のブースト材として《地龍神の魔陣》を採用することで、《蒼狼の大王 イザナギテラス》の能力をさらにフル活用できる。

 というわけで、できあがったのがこちらの「イザナギ・ダイダロス」だ!

 『イザナギ・ダイダロス』

枚数
カード名
4 《蒼狼の大王 イザナギテラス》
4 《魔誕の猛将ダイダロス》
1 《龍装者 バルチュリス》
1 《陰陽の舞》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
1 《熱き侵略 レッドゾーンZ》
4 《轟く革命 レッドギラゾーン》
4 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》
1 《飛翔龍 5000VT》
4 《フェアリー・Re:ライフ》
4 《地龍神の魔陣》
3 《フェアリー・ライフ》
2 《ディメンジョン・ゲート》
2 《五郎丸コミュニケーション》
1 《♪2×2-4×5+17=1》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!では《飛ベル津バサ「曲通風」》を出します

▲王来MAX 最終弾「切札! マスターCRYMAX!!」収録、《飛ベル津バサ「曲通風」》

 別にトップから《蒼狼の大王 イザナギテラス》めくってトップから《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》拾えば一緒だろ!!オレが人間《ディメンジョン・ゲート》だ!!!😡😡😡

 次回はデッドマンが持ってきてくれた新カードを紹介予定!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は3/14(金)更新!!