【プロセカ】ボカロPに直撃! “タケノコ少年”さんが語る『プロセカ』と、プロセカNEXT”採用楽曲『そうだった!!』について!【ボカロPインタビュー企画 #24】

タケノコ少年さんの曲作りに迫る!

 2020年9月のサービスイン以来、コロコロオンラインがひたすら追い掛け続けているセガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。

 2021年10月には1周年を祝した特集を展開し、

『プロセカ』1周年記念特集は下記の画像をクリック!!
 

 さらに2022年10月には『プロセカ』2周年を記念した大特集を実施するなど、担当からほとばしる圧倒的な“プロセカ愛”をカタチにし続けている。

『プロセカ』2周年記念特集は下記の画像をクリック!!
 

 そんなコロコロオンラインプロセカ班がとくに情熱を注いで追っているのが、このゲームの根幹でもある楽曲……そして、それを制作されている“ボカロP”と呼ばれる“才能たち”であります!!

 “子どもが将来なりたい職業ランキング”において、ゲームクリエイターやユーチューバーらと並んでボカロPが上位にランクインし、コロコロの読者層との親和性もめちゃくちゃ高いということで、前述のプロセカ1周年特集の際にボカロ界のビッグネームにつぎつぎとインタビューを敢行!! その内容の濃さは業界内外に衝撃を与え、このたび……不定期連で、さらに多くのボカロPの皆様にご登場いただき、ナマの声をお届けできることになったのです!!

 『プロセカ』はゲーム内容はもちろん、楽曲のすばらしさが高く評価されて現在の人気を確立したと言っても過言ではない。それらを生み出したボカロPたちの考えかた、作品への向き合いかたを掘り下げたこのインタビュー連載を読まれることで、ゲームを遊ぶだけでは知りえない情熱や、楽曲に対する想いを知ることができるはずだ。その結果……さらに登場キャラやユニット、『プロセカ』そのもののことが好きになること請け合い!!

 そしてインタビューの後半では、“いかにしてボカロPになったのか?”という、将来この道に進みたいと思っている読者の皆様の道しるべになるような質問もぶつけているので、とにかくあらゆる人たちに読んでいただきたいなと!!

 さて今回ご登場いただくのは、セガが主催する楽曲コンテスト“一緒に作ろう! 第4回楽曲コンテストプロセカNEXT”の採用曲『そうだった!!』を手掛けられた“タケノコ少年”さんだ!

 コンテストのテーマは“ポップな曲”で、それに合わせて作られた『そうだった!!』は……じつに破天荒で突拍子のない世界観ながら、耳に残るサウンドがじつに楽しい“ザ・ポップ”な楽曲!! そんな『そうだった!!』がいかにして誕生したのか、じっくりと話を聞いたぞ!

※インタビューは、感染対策を徹底した上で行っています。

インドの夢を見て……

--タケノコ少年さんは、コロコロオンライン初登場! ということで恐縮なのですが、簡単に自己紹介をお願いいたします!

タケノコ少年 かわいい曲からかっこいい曲まで幅広くギターロックで作っています! タケノコ少年と言います。よろしくお願いします。

--タケノコ少年さんは、いつくらいからボカロPの活動をされているんですか?

タケノコ少年 2015年からなので……今年で8年目になりますね。

--ほほ~! まだお若いと思いますけど、ボカロ歴はかなりのものですね。

タケノコ少年 そうですね。コロコロオンラインさんのボカロPインタビュー連載を読んでいて思ったんですけど、ポリスピカデリーさんとキャリア的にはいっしょなんですよね。

--あ、そうか。そういうことになりますね。8年って言うとベテランとは違うかもしれませんが、ボカロPの第2世代か第3世代くらいになるかもしれませんね。

タケノコ少年 ああ、まさに! それくらいだと思います。

--でも、このインタビューにあたってタケノコ少年さんの歩みを調べたんですけど、なんというか……お若いのに、かなりの苦労人でいらして。楽曲コンテストにも、かなりの頻度で参加されていますよね。

タケノコ少年 はい、そうですね。現在の投稿数は……あ、90曲ですね。けっこうマメに楽曲を発表しているほうだと思います。

--うーん、90曲か……! すごい数だな……!

タケノコ少年 “数をこなせる”ということが僕のアイデンティティのひとつだと思っているので、曲数にはこだわりがあります。

--この流れでぜひお聞きしたいんですけど、タケノコ少年さんは“一緒に作ろう!第4回楽曲コンテストプロセカNEXT”で受賞されて、その曲がプロセカに収録されたわけですけど、そもそもこのコンテストに応募したきっかけを教えてください。

タケノコ少年 まず第一に、プロセカというコンテンツがものすごく好きだったこと。これが大きいです。……じつは、『Brand New Day』(このインタビュー連載にも登場した“いるかアイス”さんの楽曲)が受賞した第1回目のコンテストにも作品を応募していたんですけど落ちてしまい、それがめちゃくちゃ悔しくて、「受賞するまでこのコンテストに応募し続けるぞ!」というモードになりました。

--それはもう、半ば意地になって?

タケノコ少年 はい、そんな心境でした。どうしても受賞したかったんですよね……!

--じつはこのインタビュー連載って、市瀬るぽさんに始まり、いるかアイスさん、シノさん、加賀(ネギシャワーP)さんと、プロセカの楽曲コンテストの受賞者を順番に追いかけているんですよね。順番的に、「ぼちぼち自分に来るのでは……!?」と思っていませんでしたか?

タケノコ少年 思っていました(笑)。実際にお声掛けいただいたときは、「やっときた!!」って思いましたもん。僕、小学生のときはコロコロコミックの読者だったので、「早く来い……!」って待っていました(笑)。

--それはよかった(笑)。で、見事に初志貫徹されてコンテストで受賞したわけですけど、その報告を受けたときは率直にどう思いましたか?

タケノコ少年 とにかく、スゴくうれしかったです。「いつか絶対に自分の楽曲をプロセカに!」と願ってボカロP活動をしていたので……。はっきり言って、人生でいちばんうれしかった瞬間だったと思います。

--プロセカはけっこうやり込まれているんですか?

タケノコ少年 はい、かなり遊んでいると思います。とくに、リリースされてから1年くらいは、めちゃくちゃに遊び込んでいたと感じます。

--それだけ好きなゲームに自分の作った楽曲が収録されるなんて、そりゃあうれしいよなぁ……!

タケノコ少年 “息を吞む”って、こういうことを言うんだなと思いましたもん。ネギシャワーPさんがインタビューで「雄叫びを上げてしまった」と言われていましたけど、それとは真逆の反応でしたが……(笑)。「はぁぁぁぁ……ッッ!」ってなりました。

--さて、タケノコ少年さんが受賞された第4回のテーマは“ポップな曲”でしたよね。僕も受賞曲の『そうだった!!』を聞かせてもらいましたけど、なんというか……ものすごい衝撃を受けたんです。「なんだこの曲は!!!」と。具体的には後で掘り下げますけど、まずは『そうだった!!』のコンセプト、方向性をどう決めていったのかを教えてください。

タケノコ少年 先ほど言った通り第1回のコンテストで落選しちゃったんですけど、そのときのテーマが“テンションが上がる曲”だったんですね。その際に作って応募した曲(※『なんだっけ!?』という楽曲)がじつはお気に入りで、「よくできた!」と思っていたんです。それなのに落選してしまったことが悔しすぎて、ずっと引きずっていたんですけど、第4回の“ポップな曲”というテーマを見たときに、「あの曲の続きを作ろう!」と決めました。でも、単純に続きを作っただけではダメだと思い、「僕の考える“ポップさ”って何だろう?」ということを突き詰め、曲に盛り込んでいった感じです。

--タケノコ少年さんの中にあるポップさの答えって、具体的にはどんなものですか?

タケノコ少年 まず、“一発で覚えられるような曲”であることと、“ビックリするような展開がある”こと。これに“キャッチーさ”が掛け合わさったものが、自分の中では“ポップさ”の答えになります。

--実際に聴かせてもらいましたけど……本当にポップでした!!

タケノコ少年 ありがとうございます!

--正直、「この曲を作った人は天才かも!」って思いましたもん。曲の展開も、出てくる歌詞も……! この若さで、よくこんな世界観の曲が作れるなぁ……と感心するばかりです。受賞曲の『そうだった!!』は、第1回のときに応募した『なんだっけ!?』と世界観を同じくしているんですか?

タケノコ少年 厳密に言うとつながっていないと思うんですけど、なんとなく寄せていって作った感はありますね。

--そこで具体的に尋ねたいんですが、『そうだった!!』の世界観って、いったいどういうことになっているんですか!?

タケノコ少年 えっとですね……。ちょっと聞いただけではなんのメッセージ性もない曲に聞こえるかと思うんですけど、『そうだった!!』を作っていた当時ってコロナ禍の真っただ中で、旅行はおろか外に出るのも憚られるような風潮が蔓延していた時期なんです。なのでせめて、夢の中だけでもいろいろなところに行って自由に遊べたらいいのにな……という想いが浮かんできて、それを曲に乗せて作っていった感じです。

--確かに、すごく深いというか難解というか、「いったい、この曲は何を伝えようとしているんだろう?」と不思議になって、めちゃくちゃ聴き込んじゃったんです。それくらい、不思議でおもしろい楽曲になっていると思います。

タケノコ少年 ありがとうございます!

--昔から、こういった不思議で楽しい曲を作るほうだったんですか?

タケノコ少年 いや! じつはまったくそんなことはなくて。

--あ、そうなんですか。

タケノコ少年 この曲の前身である『なんだっけ!?』を作ったときに初めて、「あ……。こういう曲が作りたかったんだな」と自分で気づいて、それ以来こういったテンションの楽曲が増えるようになりました。

--それくらい、『なんだっけ!?』は会心の出来だったんですね。

タケノコ少年 はい。こう言ってしまうとアレですけど、僕的にはいまだに『なんだっけ!?』のほうが好きだったりするので(笑)。

--それにしても、この『そうだった!!』という曲、さっき言ったようにすごく歌詞がおもしろくて不思議なんですけど、その中でもとくにご自身のお気に入りはどこになりますか?

タケノコ少年 「突然ですが ここはインドで〜す!」のところでしょうか。

--わかる!! やっぱりそこですよね!! よくわからんけど、なんかおもしろいんですよ!!

タケノコ少年 ありがとうございます(笑)。

--「突然ですが ここはインドで〜す!」からの、「インドやん! あれタージ・マハルやん!」が、脳の中でリフレインしてヤバいんです! いったい、どういう思考をしてたらこんな歌詞が出てくるんですか!?

タケノコ少年 もともとこの曲ってめちゃくちゃ難産で、Bメロの展開がまったく思い浮かばなかったんです。それで、ず~~~……っと悩んでいたある日、いきなりインドに行く夢を見て「これだ!!」と思い、すぐに跳ね起きてポチポチと打ち込みを始めたんです。以来、「これはインドだな!」と確信し、いろいろな歌詞が出てくるようになりました。

--それでいて、「君とふたりで きっとまるでユートピア アダムとイブも知らない」なんて、急に艶っぽい歌詞も出てくるので、「もしかしてコレって……ラブソングなのかも!?」と思ったり……。

タケノコ少年 ラブソング……ではないんですけどね(笑)。


--そりゃそうですよね!! ほかに、ご自身で気に入っている箇所はどのあたりですか?

タケノコ少年 「夢だしサビだし急がなきゃ!!」という箇所があるんですけど、けっきょくこの曲は夢の中の話だよ……っていう答えを歌詞の中で出しちゃっていて、ここもけっこう個人的には好きなところではあります。

--この曲って映像で見ると、歌詞ではないテキストのツッコミとかもあるじゃないですか。「いまからヤバいギターソロです!!」とか。加えて、イラストも曲調にマッチしていてすごくかわいいし。楽曲、テキスト、イラストという3つが集結して初めて成立する曲なのかな……なんてことを思いました。三位一体感というか。

タケノコ少年 あ! 僕もそれはあると思います! やっぱり動画で見てもらえたほうがうれしいですし、「この曲はこういう意味なんです」という作り手側の意図も伝わりやすいと思うので。

--この、三位一体でやる手法には、どうやってたどり着いたんですか?

タケノコ少年 動画に関しては、ほぼすべて“藍瀬まなみ”さんにお任せしています。イラストに関しても、“ぬくぬくにぎりめし”さんに曲から自由に感じ取ってもらって、好きなように描いてもらっている感じです。僕は、イラストや動画についてのインスピレーションがまったくない人間なので、まわりの人に頼り切っているんです。

--なるほど、わかりました! ……でも改めて確認しますけど、『そうだった!!』には密かに、強烈なメッセージとか哲学的な示唆みたいなものが含まれているとかは……!

タケノコ少年 ……ぜんぜんないです!(苦笑)


--とはいえ、非常に特徴的で楽しい歌詞なんですけど、これを作るのはたいへんなんじゃないですか?

タケノコ少年 じつは歌詞に関しては、そこまで悩まなかったんです。

--あ、そうなんですね。……うーん、ますます鬼才だなあ。ボカロの曲ってすごく考察されること多いと思うんですけど、この曲に関してはあまりにも突飛な世界観で、それすらあきらめている人が多いですよね。

タケノコ少年 はい。「IQ3の曲」ってよく言われます。

一同 (爆笑)

--それについては、どう思われているんですか?

タケノコ少年 そういう反応を狙って作ったところもあるので、むしろ光栄に思います。がんばって考察してくれているテキストを読むのも楽しいですし、うれしいですね。

--もう、自由にいじってくれと。

タケノコ少年 ですね! それがいちばんいいです!

--では改めて、『そうだった!!』の聞きどころを教えてください。

タケノコ少年 やっぱり、急にインドに行ってしまうこと。それがいちばんビックリするところだと思うので、ぜひ意識して聴いてもらえればと思います。それと、僕が作る楽曲はギターロックだと思っているので、ゲームの尺ではカットしちゃっているんですけど、やっぱりギターソロは飛ばさずに聴いてほしいなと伝えたいです。

--だからこそ、「いまからヤバいギターソロです!!」という字幕があるんですね。

タケノコ少年 はい、その通りです。

--では、『そうだった!!』の制作日数はどれくらいに? 先ほど「難産だった」ともおっしゃっていましたが。

タケノコ少年 はい、そうなんです。Bメロがすごく難産で、最終的には「ビックリするような展開にしよう!」と決めて作っていくことになるんですが、もともとはもっと、こう……ナチュラルですんなりした流れで考えていたんです。でも、「なんか違う!」と思ったときから試行錯誤が始まって、書いては消し、消しは書いてのくり返しで。もう、制作日数もよく覚えていないレベルです。

--それが、インドに行く夢を見たことで方向性が決まると。

タケノコ少年 そうなんです。もしもその夢を見なかったら終わっていました(苦笑)。『そうだった!!』は、絶対に完成しなかったと思います。

--完成もしていないし、受賞もしていないわけですもんね。

タケノコ少年 はい。夢は見たほうがいいです!!

▲タケノコ少年さんの超絶テクが炸裂するヤバいギターソロは必聴!!

--そんな、念願叶って受賞してプロセカに実装されたわけですけど、これを見たときはどう思われましたか?

タケノコ少年 ゲームを立ち上げて、ニュース一覧のところに「楽曲『そうだった!!』追加!」って書かれているのを見て、ぽろぽろと泣いてしまいました(苦笑)

--そりゃあ感動するよなーーー!

タケノコ少年 ずっと夢見ていたことだったので……! あれ以上の喜びはないです……!!

--我々編集者、記者も、自分の名前が初めて雑誌の奥付に載ったときのことは憶えているものですけど、いまのお話を聞いて思い出がよみがえってきました。

タケノコ少年 ですよね! そういうのって、忘れないですよねー!

--ゲームに実装されたあと、いろんな反響があったと思うんですけど、どうでしたか?

タケノコ少年 ササノマリイさんがこの連載のインタビューで、「プロセカに生命を救われた」という話をされていたじゃないですか?

--はい。非常に印象的なエピソードでした。

タケノコ少年 じつは僕も、音楽生命を救われた話をしたいんです。

--これは興味深い……!

タケノコ少年 僕、ふだんはインディーズのアイドルなどに曲を提供することを仕事のひとつにしているんですね。でも2020年になってコロナ禍が深刻になり、そういった仕事が一気になくなってしまいました。焦りからか自分の活動も迷走してきて、どんな曲を作ればいいのかわからなくなって、いろんな音楽ジャンルに手を出し始めるんです。すると、それまで聴いてくれていた方々が「なんか違う」と言って離れていってしまい、ますますどうすればいいかわからなくなってしまいました。

--なんと……!

タケノコ少年 プロセカの楽曲コンテストも、「第6回までに採用されなかったら、タケノコ少年の名前は封印しよう」と思ったり……。それくらい追い詰められていたので、第4回のコンテストで採用されたときには心から「救われた!」と思いました。

--まさか、そんな葛藤があったとは……。

タケノコ少年 2020年の段階で、ボカロPになって5年目とかだったんですね。それなのになかなか芽が出ずに大きいことをやれないし、仕事はなくなっていくしで、何をどうしていいかわからなくなっていたんです。

--きっかけがなくて埋もれていく人がたくさんいる世界ですもんね。

タケノコ少年 きびしいです。本当に。なので僕にとってプロセカのコンテストは、頼みの綱でした。

--そんな状況下でありながら、これほど楽しい曲を作るとは……!

タケノコ少年 インドの夢のおかげですね(笑)。また反響というところでは、YouTubeに楽曲をアップしても500再生いけば「やった!」って喜んでいたものが、いまでは10倍とかになっています。加えて、プロセカに採用されて曲の知名度が上がり、TikTokでも使われるようになったのもめちゃくちゃうれしかったです。

--コンテストで受賞したことをきっかけに、いろんな道が開けた感じですね。

タケノコ少年 はい、そうですね! すごく変わりました。プロセカとセガさんには足を向けて寝られないです。

--では、『そうだった!!』が大好きな人にメッセージをお願いします。

タケノコ少年 とにかく、「たくさん聞いてくれてありがとうございます!」としか言えないです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

--……タケノコ少年さん、謙虚な若者ですよね。曲がいい意味でぶっ飛んでいる感じなので、はたしてどんな人なのかと若干身構えていました。

タケノコ少年 Twitterとかを見ていると、「思ったより真面目系でびっくり!」と思われていることが多いですね……(笑)。

--わかるー!!(笑) いやでも、ギャップがあってすばらしいと思います!

--さてここから、将来の夢として「ボカロPになりたい!」と思っている人たちのために用意した質問にお答え願えればなと……! まずは、タケノコ少年さんが、ボカロPになられたきっかけを教えてください!

タケノコ少年 曲を作るようになったきっかけは、高校の同級生で作曲をしている人がいて、「彼にできるなら自分もできるのでは?」と思ったことです。その友だちと盛り上がってバンドも結成し、オリジナル曲も作り出したんですけど、まったく練習をしなくてフェードアウト……。ほとんど形になりませんでした。でも、聴かせる人がいないだけで作曲自体は続けていて、あるとき、「ネットに投稿したら一気に有名になれるんじゃね!?」とひらめき、ボカロPになりました。

--そのときのツールとしてボカロを選んだのには、何か理由があるんですか?

タケノコ少年 “まふまふ”さんと“Neru”さんにすごく憧れて、「絶対にこのふたりみたいになってやる!」と思ったからですね。

--ボカロに初めて触ったとき、難しく感じませんでしたか?

タケノコ少年 とにかく楽しさばかりが先行して、難しいなんて思う瞬間もありませんでした。こんなにも楽しく曲が作れるのか……という、カルチャーショックが大きかったです。

--そんなタケノコ少年さんにぜひお聞きしたいんですが、ボカロPになるために必要なスキルって、何か思いつくものはありますか?

タケノコ少年 僕は、とくに必要なものはないと考えるんです。ただ強いて言うなら、好きなことに対してずっと素直に「好き」と言えることとか、想いをひたすら貫けることとか……。そういう強い気持ちがあれば、誰でもなれるんじゃないかと思います。

--テクニカルなことよりも、どちらかというと精神的なことのほうが大きいと。

タケノコ少年 そうですね! 好きなことってやっぱり、ずっとやりたいことだと思うんです。嫌なことをイヤイヤやっても続かないですから。

--タケノコ少年さんは、ギターをやってるわけですよね? もともと楽器には精通していたんですか?

タケノコ少年 めちゃくちゃ弾けた……というわけではないです。いまでもちゃんと弾けてるのかって言われると、そうではないなと思うので(苦笑)。

--「いまからヤバいギターソロです!!」の人なのに!

タケノコ少年 あの部分も、録っては消し、録っては消しのくり返しで完成したものなので……!!

▲『なんだっけ!?』ではギターソロだったが、『そうだった!!』ではヤバいギターソロに進化しており、タケノコ少年さんの成長ぶりがうかがえる。

--でも、なにかしら楽器をやっていたほうが作曲活動にも活かせるのかなぁ……と素人は思ってしまうんです。

タケノコ少年 ああ、そう思いますよね。でも、楽器も弾けなければ音感もない……という方でも曲は作れるし、知り合いにもそういう方はけっこういるので、必ずしも必須のものではないと感じます。むしろ、「楽器を弾けないから、作曲なんてやっちゃダメだろうな」なんて、自分に蓋をしてしまうほうがもったいないと思います! 僕も、学校の音楽の授業は人前で歌わないといけないことがあるので苦手でしたし、演奏するのも躊躇していましたもん。

--では質問を変えまして、いま多くの子どもたちがボカロPに憧れていますけど、そのことについてはどう思いますか?

タケノコ少年 僕らが小さいころに、バンドが好きだとか、テレビに出ている歌手に憧れたりとかしたのと、けっきょくは同じなんだろうと思います。時代の流れで、いまそのスポットのひとつがボカロPにも当たっている……という感じで。

--ボカロPになってよかったって思うこと、何かありますか?

タケノコ少年 これ、いろいろあるんですけど……! CDの即売会のときに、小学生ぐらいの子が500円玉を握りしめて自分のCDを買いに来てくれたことがあるんです。それがすごく印象的だったのと、Twitterの書き込みでときたま、「人生で初めて買ったCDはタケノコ少年さん!」なんていうのがあって、何とも言えない感動的な気持ちになりました。“人生初の〇〇”って、強烈に印象に残り続けるので、そういう存在に自分もなれたのか……と考えるとたまらない気分になります。ふつうに生きていたらなかなかそういう感情に至らないと思うので、「ボカロPになってよかった!」と思いました。

-- きっとその子もボカロPに憧れて、「将来、こういう人になりたい!」って思っているんだろうなー。

タケノコ少年 かもしれないですねーーー。

--そんな、ボカロPに憧れている子たちに、エールを送るとしたら?

タケノコ少年 これ、このインタビュー連載で164さんがおっしゃっていたんですけど、「とりあえずやってみよう!」と僕も言いたいです。どんなことでも始めるのに遅いっていうことはないと思いますけど、やっぱり早ければ早いほど経験って積み重なるし、プラスに作用するはずなので。あと、人間て“やれない理由”を探しがちだと思うんです。作曲も、「作ってもクオリティーが低いからやめとこ」なんて理由を付けて、道半ばで撤退する人も多いでしょう。そんな人に言いたいのは、「タケノコ少年の、最初のほうの曲を聴いてみて!」です。お世辞にもクオリティーが高いとは言えない楽曲も消さずにアップしてあるので、ぜひ最近の僕の曲と聴き比べてください。この程度の曲しか作れなかった人間も、あきらめずに努力を続けていればこのくらいにはなれるんだ……と知ることができると思います!

▲かわいいタケノコ少年さんのマーク! これからもタケノコのように、にょきにょきと大きくなってください!

--わかりました! ありがとうございます! では、タケノコ少年さんはプロセカも大好きということですけども、今後のプロセカにメッセージがあったら、ぜひお願いします!

タケノコ少年 リアルライブを、東京ドームでやってほしいです!

セガ広報 !!?!?!

タケノコ少年 あと、「書き下ろしをやりたいです!」と、声を大にして言っておきたいかもです(笑)。

--書き下ろしは……そりゃそうですよね。やりたいに決まってると思う(笑)。

タケノコ少年 知り合いのボカロPが書いてるの見ると、「うらやましいな」って思いますもん。

--ほう? ボカロPどうしのつながりって、けっこうあるんですか?

タケノコ少年 いや、深く関わっている人はあまりいないんですけど……。

--けど?

タケノコ少年 “雄之助”っていうボカロPがいるんです。

--あ! じつはインタビューを予定していて、先日あいさつだけさせてもらいましたよ!

タケノコ少年 おお、本当ですか!? じつは彼、大学がいっしょなんです。

--なんと!! そんなつながりが!

タケノコ少年 大学入ってすぐのころ、曲を投稿しても再生数がぜんぜん伸びなくて、「なんでだろう……」ってちょっと腐っていたんですね。そしたら知り合いから、「同級生に、雄之助っていうスゴく有名なボカロPがいるよ!」って聞いて、「マジで!!?」と……。それ以来、「僕もがんばろう!」と発奮の材料にさせてもらっていました。彼がいなかったら、絶対にボカロPを続けていられなかったと思います。

--へーーー!! おもしろいなあ。それはぜひ、雄之助さんにも聞いてみないと。

タケノコ少年 彼はすごいので、僕が1歩近づけたかな……と思ったときには、さらに10歩くらい先を歩いているんです。そういうことができちゃう人なんですよねー。

--これはぜひとも、タケノコ少年さんの想いのアンサーを雄之助さんから聞きたいと思います。非常に楽しかったです! ありがとうございました!

タケノコ少年 こちらこそ、ありがとうございました!!

タケノコ少年

かわいいからかっこいいまで、幅広くギターロックを制作するボカロP。
2021年4月にリリースした「そうだった!!」は第4回プロセカNEXT楽曲コンテストにて採用。
活動はボカロPだけに留まらず、音楽ゲームやアイドルへの楽曲提供も行っている。

 

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ボカロPインタビュー連載

 

1周年ボカロPインタビュー

 

 

タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

■App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710

■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai