【プロセカ】プロセカ4周年記念座談会(2) 八王子Pさん、sasakure.UKさん、まらしぃさんが語る「出会い」、「曲作り」、「プロセカ」のこと

 2020年9月のサービスイン以来、コロコロオンラインがひたすら追い掛け続けているセガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。

 リリース当初からこのコンテンツを追いかけてきたコロコロオンラインプロセカ班は、2021年10月には1周年を祝した特集の展開や、

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 2022年10月には『プロセカ』2周年を記念した大特集を実施。

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 さらに2023年10月に『プロセカ』3周年記念特集を掲載するなど、担当からほとばしる圧倒的な“プロセカ愛”をカタチにし続けてきた。 

『プロセカ』3周年記念特集は下記の画像をクリック!!
 

  そんなコロコロオンラインプロセカ班がとくに情熱を注いで追っているのが、このゲームの根幹でもある楽曲……そして、それを制作されている“ボカロP”と呼ばれる“才能たち”であります!!

 ということで、『プロセカ』の歩みとともに4年に渡って続けてきた“ボカロPインタビュー連載”ですが、今回も“プロセカ4周年記念企画”として、超豪華座談会第2弾を実施! この連載にもご登場いただいた、八王子Pさんsasakure.UKさんまらしぃさんにお集まりいただき、出会い、楽曲、初音ミク、そして『プロセカ』について存分に語ってもらいました!! ここでしか読めない、超超ロングインタビュー!

ベテランボカロPたちが語る『プロセカ』とは?

――『プロセカ』の4周年を記念して、当サイトのボカロP連載にも登場いただいた豪華なお三方にお集まりいただくという座談会企画も……2回目! 前回ははるまきごはんさん、雄之助さん、水野あつさんにわちゃわちゃなトークを展開してもらったのですが、今回はsasakure.UKさん、八王子Pさん、そしてまらしぃさんという超豪華な皆さんにお集まりいただきました。皆様、当連載にご登場いただくのは3回目……! 本日も、どうぞよろしくお願いいたします!

お三方 よろしくお願いいたしますーーー!

――ではさっそくなのですが、皆さんがどんな形で出会ったのかということからお聞きしたいです。sasakure.UKさんは八王子Pさん、まらしぃさんと初めて会ったときのこと、覚えてらっしゃいます?

sasakure.UK 覚えてますよ! まず八王子さんは……すごく昔になりますね。共演は、2009年ごろに渋谷のDJイベントでごいっしょしたのが初めてだったと思います。ただ、認識したのがいつかってなると……それよりも前ですね。

八王子P 僕の立場から話させていただくと、八王子Pという名前で活動を始める前から、sasakureさんのCDを買って聴いていました。ですから、一方的に知っていた形になると思います。

sasakure.UK あ、そうだったんですね! ありがとうございます(笑)。もともと僕はボカロPになる前に、インストの音楽を作って活動をしていたんです。そのころのCDを聴いていただいていたわけですね!

八王子P そうですそうです!

――それって、何年くらい前の出来事ですか?

sasakure.UK ボカロPになる以前だから……2006年とか2007年でしょうね。

――八王子Pさんはsasakureさんのファンのひとりとして、そういった時代からCDを買って聴いていた、と……!

八王子P まさに、そういうことになります!

――ではまらしぃさん、sasakure.UKさんと八王子Pさんとの出会いがどんな感じだったか、覚えてらっしゃいます?

まらしぃ 八王子さんとは、それこそ音楽ゲーム系のDJイベントだったような気がします。sasakureさんとはもしかすると……即売会でご挨拶させてもらったときかもしれませんね。

sasakure.UK ああ、そうかもしれません! がっつりお話をしたのは2021年9月に行われたアニバーサリーフェスタで、クリエイターチームとしてリズムゲーム対決に出場したときだと思います。

▲“プロジェクトセカイ アニバーサリーフェスタ 2021”のステージイベントとして開催された、“プロジェクトセカイ Championship 2021 Autumn”。お三方は“クリエイターチーム”を結成してリズムゲーム勝負に臨んだのだ。

まらしぃ はい、そうですね。いずれにしても、リアルイベントがきっかけでやり取りをさせてもらうようになったと思います。でも、僕は基本的に“いちリズムゲームオタク”でもあるので、おふたりの作られた楽曲を一方的に聴いていた立場でした。

八王子P 初めて会ったのはもちろんイベントや即売会なんですけど、みんなインターネット上で活動して楽曲を発表していますし、まらしぃさんだったら昔からピアノの演奏で有名だったわけじゃないですか。ですので互いに名前は知っていて、活躍も見ているから、なんだか記憶がごちゃごちゃになるんです。「いつだったっけ!?」って(苦笑)。

――それ、すごくわかります。先日、はるまきごはんさん、雄之助さん、水野あつさんの座談会をしたときも、それぞれの出会いの記憶が曖昧でしたから。「いつが最初!?」って言い合っていました(笑)。

八王子P そうなりますよね! 

sasakure.UK それで言うと、まらしぃさんて音ゲーの曲をよく弾いてらしたじゃないですか。

まらしぃ ああ、ですね。2007年くらいから弾いてると思います。

sasakure.UK その当時から認識しているので、もう十何年も前からまらしぃさんのことは知っている……という意識があるんです。でも、実際にお話しするようになったのはここ数年……。なので、ちょっと脳ミソがバグる感じがします(笑)。

――先ほどもちょっとお話が出た、2021年のChampionship 2021 Autumnのエキシビションマッチ。皆さんは同じチームの一員として戦われたわけですけど、そのときの記憶は強烈に残っているんじゃないですか?

八王子P いやあ、強烈どころじゃないですよー!! 僕がやっちゃったときですよねー! 

一同 (爆笑)

sasakure.UK 最後、八王子さんが居残りプレイみたいになってしまって(笑)。あの瞬間が忘れられないです。でも、本当めっちゃ緊張しますよ、あれは(苦笑)。

まらしぃ 自分もプレイするのが怖かったですもん!

八王子P この3人はそれぞれ、すごくたくさんのお客さんの前でパフォーマンスをしてきた経験があるわけです。ただもう……どのイベントよりも緊張しましたよ……! DJだったらぜんぜんへっちゃらなのに、人前でゲームをするってこんなに緊張するのかと……!!

sasakure.UKまらしぃ あははは!!

――僕も会場で皆さんのパフォーマンス見させていただき、その後に楽屋でインタビューもさせてもらったので、当時のことは鮮明に覚えています。皆さん、プレイがうまいのと同時に、展開がドラマチックでしたよね!

sasakure.UK そう、ドラマしかなかった! おもしろかったですよ! 八王子さんもすごく頑張ってくれていました!輝いていました!(笑)。

▲ガチンコの勝負が展開される中、見事優勝を果たした“クリエイターチーム”!!

――わかりました(笑)。そんな仲のいい皆さんですが、それぞれの尊敬しているところを挙げていただきたく……! まずsasakureさん、八王子Pさんとまらしぃさんについていかがですか?

sasakure.UK まず八王子さんですけど、DJに代表される通り人を盛り上げるのが本当にうまい人。またゲームも『プロセカ』に限らず、いろいろなコンテンツやゲームにトライしてちゃんとやり込んでいるのがすごいなぁ……と、いつも思っています。いったい、どうやってあれだけの時間を捻出しているんですかね!? ゲームと仕事をきちんと両立できているのは、マジメに尊敬します。

――ではまらしぃさんについてはいかがですか?

sasakure.UK まらしぃさんはもうね……僕は楽器が弾けないので、ピアノのパフォーマンスにいつも圧倒されているんです。あのピアノの技術は、純粋に尊敬しています。そしてピアノに精通していることが影響してか、音ゲーの精度がスゴいです。とにかくひたすらPERFECTが出ます!(笑)

――お聞きしていると……「ふたりともゲームがスゴイ!」ってところに終始していますが(笑)。

一同 (笑)

sasakure.UK そうですね(笑)。僕も根本はゲーマーなので、ゲームがうまい人、やり込める人は心から尊敬してしまうんです。

――わかりました! では八王子Pさんは、sasakureさんについてどのように思われていますか?

八王子P ちょっとカブっちゃうんですけど、sasakureさんは本当にゲームが好きで、解像度がすごく高いんです。それはもう『プロセカ』以外でも、世界観をしっかりと反映した曲、歌詞を作って提供されていることからもわかると思いますが。音作りのところから、世界観を表現していくことが本当にうまいんですよね……! ……で、これは他のインタビューでも話しているんですけど、sasakureさんの『トンデモワンダーズ』は、数ある音ゲーの楽曲の中でいちばんリスペクトしています。

sasakure.UK ありがとうございます!

八王子P 『プロセカ』の世界観やストーリーを意識しつつ、音楽としてもキャッチーなものを作るのって……じつはすごく難しいんです。バランスが。どこかに特化させちゃおうと思えば、話は早いんですけどね。たとえば音ゲー的に楽しく、難しくすればいいや……とか。でもそうすると、ゲームで叩いたときは楽しくても、いざ“音楽として”聴いたときに、「なんか、ごちゃごちゃした曲だな……」なんて印象になりかねないわけです。

――あー、確かに!!

八王子P これは、その逆も然りですね。そういったところのバランス感覚が、sasakureさんは抜群なんです。当然リスペクトしていますし、勝手に参考にさせてもらったりしています。

sasakure.UK いやあ、これはうれしいですね……!

――では八王子Pさん、続けてまらしぃさんについてはいかがですか?

八王子P やっぱり、ピアノがスゴい!! ってことは言わざるを得ない!

――言わざるを得ない(笑)。

八王子P 僕も楽器が弾けないんで、あそこまでピアノを弾きこなせる人に対するリスペクトはハンパじゃないですよ。

sasakure.UK ですよね~(笑)。

八王子P あと、僕は個人的にまらしぃさんの曲がめちゃくちゃ好きです!

まらしぃ ホントですか!? うれしいなあ。

八王子P 明るくて、キラキラしていて、エモーショナルな楽曲が多いじゃないですか。じつは僕、シンプルにそういう曲がすごく好きなんです。

――あ、そうなんですか!

八王子P はい。本当はそういう曲を作りたいんですけど、なかなか……。依頼の内容もそうじゃない場合が多いので、書くチャンスもないんですね。加えてボカロ曲の現状って、明るくて楽しい曲がバンバン公開される……っていう時代でもないじゃないですか。でもそんな中でまらしぃさんの曲って、なんかキラキラしているんですよね。なので、ふっつーにファンとして聴いていますね(笑)。

――八王子Pさんは、リスナー視点でおふたりを見ている感じがしますね。

八王子P ああ、そうかもしれません。ユーザー目線で曲を聴かせてもらっていると思います。

――わかりました! ではまらしぃさん、sasakureさんと八王子Pさんについていかがですか?

まらしぃ はい。これは八王子さんにも言えることなんですけど、そのときに自分が求められているものを生み出すときに、どの作品も確実に、sasakureさんだけが持っているフィルターを通されることで独特の世界観を纏うんですよね。『トンデモワンダーズ』に代表されますけど、ワンダショの子たちとか、イベントストーリーに絡めてとかいろいろなオーダーがあっての楽曲だとは思いますが、そこから細かな音ひとつひとつを積み上げていって……和音の使いかただけを聴いても、これはもうsasakureさんの曲だってすぐにわかります。それくらい際立っているんです。

sasakure.UK ありがとうございます!

まらしぃ 僕は楽曲作りもしていますけど、やっぱりピアノを弾くことにも重きを置いているわけです。楽器で音を出すことを大切にしています。その観点から言うと、sasakureさんも八王子さんも演奏はせず、いわゆる打ち込みの音楽でご自身の音を表現していく……ということに、僕は逆に憧れを覚えるんです。

――なるほどー! それは非常におもしろい視点ですね。

まらしぃ そして八王子さんは、クラブイベントであったり、生のフロアを温めていくことに精通されている人です。そのフィーリングを曲に落とし込んでいるわけですけど、おそらくその曲をイベントやクラブでかけたときのお客さんの反応とか、盛り上がり具合まで計算されて作り込まれていると思うんです。しかも、どこかアンダーグラウンドな匂いのするクラブシーンの楽曲を、初音ミクさんを始めとするバーチャル・シンガーと融合させている……! 『RAD DOGS』がそうですけど、ちょっとダークなストリートの気配がする曲と、キラキラでポップなミクさんたちを掛け合わせているわけじゃないですか。すばらしいですよね。曲も、キックひとつ、シンセの音ひとつとっても説得力が違います。

八王子P ありがとうございます……!

まらしぃ これ、楽器を演奏している人に置き換えると、本当にうまい人って和音をひとつ鳴らしただけですごく説得力を感じさせるものなんですけど、八王子さんやsasakureさんは、それを打ち込みの音楽で実現しているんですよね。

八王子P いやあ、改めて言われると恥ずかしいっすね!(笑)

まらしぃ あははは! お互い様ですけど(笑)。

八王子P しかし、じっくりお話を聞いちゃって、あまり掛け合いにならないですね!

『フューチャー・イヴ』(作詞・作曲:sasakure. UK )、『気まぐれメルシィ』(作詞:八王子P/q*Left、作曲:八王子P)、『Snow Mix♪』(作詞・作曲:まらしぃ)など数多くの既存曲もプロセカに実装されている。

――ぜんぜん大丈夫ですよ! お互いがリスペクトし合っていることを伝えられるのがいちばんですから! さてここから楽曲についても掘り下げたいんですけど、皆さんが『プロセカ』に書き下ろされた楽曲についてどのような感想を持っているのか……というところをお聞きしたいです。実装された順だと、八王子Pさんの『RAD DOGS』が2021年2月なのでもっとも早かったんですね。

八王子P はい、そうなります!

――では『RAD DOGS』について、sasakureさんはどのように聴かれましたか?

sasakure.UK 『RAD DOGS』が書き下ろされたイベントストーリーのキーキャラクターだった冬弥と、あとビビバスというユニットそのもののイメージを曲に落とし込むと、こういう楽曲になるんだな……という、ある種の感動を覚えた1曲です。冬弥はクラシック出身ですけど、その要素を楽曲に盛り込みつつ、それでいてキチンとクラブミュージックとしての凄みも入っている……。この、盛り上がりも繊細さも持ち合わせるというバランスの取りかたが巧みなおかげで、リズムゲームで叩くときの譜面もとても楽しくなっているんです。なのでよくMASTER譜面をプレイしています(笑)。

――ではまらしぃさん、『RAD DOGS』についていかがですか?

まらしぃ 初めて聴いたときに出た言葉は、「かっこいい~~~!!」でした。この曲って、ビビバスの本当に初期のイベントストーリーに書き下ろされたものですよね。『プロセカ』って多くのボカロPが提供する楽曲と、キャラの魅力でどんどん世界観が深まっていっているゲームですけど、ビビバスに関しては『RAD DOGS』の解釈が非常に新鮮で、「なるほど! こういう切り口もあったのか!」と衝撃を受けたんです。「やられた!」って思いました。sasakureさんがおっしゃったように、冬弥君のクラシック要素を散りばめつつ、彼が背負う葛藤も音で表現しているわけです。それでいて、ビビバスのみんながそろって歌うとめちゃくちゃ力が湧くかっこいい曲になっているわけです。盛り上がるし、楽しいし……。本当にお気に入りの1曲です。

――八王子Pさん、いまのおふたりの論評を聞かれていかがですか?

八王子P (テレ臭そうに)ありがとうございまーす!!

一同 (笑)

――素直ですね(笑)。

八王子P いやあ、面と向かって言われると、返す言葉って出てこないもんですね!

sasakure.UK このクラシック要素って、オーダーに盛り込まれていたんですか?

八王子P はい、一応ありました。ただ、僕自身がバリバリに音楽理論を知っている……というタイプでもないですし、クラシックをやっていたわけでもないので、がっつりとそちらに寄せるのは難しいだろうなと思いました。たとえできたとしても、自分がこれまで作ってきたサウンド的に、クラシックすぎる曲は、聴いた人も困惑するだろうなと。

――はい、わかります。

八王子P ではどうやってクラシックの感じを出そうかと考えて、ちょっとサンプリング的な音の使いかたとか、あと楽曲全体を通して聴いたときのバランスをすごく考えて作った記憶があります。

sasakure.UK バチバチにハマっていたと思います。おっしゃる通り、バランスがいいんです。

まらしぃ クラシック的なイントロを聴いただけで、「来るぞ!」って思わせるんですよね。

sasakure.UK そう! イントロがいいんです!

八王子P ありがとうございまーす!(笑)

▲2021年1月31日に実装された、ビビバス書き下ろし楽曲『RAD DOGS』(作詞:q*Left、作曲:八王子P)。

――さて続いてsasakure.UKさんの『トンデモワンダーズ』ですが、すでに八王子Pさんもまらしぃさんも、けっこうアツく語られましたね!

八王子P そうですね、語っちゃいましたね(笑)。

――さらに付け加えて、ベタ褒めしてください(笑)。

八王子P わかりました! まず初めて聴いたときは、本当に小難しいことは抜きにして、純粋に「めっちゃいい曲だな!」って思いました。これを、実際にゲームでプレイするわけですけど、そのときに改めて思ったんです。「いい曲って、いい譜面なんだよなー!」って。叩いていて、ひたすら楽しいんです。

まらしぃ わかるーーー!!(笑)

八王子P あとは、先ほど言った“バランス”です。でもこれ、ひと言では言い表せないくらい奥が深いもので、ゲームでプレイするときの楽しさと、楽曲としての完成度を両立させることって本当に難しいんです。その点、『トンデモワンダーズ』はズバ抜けています。『プロセカ』の……いやゲーム音楽の枠を超えて、ひとつの完成された音楽として聴かれていますよね。

――まさに……!

八王子P 僕も、たとえば『プロセカ』の中だとか、ボカロPの世界だったらある程度の結果は出せていると思うんです。でも、この枠を超えたものを作り出せたことがあるのか……って考えると、自分はまだその域に達せていないと思います。『トンデモワンダーズ』は、ゲームの枠を超えた象徴的な楽曲なんです。それで言うとまらしぃさんも、テレビCMでピアノを弾いていたりとか、自分のフィールドを飛び越えたところでも活躍されていますよね。本当に尊敬します、おふたりとも。

――ありがとうございます! ではまらしぃさん、『トンデモワンダーズ』についてはいかがでしょう?

まらしぃ 『RAD DOGS』については「やられた!」でしたけど、『トンデモワンダーズ』については……「正解だな」って思いました。ここまで、ワンダーランズ×ショウタイムというユニットを音で表現することができるんだ……という衝撃ですね。いったい何種類の音色が入っているんだろうって、作り手として見ても驚きばかりなんです。それでいて破綻しておらず、すべてが必然のもとで自然にまとまっているという……! 完全に「参りました!」って思いました。

sasakure.UK ありがたいです……!

まらしぃ 先ほども言いましたけど、sasakureさんのフィルターを通したときの解像度の高さがすばらしいんですよね。八王子さんもおっしゃいましたけど、ゲームが好き、『プロセカ』が好きということが音に現れているんです。『トンデモワンダーズ』を作るために、どれだけワンダショとストーリーを掘り下げられたのか……! 本当に、最高のクリエイターだと思います。あと……。

――はい。

まらしぃ 僕の好みですけど、フルバージョンのソロがめっちゃ好きです!

sasakure.UK あー! ありがとうございます!ここのソロフレーズは僕のラフを元に、有形ランペイジの岸田くんが弾いてくれたフレーズです。

まらしぃ “うれしさ”も“憂い”も、全部音で表現していて、それがワンダショというユニットの奥深さと絡み合って、さらに何段階も深い楽曲に仕上がっているんです。

――ワンダショの、主題歌のひとつって感じがしますもんね。

まらしぃ いやあ、本当にそうですね。

――sasakureさん、おふたりの評価を聞かれていかがです?

sasakure.UK ありがたいですね。でも『トンデモワンダーズ』って、あとでお話しますけど一度は全ボツにしているんです。「これじゃあハチャメチャじゃないな!」と思って。ワンダショってキャッチコピーが“はちゃめちゃショーユニット”ですけど、それを表現するためにはどうすればいいか……とすごく考えて、めちゃくちゃストーリーも読み込んでがんばったので、そこをしっかりと「いい!」と言ってもらえることは、やっぱりうれしいことですね。

▲2021年6月19日に実装された、ワンダショ書き下ろし楽曲『トンデモワンダーズ』(作詞・作曲:sasakure.UK)。

――では続いて、2022年4月に実装されたまらしぃさん、堀江晶太さんの共作による『88☆彡』についてですけど、sasakureさんはこの曲を聴かれてどのように思われましたか?

sasakure.UK すごく好きです! やっぱり88にまつわる言葉遊びが秀逸で……! 星座だったり鍵盤の数だったりするわけですけど、この鍵盤についてはしっかりとイベストの内容と絡んでいますしね。しかも、僕の推しである司君の繊細な一面を知ることができる楽曲なので、とても印象に残っているんです。めちゃくちゃ好きな曲です。

まらしぃ ありがとうございます!

――イベントストーリーの思い出とともに『88☆彡』がある……って感じなんですね。

sasakure.UK もう、おっしゃる通りですね! でもこれ、まらしぃさんはピアノで弾いちゃうなんてすごいなぁ〜……って思っていたんですけど、生放送で苦戦されているのを見て、やっぱりソロはかなり難度が高いんだなぁって思いました!

まらしぃ そうなんですよ……!! めっちゃ弾き直しました。

八王子P でも、弾けるんですもんね。

sasakure.UK そう! 弾けるのがスゴいんですよ。

まらしぃ あれ、一応言っておくと、打ち込みじゃなく演奏していますからね!

八王子P マジで信じられないんですけど!

――まらしぃさんの演奏技術に驚いてらっしゃる八王子Pさん、『88☆彡』についてはいかがですか?

八王子P もうシンプルに、自分の好みの曲です。譜面も楽しいですしね。改めて、ピアノってリズムゲームとの親和性が抜群なんだなって気付かされます。基本、叩く動作じゃないですか、リズムゲームって。それとピアノを弾く動作がハマるので、音色もしっくりくるのかなと思います。……でも、ひとつ言いたいことがあって。

――はい。

八王子P まらしぃさんて、最初は演奏者として登場されたわけですよね。僕も最初は作曲家としてではなく、奏者として知ったわけですし。でも、ボカロPとして『88☆彡』だけじゃなく、いろいろな曲を発表されているのを見たときに……正直、危機感を覚えましたよ。「え!! こっちに来るんだ!?」みたいな。

一同 (爆笑)

八王子P それもキチンと、まらしぃカラーを全面に出したすばらしい曲を作られているんですよ! ピアノだけじゃなく、メロディーも、歌詞も本当にすごくて、「やべぇな……!」って思いましたね!(笑)

――まらしぃさん、いかがですか?

まらしぃ まず、純粋にうれしいです(笑)。『88☆彡』を評価していただけているのもそうですし、ピアノの演奏についてもキチンと聴いて褒めていただけるのは、やはり奏者冥利に尽きます。八王子さんがおっしゃるようにもともと僕は奏者で、作曲を専門にしていたわけじゃないんですけど、初音ミクさんで曲を作りたいな……というところから始まって、いまこうしてご縁が繋がってさまざまなチャレンジをさせてもらっているわけです。『プロセカ』もそうですけど、ミクさんがいてくれたおかげで世界が変わりましたよね。本当に、恩人です。初音ミクさんは。

▲2022年4月11日に実装された、ワンダショ書き下ろし楽曲『88☆彡』(作詞:まらしぃ、作曲:まらしぃ、堀江晶太(kemu))。

――それ、すごくおもしろい切り口ですね。それぞれの“ミク評”って。まらしぃさんは“恩人”と評されましたけど、sasakureさんから見た初音ミクって、どんな存在ですか?

sasakure.UK 『フューチャー・イヴ』という曲で書かせてもらったんですけど、すごく身近にいるようで……それでいて遠い存在なんです。その中で初音ミクは、いつもいっしょにいてくれて、いつもいっしょに音楽を作ってくれて……。すぐそこで触れ合えそうなのに、決して触れることはできないという、不思議な距離にいる気がしています。

――リアルでもバーチャルでもない、独特の存在ですね。

sasakure.UK まさに! この表裏一体感というか、ポジティブとネガティブのあいだにいるような感覚が、自分が作る初音ミク楽曲の原点だと思っています。本当に、不思議な存在。唯一無二なんですよね。

――では八王子Pさん、初音ミクはどんな存在ですか?

八王子P そうですね……ビジネスライクな関係と言いますか……!

一同 (爆笑)

sasakure.UK 割り切った関係(笑)。

八王子P まあそれは冗談で、いろいろなところで言っているんですけど、まずは“感謝”ですよね。まらしぃさんもおっしゃっていましたけど、初音ミクがハブになっていろいろな人と繋いでくれているんです。しかもミクの凄いところって、その繋がりが作曲家だけに留まらないことなんです。たとえばイラストレーターだったり、映像クリエイターだったり。あと、ボーカリストとかダンサーまで、本当に様々ですけど、いろいろな人を繋げているんですよね。ここが、ミクの凄さだと思います。……あと、ひとつ気が付いたんですけどね。

――はい。

八王子P ちょっと話が逸れるかもしれないんですけど、ボカロPが初音ミクを呼ぶときの“呼び方”が、人それぞれだなーって。まらしぃさんはずっと、「ミクさん」って呼んでいたじゃないですか。

まらしぃ あーーー! そうですね!

八王子P 僕は「ミク」って呼び捨てなんですけど、ここにも彼女との距離感とかスタンスが現れるんじゃないかなって思いました。sasakureさん、ミクのことをなんて呼んでます?

sasakure.UK 僕は……「ミクちゃん」かもしれないですね。呼び捨てにするときもあると思いますけど。

――まらしぃさんは確かに、いつも「ミクさん」って言っているイメージです。

まらしぃ 「ミクさん」が基本ですね! でも、ちょっと感極まると「ミクちゃん」ってなりますが(笑)。

――これ、ボカロPインタビュー連載の最初から調査してたら、かなりおもしろいデータになってたなーーー!!

まらしぃ 確かに! どんな派閥があるか調べられましたね(笑)。

八王子P 「どうしてその呼びかたに?」って聞かれても、皆さん言語化するのは難しいと思うんです。感覚なんで。でもミクに対する捉えかたみたいなものがにじみ出るポイントのひとつなのかなー……って、思いました。

――ではもうちょっと『プロセカ』の楽曲についてお聞きしたいんですが、この4年間で本当にたくさんの曲が書き下ろされてきました。そこで、皆さんが聴かれたときに「これはスゴい!」ととくに思った曲を教えていただきたいんです。まずsasakureさん、思いつく楽曲を教えてください!

sasakure.UK これ、いっぱいあって困るんです……! でも……やっぱり最初に挙げたいのは、めちゃくちゃ好きで、影響も受けまくったじんさんの『ステラ』ですね!

――あーーー!

sasakure.UK 以前、このインタビュー連載でも話させてもらいましたけど、『ステラ』があまりにもすばらしい曲だったがために、作っていた『トンデモワンダーズ』のデモ曲を一度、「こんなんじゃダメだ! これは違う!!」って言って、陶芸家みたいに「ガシャーン!」とボツにしてしまいましたし。

まらしぃ ええええ!

八王子P スゴいっすね……!

sasakure.UK 『ステラ』はそれくらい思い入れが強くて、影響も受けた楽曲になります。あと、単純に好きな曲で挙げるとすれば、とあさんの『アイディスマイル』ですね。瑞希の繊細さにすごく寄り添っている楽曲で、乗れるんだけどすごく切ない……という、バランスがすばらしいんです。なんと言うか……心を動かされた曲になります。あともうひとつ! 八王子さんの曲なんですけど、『嬢王』がめちゃくちゃかっこよかったです!

八王子P ありがとうございます!

sasakure.UK この3人で出場したエキシビションマッチのときにちょうど、八王子さんが「高難易度用の曲を作っている」という話をしてくれたんです。さっきも話題になりましたけど、サウンドと高難易度の両立ってめちゃくちゃ難しくて、難度を優先するとリスニングが成り立たなくなったり、逆をすると今度は難度が疎かになる、と……。でも『嬢王』は聴いていてかっこいいし、カリスマ性があるにも関わらず、キチンと高難易度で成立しているんですよね。制作中はきっと、すごく悩みながらだったと思いますけど……。今回、せっかくお話できる機会だったので、ぜひ伝えようと思っていました(笑)。

――八王子Pさん、いまのsasakureさんの言葉を聞かれて、いかがですか?

八王子P いやあ、恥ずかしいですねえ。sasakureさんこそ、高難易度用の曲を作られてきたわけですから。あとボカロ業界で言うと、やっぱりcosMoさん(※cosMo@暴走P。『初音ミクの暴走』、『初音ミクの消失』などがあまりにも有名なボカロPさん)が本当に大きく立ちはだかるんです。その中で、どうやって自分のカラーを出し、高難易度の譜面も成り立たせるのか……というところは、本当に考えました。ずっと言ってきましたけど、ただ難しくするだけだったら簡単なんです。でも曲として聴いたときに、しっかりといいものにするのは……本当に、バランスです。ミクの調声も悩みに悩みながら作っていきましたね。なのでsasakureさんにそう言っていただけるのは、本当にうれしいですし、励みになります。

▲sasakure.UKさんが影響を受けた楽曲『ステラ』(作詞・作曲:じん)をはじめ、『アイディスマイル』(作詞・作曲:とあ)、『嬢王』(作詞:q*Left、作曲:八王子P)についても語ってくれた。

――では八王子Pさん、続けて『プロセカ』の書き下ろし楽曲の中で「これは!」と思ったものをぜひ教えてください。

八王子P じつは僕、傾向的にワンダショの書き下ろし楽曲が好きなんです。なので『トンデモワンダーズ』や『88☆彡』ももちろんなんですが……『Glory Steady Go!』とか、ああいう曲を作りたいっす!!

sasakure.UK わかる! めちゃくちゃいい曲ですよね! 僕も大好きです。

八王子P 明るくて、ちょっとエモさもあって……! もう、シンプルに大好きですね!

――ほかの方が作った曲を聴いて、「こういうの作りたい!」って強く思われるんですねえ。

八王子P 思うんですけど……難しいんです。明るい曲ってとくに、歌詞の難度が高いと思っているんです。なんとなく、明るい曲に使えるフレーズって、けっこう限られるんじゃないかと前々から感じているんですよ。“かっこよさ”とか“暗さ”を表現する言い回しってたくさんあると思うんですけど、曲が明るくて、さらにそれを彩るキラキラした歌詞となると、自分にはかなりハードルが高いです。どう表現したらいいかわからなくなって、行き詰ったりしますね。

――でも、八王子Pさんがワンダショの曲が好き……っていうのが、ちょっと意外な感じがします。

まらしぃ ああ、確かに。

八王子P そうですよね。でもビビバスはサウンド的に近しいものがあるので、なんとなくですけど……ライバル意識みたいなものがあるんだよなーーー!

まらしぃ あーーー! それもおもしろいですね!

八王子P なのでどうしても、仕事目線で聴いちゃうんです。でもワンダショとかレオニのジャンルって自分が作らないからこそ、純粋に聴けるんですよね(笑)。 

sasakure.UK めっちゃわかるそれ!! 僕も変拍子の曲はそのモードで聴いちゃいますもん。「自分の場合はこうするかも」みたいな感じで。

八王子P そうそう!! だから、別ジャンルの曲こそスッと耳に入ってくるんですよねー。

▲八王子Pさんが大好きな楽曲。『Glory Steady Go!』(作詞・作曲:キノシタ)。

――おもしろい!! ではまらしぃさん、「これは!」と思った楽曲を挙げるとすると?

まらしぃ 僕はもう、『ステラ』1択でした。

sasakure.UK おおおお! やっぱそうですよねー!

まらしぃ 僕、プロセカって体験版から遊んでいるんです。本サービスが始まる1ヵ月くらい前に配信された、『Tell Your World』(作詞・作曲:kz)、『ヒバナ -Reloaded-』(作詞・作曲:DECO*27)、『スイートマジック』(作詞・作曲:Junky)の3曲が遊べるバージョンから。

八王子P あったあった! 懐かしい!

まらしぃ で、「このゲームすげえ!」ってなって本サービスが始まってからもやり込んで、さあいよいよ初めてのイベントストーリーだ……ってなったときに、「イベスト最初の書き下ろし楽曲は、じんさんです」って発表されたんですよ。そのときの、期待感たるや!

――あったなぁ……!!

まらしぃ めちゃくちゃ待ち構えていたんです。「じんさんはどんな曲を作ったんだろう?」と思って。そして実装されたのが『ステラ』です。もう、とんでもないですよ。「いったいこれは何なんだ!?」ってなりました。そのとき、僕はまだ書き下ろしの依頼とか来ていなかったので、思いましたもん。(これ、いま書き下ろしを依頼されているクリエイターたちは頭を抱えているぞ)って。

sasakure.UK うわーーー!! 完全にその状態でしたーーー!!(笑)

まらしぃ あははは。でも、同時に思ったんです。(これ……もしも自分に依頼が来たらどうしよう……!!)って。『ステラ』を超えるのは難しいとしても、これと同じ土俵に上がれるくらいのものを、いまの自分は作れんのか!? って考えました。なので、衝撃……というか、危機感すら覚えた楽曲です。

――sasakureさんが激しく頷いています(笑)。

sasakure.UK 初手からあのクオリティーは、えげつなさすぎでした。まらしぃさんがおっしゃったように、「こんなん出されたら、これと同等のクオリティーのものを作らないと発表できないじゃん!」という気分にさせられたんです(苦笑)。

まらしぃ あとは、個人的な好みで言うと『月光』ですね。

――おお!! キタニタツヤさんとはるまきごはんさんの!

八王子P あーーー! 確かに……!

sasakure.UK すんごいわかる!

まらしぃ それとニーゴだと……『限りなく灰色へ』も好きです。

一同 わかるーーー!!!

まらしぃ もうひとつ、完成度で言うと『トンデモワンダーズ』を聴いたときと同じくらい、殴られたような衝撃を覚えたのは『バグ』ですね。いちゲーマーとして『プロセカ』を遊んでいる側としても、実際に曲を作って関わらせてもらっている人間としても、すごく完成度が高い曲だと思いました。

――かいりきベアさん! 先日、この連載にも登場していただきました!

まらしぃ もう、挙げ始めるとキリがないですね。枚挙にいとまがないとはまさにこのことかと(笑)。

――全員が激しくうなずいているのがいいですね(笑)。もうこの話だけで何時間も話を聞けそうなんですけど……すでに残り10分を切ってしまいました!!

八王子P けっこうしゃべっちゃいましたもんね(笑)。

sasakure.UK ですねー。ついついアツく語ってしまいました(笑)。

▲まらしぃさんが衝撃をうけた楽曲『ステラ』(作詞・作曲:じん)をはじめ、『月光』(作詞・作曲:キタニタツヤ 、 はるまきごはん)、『限りなく灰色へ』(作詞・作曲:すりぃ)、『バグ』(作詞・作曲:かいりきベア)についても語ってくれた。

――あの、皆さん『プロセカ』をやり込んでいて、リズムゲームの腕前もすばらしいですけど、このいちプレイヤーとして考えたときに、何か印象に残っていることってあります? たとえばまらしぃさん、最近もイベランでエラいことになっていましたよね?

まらしぃ あーーー! 見ましたか(笑)。はい、全国10位でした(※今年8月に行われたワールドリンクイベント「キミと、セカイの始まりで」チャプター1:巡音ルカで全国10位に!)。

sasakure.UK八王子P えええええ!!

――すさまじいよなあ……。最初にsasakureさんが言ってましたけど、どうやって時間を捻出されているんですか?

八王子P それ、ぜひ聞きたいですよ。どうやっても、時間をかけないことにはたどり着けない境地ですからね。

まらしぃ このときは、ワールドリンクイベントと言って、ちょっと特殊な建付けだったんです。バーチャル・シンガーは各チャプターごとに2日間開催だったかな。なのでその48時間は、「仕事しない!」って決めてました(笑)。

sasakure.UK なるほど! やっぱそうなんですか! 狙ったイベントの期間中は仕事を入れないんですね。

まらしぃ そうですね。事前に、「その2日間、僕は体調を崩すと思います!」ってまわりに根回しをしておきます(笑)。

一同 (爆笑)

まらしぃ なので……時間は作ります!! まあこの2日間で2キロ痩せたので、あながちウソじゃないかなと(笑)。

――でもガチということで言うと、八王子Pさんも相当なやり込み派ですよね。『プロセカ』に限らずだと思いますが。

八王子P そうですね。その視点で『プロセカ』を語るとすると、やっぱりバランスがすばらしいんです。ゲームって、いろいろな層の人が遊ぶじゃないですか。キャラを愛する人、ストーリーを楽しみたい人、カジュアルにたまに触れる人、ガチでやり込む人とかとか。その人たち全員を満足させるものを作るのって、たぶん想像を絶するくらい難しいと思うんです。そこで『プロセカ』ですけど、このゲームはそういった無理難題をめちゃくちゃ高次元で実現できている稀有な存在だなと感じます。音ゲー好きも、キャラ好きも、そして収録されている楽曲が好きという人の欲求も満たしてくれている。これは、心から尊敬します。なので、人に薦めやすいんです。あらゆる層にリーチできるゲームなので。

――わかりました! ではもうひとつ、この4年間で『プロセカ』はたくさんのリアルイベントを行ってきましたけど、とくに印象に残っていることは?

sasakure.UK クリエイターズフェスタとか、毎回楽しく参加させてもらっているので印象的ですけど、やっぱり……八王子さん、まらしぃさんと出場したエキシビションマッチですねー!!(笑) これに勝るものはありませんよ!

八王子P 僕も同じく、あのエキシビションマッチは忘れられないっすよ……!(苦笑)

sasakure.UK ここ何年かで、いちばんドキドキした瞬間ですよ。人前でリズムゲームをプレイするとか(笑)。

八王子P いやもう、あれを超えるものは、ちょっといま思いつかないです。

――若干、トラウマになってる感じですね(笑)。

八王子P ホントにそうですよ!! でも、ほかに挙げるとすると、僕は出展したことはないんですけど、やっぱりクリエイターズフェスタはいいですよね。というのも、『プロセカ』の運営さんて我々クリエイターのことをすごく考えてくれていて、何かと還元してくれようとするんです。ファンとの交流機会もそうですけど、こういったクリエイター想いなところが本当にありがたいんですよね。

――まらしぃさん、印象に残っているリアルイベントは?

まらしぃ これは皆さんと同じで、あのエキシビションマッチですねーーー。sasakureさん、八王子さんといっしょのチームでわちゃわちゃとできましたけど、僕もいい歳になってきたので、なかなか仲のいい人と集まって、純粋にゲームで楽しむ瞬間が少なくなってきているんです。そういう意味でも、あのひとときは忘れられないです。本当に、楽しかったなー!

――ちなみにまらしぃさんも、エキシビションマッチのときは緊張されていたんですか?

まらしぃ ……僕、その何年かまえに日本武道館で単独ライブをやらせてもらったんですけど、正直……そのときより緊張しました!!

一同 (爆笑)

八王子P そうだよなぁ……! 絶対緊張するんだよ、あの舞台って……!!(絞り出すように)

まらしぃ ピアノだったら何とでもなるんですけどね!!(笑)

sasakure.UK ゲームは、ミスが如実に反映されますから!!

――皆さんの一生の思い出になっているということが、よくわかりました(笑)。

まらしぃ あははは。本当に、その通りですねー。

▲こちらは秋葉原UDXで行われた“クリエイターズフェスタ2023”の様子。プロセカに参画するボカロPをはじめとする数々のクリエイターと、熱心に遊び続けるファンを“つなぐ”祭典だ。

――では、最後の質問です。4周年を迎え、これからさらにいろいろなことが起こるであろう『プロセカ』に、ひと言ずつお願いいたします。まずはsasakureさん!

sasakure.UK はい! ますます賑やかになってきた『プロセカ』を、今後も遊び倒したいと思います! 難しい曲もたくさん増えてきたので、これから来るであろう高難易度楽曲に向けて日々指の鍛錬を重ねていきたいと思います。そして…これからも楽しいイベントや楽曲を楽しみにしておりますので、運営の皆さんも、お身体に気をつけて、がんばってください!

――ありがとうございます! では八王子Pさん!

八王子P 今日はいろいろと話させてもらいましたけど、これも『プロセカ』が最高のゲームだからです。ですのでユーザーの皆さん、これからも安心して遊び込んでください。僕もいちファンとして、今後追加される楽曲やストーリーが楽しみですし、皆さんと同じように遊んでいきます。『プロセカ』ってこれまで、僕らが想像しうることを片っ端から実現してきた稀有なコンテンツだと思うんです。「こんなことをやってくれないかな」とか、「こういうのもおもしろいのでは」と想像していたことをどんどん実現してきてくれているので、今後もますますの発展を期待しております!

――ありがとうございます! では、まらしぃさん!

まらしぃ まずは4周年おめでとうございます! 僕に限った話になってしまいますけど、たくさんの人に知ってもらい、楽曲を聴いていただける機会を与えてくれた『プロセカ』には、本当に感謝しているんです。ここを起点に生まれたご縁は今後の活動においても大きな財産だと思っているんですけど、同じようなことを感じているプレイヤーも多いと思うんです。『プロセカ』をきっかけに友だちが増えたり、新しいことが始まったり。そういう縁が、もっともっとたくさんの人に、長い期間広まっていくといいなと思います。自分に協力できることがありましたら力の限りがんばらせていただきたいと思いますし、10周年まで来たらまた同じメンバーで集まって、座談会ができたらいいなと思います!

sasakure.UK いいですねー!!

八王子P それは楽しいっすね!

――そのときの回しは、また僕がやらせてもらいます!

まらしぃ あはは! よろしくお願いします!

――あの、いちファンとしては、3人の合作なんてのも期待してしまいます。

お三方 おおおおおお!!!

まらしぃ それはいいかもしれないですねー!

八王子P 確かに! おもしろいですね!

sasakure.UK やりましょう!!(笑)

――では、それも密かに期待しつつ、4周年記念座談会を締めたいと思います。本日は楽しいお話、本当にありがとうございました!!

sasakure.UK八王子Pまらしぃ ありがとうございましたー!!

 

八王子P

ボカロ界の貴公子。ダンスミュージックをベースにしたエレクトリックなサウンドのボーカロイド楽曲を中心に発表している一方、ボーカリストのプロデュースや楽曲提供も行っている。
代表曲となる「気まぐれメルシィ」や「Gimme×Gimme」は動画再生回数3000万回を超える。
2022年8月31日には3年ぶりとなるアルバム「HIDEOUT」をリリース。本作には約10年ぶりとなるkz(livetune)とのコラボ楽曲やR Sound Designとのコラボ楽曲が収録されている。

sasakure.UK

時代を越えて継承されてゆく寓話のように、物語の中に 豊かなメッセージ性 が織り込められた歌詞。緻密で高度な技術で構成された、ポップでありながら深く温かみのあるサウンド。それらを融合させることで、唯一無二の世界を表現する。
インターネット上で自身のサイトを拠点にオリジナルのインスト楽曲を発表する活動の後、VOCALOIDにインスピレーションを受け、作詞にも挑戦。動画投稿サイトにて注目を集める。
鈴木みのり、Sou、名取さな等のさまざまなアーティストへの楽曲提供のほか、初音ミクのライブ「マジカルミライ10th Anniversary」のテーマソング「フューチャー・イヴ」の書き下ろしや「CHUNITHM」「maimai」等多くのゲームに楽曲収録されている。また、自身もメンバーとして参加するバンド「有形ランペイジ」の活動等、活躍の場を広げる。

まらしぃ

 

1990年名古屋市生まれ在住、ピアニスト、作曲家。

2008年から名古屋自宅よりピアノ演奏動画、ライブストリーミングを発信。

アニメ、ゲーム、ボーカロイド、J-pop…日本カルチャーを代表する楽曲を自分のスタイルに置き換えピアノ演奏動画を投稿。

2021年3月ピアニスト単独での日本武道館公演を開催している。

ピアニストの活動と並行し「アマツキツネ」「青く駆けろ!」等多くのボカロ楽曲を発表、

「SNOW MIKU 2023」テーマソング(SnowMix♪)を担当、

2023年3月投稿「新人類」はボカコレ2023春総合ランキング1位を獲得している。

現在YouTube8億5千万回再生、チャンネル登録数199万人ピアノ1台で多くの人の心を虜にするピアニスト。

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タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

■App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710

■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai

「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。