【カブトクワガタ日記】第321回 決勝は、簡単な戦いではない

ヒカリ、本気を出す

 なんとか上り詰めた、激ムズ虫相撲大会の決勝戦。

 いくら、「優勝するまで帰りまてん!」という気持ちで臨んでいたとて、これが100回も1000回も続くようではさすがに“時期尚早”を判断せざるを得ない(当たり前だがw)。ていうか、そんな疲れすぎ&ムナしすぎの行為を、忙しい俺が繰り返すわけにもいかない。

 なので……今回で決めてしまいたい!!!

 ていうか、いま参加しているコーカマン記念大会は激ムズ虫相撲大会のひとつにすぎないので、ここでこれ以上足踏みするわけにはいかねーんだよ!!ww

 そんな気合が天に届いたのか、

 バチューーーーンとヒカリのネプチューンオオカブトを吹っ飛ばして得られたのは……!!

 うおおおお!!! 決勝の先鋒戦で勝利したぞ!!!

 優勝に“王手”という、夢にまで見た状況!!!ww

 よし! もうこれで終わりにしよう!!

 つぎの次鋒戦も圧勝して、初優勝の美酒に酔わせてくれ!!><

 というわけで迎えた、運命の次鋒戦。

 後がないヒカリが出してきたのは……!

 そう。我が軍のネプチューンオオカブトに性格勝負で勝てる強気(赤)の戦士、マンディブラリスフタマタクワガタだ。それももちろん、突然変異種……! 技が2回使える、これ以上ない強敵である。

 すると、まんまと性格勝負で勝利したヒカリは惜しげもなく……!

 いきなり“げんきアップ”を使ってきやがった……。こ、これでマンディブラリスフタマタクワガタの攻撃力は……!

 くっそ……!! 上限いっぱいの99かよ……!!

 これでは、いくら我が軍のネプチューンオオカブトが暴れても攻撃力が届かない。しかも、虫相撲大会は直前の戦いの結果を引きずるので、ネプチューンオオカブトはあと1本獲られたら負けという瀬戸際にいた。

 ってことは……!

 攻撃力99を出された時点で……!!

 「勝負アリッッ!!!」

 ですよねえええええ!!!>< こっちに弁明の機会をいっさい与えず、問答無用で……!!

 負けを突きつけられた!!!>< これにて次鋒戦をヒカリが獲ったことになり、決勝戦は……1対1のイーブンに!! しかもヒカリのマンディブラリスフタマタクワガタは技を1回使用しただけの、ほぼ新品状態ときたもんだ!!!

 「ぬううう……!! やはり……強いな!!!

 こうなったら……!

 俺が出せる最強のカードを、ここで切らなければなるまい。

 そう、いまの角満軍から送り出せるもっとも強いムシは……やはり!!

 ずーーーーん……!!

 突然変異種の、アトラスオオカブトだな!!

 続く!

 

 

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『カブトクワガタ』公式ツイッター:
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