デュエマ妄想構築録 vol.74-3 ~このしょうもないデッキのためにどんだけ時間かけるねん! オーロラナイン・ドギラゴン!!~

By まつがん

 今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《空奏力 ナイン》

 新たな《無重力 ナイン》だと……?

 しかも「G・ゼロ」条件はアウトレイジが必要だった《無重力 ナイン》と異なり、マナゾーンが4枚以上あれば文明すら問わずに0マナで出せるというのである。0マナでクリーチャーが出せるというのは大抵何か悪いことを引き起こす。《空奏力 ナイン》も、何かしらのバグを発生させるに違いない。

 というわけで、9月21日(土) に発売予定の王道篇第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」に収録される新カード、《空奏力 ナイン》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

 いつもどおり、新カードを使ってデッキを作る際にはまずそのカードが持つ唯一無二性に着目しよう

 さて、《空奏力 ナイン》が持つ唯一無二性とは何だろうか?

▲「謎のブラックボックスパック」収録、《ゾンビポンの助》
▲「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」収録、《夢幻なる零龍》

 ここで「0マナで召喚できること」とだけ答えてしまうと、《ゾンビポンの助》《夢幻なる零龍》という前例があるので不適となってしまう。

 ということは、《空奏力 ナイン》が《ゾンビポンの助》と違う部分はどこにあるのかを言語化することこそが、求める唯一無二性に近づくための近道となりそうだ。

 そう考えると、「火文明を持つこと」「バトルゾーンに残ること」の2点が最も大きな違いと言えそうである。

 では、「火文明でバトルゾーンに残る0マナクリーチャー」を生かすにはどうすればいいだろうか?

 私が導き出した答えは、これだ。

▲王来篇 第2弾「禁時王の凶来」収録、《我我我ガイアール・ブランド》

 《我我我ガイアール・ブランド》を乗せればいいのでは???🤔🤔🤔

 《我我我ガイアール・ブランド》は非常に強力なカードだが、軽減能力を使うためには先に火のクリーチャーを1体召喚しておく必要がある点が問題だった。《一番隊 チュチュリス》を絡めない限り、1コストクリーチャー+《我我我ガイアール・ブランド》でどうやっても3マナかかってしまうのだ。

 だが《空奏力 ナイン》を使えば合計2マナで召喚できる。もちろんそのためにはマナゾーンに4枚のカードが必要とはなってしまうが、マナを伸ばしやすい自然と組み合わせることで、突然の致死打点を組みにいけるに違いない。

 というわけで、できあがったのがこちらの「エアエア・ブランド」だ!

 『エアエア・ブランド』

枚数
カード名
4 《桜風妖精ステップル》
4 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》
4 《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》
4 《冒険妖精ポレキチ》
4 《クリクリ・イガラーズ》
2 《無重力 ナイン》
4 《空奏力 ナイン》
4 《鯛焼の超人》
1 《陰陽の舞》
4 《弾丸超邪 クロスファイア》
1 《“轟轟轟”ブランド》
4 《我我我ガイアール・ブランド》

 

 メタもなければ打点もない紙束が完成!!!😡😡😡

 マナゾーンにカードを4枚並べるということは、それだけ手札が減ってしまうということでもある。それを実質タダでマナ加速できる《桜風妖精ステップル》と《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》で誤魔化しつつ、《空奏力 ナイン》の召喚後に《冒険妖精ポレキチ》と《クリクリ・イガラーズ》でマナから《我我我ガイアール・ブランド》を召喚することでハンドキープを緩くするアイデアそれ自体は悪くなかったが、結局デッキ全体でジャスキルを狙いにいくような不毛な構造に終始してしまう点は問題だった。

 だが、《空奏力 ナイン》を早期に着地させたい以上、ステップルエスメル基盤は最適解の一つであるはずなのである。ならば問題は《我我我ガイアール・ブランド》の側にあるのではないか。

 そう、他に4マナ以下で《空奏力 ナイン》と相性が良いカードといえば。

▲「頂上決戦!!デュエキングMAX2023」収録、《命の集う聖域 フィオナの森》

 《命の集う聖域 フィオナの森》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「フィオナ・ストーム」だ!

 『フィオナ・ストーム』

枚数
カード名
4 《桜風妖精ステップル》
4 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》
4 《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》
4 《キタカゼマンA》
2 《再生妖精スズラン》
4 《無重力 ナイン》
4 《空奏力 ナイン》
4 《鯛焼の超人》
1 《陰陽の舞》
1 《弾丸超邪 クロスファイア》
4 《我我我ガイアール・ブランド》
4 《命の集う聖域 フィオナの森》

 

 カードを引きたいのか殴りたいのかわからない人格破綻デッキが完成!!!😡😡😡

 もちろん本来は《命の集う聖域 フィオナの森》を設置したターンにクリーチャーを連鎖させてそのまま何らかの特殊勝利手段につなげられたら美しかったのだがそんなウルトラCができるはずもなく、フィオナの森ならぬ前衛芸術「フィオナの無理」が爆誕してしまったのであった。

 だが、4マナ以下で《空奏力 ナイン》と相性が良いカードは他にもある。《空奏力 ナイン》は0マナとはいえ仮にスピードアタッカーを付与したとしても1打点にしかならない点が問題だった。

 つまり、《空奏力 ナイン》を2打点にしながらスピードアタッカーを付与すれば突破口が見えるのではないか。

 そう、すなわち。

▲十王篇 第4弾「百王×邪王 鬼レヴォリューション!!!」収録、《傾国美女 ファムファタァル》

 《傾国美女 ファムファタァル》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「エアエア・ビビッド」だ!

 『エアエア・ビビッド』

枚数
カード名
4 《カクラリコ》
4 《カンゴク入道》
4 《斬斬人形コダマンマ GS》
3 《レクタ・アイニー》
4 《クラゲン》
4 《パラダイス・アロマ》
4 《アクア・アナライザー》
4 《空奏力 ナイン》
4 《傾国美女 ファムファタァル》
1 《“轟轟轟”ブランド》
4 《我我我ガイアール・ブランド》

 

 最初のデッキと全く同じ問題点を抱えた上にキルターンが遅くなった「無-トピア」が完成!!!😡😡😡

 そもそも《傾国美女 ファムファタァル》を安定してトップに積むのが不可能すぎて結局《我我我ガイアール・ブランド》とのハイブリッドになってしまっており、車輪の再発明ならぬクソの再発明といった様相であった。

 こうなるともはや《空奏力 ナイン》をビートダウンで採用することは不可能に思われた……だが、それは逆に一つの可能性を消せるという意味では朗報でもあった。

 ビートダウンで有効活用するのが不可能ならば、コンボデッキで使えばいいのだ。

 そう、すなわち。

▲新4弾「誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」収録、《デッドヒート・メガマックス》

 《デッドヒート・メガマックス》の頭数にすればいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「エアエア・メガマックス」だ!

 『エアエア・メガマックス』

枚数
カード名
4 《カンゴク入道》
4 《レッツ・烈・ノルッピ》
4 《熱湯グレンニャー》
4 《爆熱血 ロイヤル・アイラ》
4 《無重力 ナイン》
4 《空奏力 ナイン》
4 《魔神頂上 ”密愛流”9th/「パーフェクト!パーフェクト!!」》
4 《新世界 シューマッハ》
4 《禁断竜王 Vol-Val-8》
4 《デッドヒート・メガマックス》

 

 《デッドヒート・メガマックス》唱えるのに4マナまで伸ばしたいわけがないので一秒で嘘がバレるデッキが完成!!!😡😡😡

 3回くらい一人回ししてみてあまりの嘘具合に作った自分でも引く始末であった。

 だが、コンボデッキというアプローチはまた違った視点をもたらしてくれた。

 《空奏力 ナイン》にスピードアタッカーを付与する手段は、《我我我ガイアール・ブランド》や《傾国美女 ファムファタァル》のような「スピードアタッカー付与獣を出す」ことだけに限らない。

 追加ターンをとれば実質スピードアタッカーを付与しているのと同義なのだ。

 そう、つまり。

▲新3弾「気分J・O・E×2 メラ冒険!!」収録、《“必駆”蛮触礼亞》
▲双極篇 第1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」収録、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》

 フレア覇道とセットで使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「エアエア覇道」だ!

 『エアエア覇道』

枚数
カード名
4 《夜露死苦 キャロル》
4 《世露詞苦 キャロル》
4 《無重力 ナイン》
4 《空奏力 ナイン》
4 《超次元の王家》
4 《強瀾怒闘 キューブリック》
4 《神出鬼没 ピットデル》
4 《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》
4 《氷柱と炎弧の決断》
4 《“必駆”蛮触礼亞》

 

 エアプの王道エアデッキが完成!!!😡😡😡

 ゲームに勝つためのウェイトが《無重力 ナイン》と《空奏力 ナイン》のスロットと無関係すぎてこんなにスロット割く必要がないというか、《無重力 ナイン》だけで明らかに十分すぎるのであった。

 だがこうした数々の失敗を経たことで、ここにきて「クリーチャーを横展開して打点にしよう」という発想がそもそも間違っている可能性に気づいたのである。

 つまり、無の盤面にたった1枚の《空奏力 ナイン》を立てることが鍵になるコンセプトがあればいいのではないか、という発想だ。

 では無に《空奏力 ナイン》を立てることで成立するコンセプトとは一体何だろうか?

 私が導き出した答えは、これだ。

▲エピソード2「ビクトリー・ラッシュ」収録、《ライフプラン・チャージャー》
▲十王篇 第1弾「切札×鬼札 キングウォーズ!!!」収録、《勝熱英雄 モモキング》

 《ライフプラン・チャージャー》で《勝熱英雄 モモキング》を探しながら「キリフダッシュ」用クリーチャーを出せるのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「カウンター・ダッシュ」だ!

 『カウンター・ダッシュ』

枚数
カード名
4 《ア:グンテ》
4 《裏斬隠 フォクシット》
4 《偽りの名 ドルーシ》
4 《勝熱英雄 モモキング》
4 《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》
4 《フェアリー・ライフ》
4 《ライフプラン・Re:チャージャー》
4 《S・S・S》
4 《百威と族絆の決断》
4 《爆殺!! 覇悪怒楽苦》

 

 そもそも《空奏力 ナイン》が抜けてる「これが本当のエアエアナインなんつってね」うるせーなデッキが完成!!!😡😡😡

 「『ファイアー・バード』と『ドリームメイト』は絶対に許さん」という思いでデッキを作っていったら1点ブレイクのリスクを極限まで高める構築に行き着いてしまい、《空奏力 ナイン》を抜いてトリガーで出した《ア:グンテ》と《偽りの名 ドルーシ》から「キリフダッシュ」した方がマシという結論に至ってしまった。これはこれで気に入っているコンセプトだが、今回の趣旨には反している。

 しかしここまで来ると、「まだ作ってない文明の組み合わせ」からデッキの文明を逆算するようになっていった。

 「火単」と「火自然」と「火水」は作ったので、あと作ってないのは「火闇」と「火光」くらいだ。

 そして、火闇というカラーリングを象徴する代表的なカードといえば。

▲十王篇 第3弾「幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」収録、《百鬼の邪王門》

 《百鬼の邪王門》からスピードアタッカー付与獣を踏み倒せばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「エアエア邪王門」だ!

 『エアエア邪王門』

枚数
カード名
4 《カンゴク入道》
4 《サーイ=サイクル》
4 《ルピア&ガ:ナテハ》
1 《単騎連射 マグナム》
2 《空奏力 ナイン》
4 《「貪」の鬼 バクロ法師》
4 《ラウド ”NYZ” ノイジー》
2 《頂上龍覇 サソリス2nd/「ナチュラル、タイマン!」》
4 《傾国美女 ファムファタァル》
2 《鬼ヶ羅刹 ジャオウガ》
1 《悪縁 ガクブッチ=リッチーモア》
4 《秩序の意志》
4 《百鬼の邪王門》

 

 100秒後に《空奏力 ナイン》が抜ける未完成デッキが完成!!!😡😡😡

 だから1点がSAで増えても大して意味がねーんだっつーの!

 あまりにもデッキにならなすぎて、もう逆に楽しくなってきた。

 打点としての《空奏力 ナイン》にも、コンボパーツとしても《空奏力 ナイン》にも可能性は残されていなかった。

 しかし、私は思い出したのだ。

 王道篇によって、「ただ1体の何でもないクリーチャー」にもこなせる、新しい役割が生まれていたことを。

 そう、すなわち。

▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》

 《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を出したターンに無限攻撃までつなげられるのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「ハイパー・ゼロ」だ!

 『ハイパー・ゼロ』

枚数
カード名
4 《桜風妖精ステップル》
4 《斬斬人形コダマンマ GS》
4 《カンゴク入道》
4 《森翠月 モスキート》
4 《料理犬のヴィヤンドゥ》
4 《友情地龍 ルピア・ターン》
4 《空奏力 ナイン》
4 《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》
4 《グリージー・ファブノーレ/死的で詩的な制裁》

 

 ハイパードラゴンに依存しきったスッカスカのデッキが完成!!!😡😡😡

 無限攻撃の再現性を上げたことで相手に無限にボコボコにされる再現性も同時に上がってしまうのはデッキコンセプトが始まる前から終わっている証であった。

 しかしそれでも、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》にたどり着けたことは確実に一つの収穫だった。

 これをもとに、最後に残された「火光」のコンセプトに挑戦できる可能性が生まれたからだ。

 そう、つまり。

▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」収録、《BIRIBIRIII・ビリー》
▲「弩闘×十王 超ファイナルウォーズ!!!」収録、《超救命主 タイヨー》

 《BIRIBIRIII・ビリー》の3体条件をクリアして《超救命主 タイヨー》を早期着地させられるのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらの「ハイパー・タイヨー」だ!

 『ハイパー・タイヨー』

枚数
カード名
4 《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》
4 《ヴェネラック-F5》
4 《星姫械 エルナドンナ》
4 《BIRIBIRIII・ビリー》
4 《獲銀月 ペトローバ》
4 《ブランド-MAX》
4 《空奏力 ナイン》
4 《注文猫のウェイ》
4 《超救命主 タイヨー》
4 《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》

 

 マジボンバーでナインがめくれてマジギレ台パンボンバー間違いなしのデッキが完成!!!😡😡😡

 「めくり連鎖系のデッキに単体で弱いクリーチャーを入れてしまうとめくりが弱くなって本末転倒」というのはデュエマ日本国憲法に書いて義務教育で教えた方が良いという教訓が得られただけだった。

 ……本当に、すべての可能性を検討した。

 「新カードでデッキを作る場合、そのカードが持つ唯一無二性に着目するべき」。この連載が掲げている定理だが、ここまでデッキにならないとなると、もはやそれを疑いたくもなってくるほどだった。

 初めて、デッキにならないことを覚悟した。

 《空奏力 ナイン》の唯一無二性は、他のカードが持つ唯一無二性の下位互換でしかないと。そうした結論を導くのに十分すぎるほどの検証を経た。

 だが、それでも。

 私は諦めなかった。無からクリーチャーを出せるカードが、マナという概念から解き放たれた「ゼロ」が、収まるべき居場所を見つけられないなどという、そんな事態を信じられるはずがなかった。

 そして、最後の挑戦に臨んだのだ。

 そう、それは。

▲「夢の最&強!!ツインパクト超No.1パック」収録、《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》
▲革命編 第1章「燃えろドギラゴン!!」収録、《燃える革命 ドギラゴン》

 「オーロラドギラゴン」のラストピースなのでは???🤔🤔🤔

 《燃える革命 ドギラゴン》は、進化元に「火のクリーチャー」を必要とする。「革命0」を発動するためにはただ《逆転のオーロラ》を唱えればいいが、「火のクリーチャー」を用意しながら《燃える革命 ドギラゴン》を踏み倒すというのは、たとえ《母なる星域》をもってしても、超えるべきハードルが多すぎるというのがこれまでの現状認識だった。

 だが、《空奏力 ナイン》がいればもはや進化元の心配は必要ない。《燃える革命 ドギラゴン》を踏み倒したいターンに、手札をたった1枚使うだけで他に1マナたりとも必要とせず、バトルゾーンに用意できるのだ。

 これは「オーロラドギラゴン」の歴史を変えるに違いない。そう思ったら、手が止まらなかった。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《九番龍 ジゴクバンカー Par459》
▲アビス・レボリューション 第1弾「双竜戦記」収録、《十柱の超人/直撃の極意》

 vol.73-3で紹介した《九番龍 ジゴクバンカー Par459》も、「オーロラドギラゴン」の歴史を変える一翼を担うカードだ。

 無の盤面に《燃える革命 ドギラゴン》を降臨させるには、《逆転のオーロラ》を唱えた上でなお「進化元となる火のクリーチャー」「《母なる星域》」「《母なる星域》でマナに送るクリーチャー」が必要となる。《九番龍 ジゴクバンカー Par459》は、このうち3つ目の「《母なる星域》でマナに送るクリーチャー」になりながら、1つ目と2つ目の「進化元となる火のクリーチャー」「《母なる星域》」のうち手札に足りない方の代わりになれるからだ。

 《十柱の超人/直撃の極意》は、そんな《九番龍 ジゴクバンカー Par459》に依存したカードだが、マナの支払いがぴったりである点が芸術的だ。《逆転のオーロラ》で10マナに到達した場合、浮いた5マナのうち1マナで《直撃の極意》から《九番龍 ジゴクバンカー Par459》を指定し、2マナで召喚すると、2マナしか残らない部分にアンタップインで1マナ増えるので、《母なる星域》をぴったり唱えることができる。

▲新4弾「誕ジョー!マスタードラゴン!!〜正義ノ裁キ〜」収録、《再生妖精スズラン》
▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《大冒犬ヤッタルツー》

 他方、《母なる星域》《空奏力 ナイン》はあっても《九番龍 ジゴクバンカー Par459》がないという場合、《母なる星域》でマナゾーンに送る非進化クリーチャーに困ってしまう。そこで「3→5」のマナカーブを《再生妖精スズラン》で実現することにより、いつでも《母なる星域》用の素材を手札を使わずにマナゾーンから引っ張れる構造が完成した。

 もちろんそれだけだと《逆転のオーロラ》唱えて「あ、スズラン落ちなかったんで負けです」という情けない結果になりかねないところ、《大冒犬ヤッタルツー》は2ターン目に召喚する限りにおいては3ターン目の攻撃でマナゾーンに行くので《再生妖精スズラン》の5~8枚目として機能する。この発見を「スズラン+オーロラ+星域構造」のテンプレートとしてデュエマ学会に発表したい

 というわけで、できあがったのがこちらの「オーロラナイン・ドギラゴン」だ!

 『オーロラナイン・ドギラゴン』

枚数
カード名
4 《再生妖精スズラン》
4 《大冒犬ヤッタルツー》
1 《幻緑の双月/母なる星域》
3 《十柱の超人/直撃の極意》
4 《空奏力 ナイン》
4 《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》
4 《燃える革命 ドギラゴン》
4 《九番龍 ジゴクバンカー Par459》
4 《ガガガン・ジョーカーズ》
4 《母なる星域》
4 《逆転のオーロラ》

 

 4ターン目に手札0・シールド0・マナフルタップで《空奏力 ナイン》を進化元にして《燃える革命 ドギラゴン》が単身で降臨するという、稀に見る綺麗さの最終盤面を作れる美しいデッキが完成した。「だから何だよ」と言われるとそれまでなのだが……とにかく、どうにか私が満足いくクオリティのデッキを作ることができた。つまるところデッキ作りとは、自ら見出した課題にどのような途中式をたどってどのような答えを出すのかという、究極の自己満足なのだ。

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.73バックナンバー
デュエマ妄想構築録 vol.73-1 ~超展開超打点!ピザスター・サンマックス!!~
デュエマ妄想構築録vol.74バックナンバー
デュエマ妄想構築録 vol.74-1 ~実質マグナム5枚!ヨビニオン・マグナムゾーン!!~
デュエマ妄想構築録 vol.74-2 ~ドラゴンをアンタップ!風波ノヴァ!!~
デュエマ妄想構築録 vol.74-3 ~このしょうもないデッキのためにどんだけ時間かけるねん! オーロラナイン・ドギラゴン!!~

 

次回更新は9/13(金)更新!!