“ゾナウギア”で世界が変わる!!
先日、まだ扇風機もロケットも知らなかった時代に、大きな湖を渡ろうと思って手作りいかだで漂流してしまった……という話を書いた。
じつはそこに至るまでにも、どうにかこうにか向こう岸に行きたくて思い浮かんだアイデアをすべて実践していたのよ。代表的なものでは、泳いで渡ろうと思っても湖の途中でがんばり(スタミナみたいなもの)が尽き、ブクブクと沈んで天に召されてしまうことを受けて、
「だったら……がんばりがなくなりそうなところでゲージが回復する食い物をむさぼり食い、強引に泳ぎ続ければいいんだ!!」
↑このように思い立ち、実際にやってはいたのだ。し、しかし……!
「がんばり回復メシは用意した! これで泳いで渡れるはず!! バシャバシャ……疲れた! がんばりが尽きる!! め、メシを出してムシャムシャ……(3ミリくらいゲージ回復)……よし! バシャバシャ……つ、疲れ!!>< めめ、メシを!! ボリボリボリ……(1ミリ回復)……あ、あかん!! めめめ、メシも尽きる!! まだ半分も来てッ!!! ブクブクブク……(ーωー)」
あえなく、こんなことに……((゚Д゚;))
がんばりゲージがMAXまで育ったいまだったらある程度の長距離を泳ぎ切ることもできるけど、当時はゲームを始めたばかりの赤ん坊のようなリンク(操作は51歳だけど)だった。なのでどうしても、努力に限界があったんだよねえ。
そして、第4回の記事で書いた“いかだ事件”を経て、俺はシミジミと思ったのだ。
「これ……絶対に、もっとスマートに水上とか空中を移動できる手段があるんだろうなあ」
とな--。
そんな“答え”を導き出すために『ティアキン』に用意された要素が、すでにこのゲームを遊んでいる人には釈迦に説法である↓こちらのアイテム群!!
そう!! みんな大好き“ゾナウギア”!! これは、失われしいにしえの時代の超テクノロジーの総称で、簡単に言うと、
バッテリーに蓄えられた電力で稼働する“電化製品”みたいなものだ。その用途は多岐にわたり、上のスクショにある風を起こす“扇風機”を始め、猛スピードで打ち上がる“ロケット”、悪路を踏みしだいて進む“タイヤ”、上空でグライダーのように滑空できる“翼”、そして武器として使えるあんなものやこんなものまであって、すでに60時間くらいプレイしている現在でもその全貌が見えてきていない。それくらい、『ティアキン』のゾナウギアは奥が深いのであるよ。
で。
執事ゴーレムに扇風機とバッテリーについて教わった俺は、先の漂流してしまったいかだの“答え”をついに見出せた気がした。
そうか……!
あのときは自然な風に任せて進もうとしたので漂流しちまったけど、風の動力を生み出せる扇風機があれば……! それをいかだに付けて推進力が得られてッッ!!!
「労せずして、湖なんて渡れちゃうじゃーーーん!!www なぁんだぁwww 早く言ってよぉん!!www」
まさに“天啓を得た”と思ったね。さっそく、扇風機を取り付けたモーターボートを作ってくれようではないですか!!ww
でも。
俺はこのとき、まだゾナウギアがどういうものなのかよく理解していなかった。そしてまだ“操縦桿”(そうじゅうかん。ゾナウギアを付けたマシンを操縦できるようにするゾナウギア)が出てきていなかった時代なので、
「いかだに1個だけ扇風機を取り付けたのでは……1方向にしか進まないよな。だったら……後ろ、左右に取り付けて、進みたい方向の扇風機にだけ電源を入れて、風を起こせばいいんだ!!ww うっは!!ww すんげえアハ体験www これが答えだww 間違いないww うひw」
↑このように確信。その結果、できたいかだが……!
すでに崩壊してしまっているんだけど……w あらゆる方向に扇風機をくっ付けたオバケいかだ……w これに乗って前述の通り、
「右に進みたいから……左の扇風機だけスイッチオーーーン!!w すっすめぇぇえええ!!www」
と、理論上はまことに正しい行動をとったものの、じつはゾナウギアって同じ物体にいくつも引っ付いている場合“任意の1機だけ電源を入れる”という細やかなスイッチングはいっさいできず、ひとつの電源をオンにした瞬間にすべてのゾナウギアが動き始めるのである!!ww なのでこのときも、
「1個だけスイッチオン!!!ww」
カチッ!
カチッ!
カチッ!
3つの扇風機、同時稼働!!!ww いっせいに「ばぼぁぁぁぁ……!ww」、「ぶはほぉぉおおお……!!www」と盛大な風が吹き出して……((゚Д゚;))
「!!?!? ちょ!! 全部電源入った!!? 力を打ち消し合ってぜんぜん進まねえ!!! っていうか、ぐ、グルグル回りだした!!((゚Д゚;)) ちょちょ!! と、止まれ!! オマエは動かんでええんだよ!!!!(汗)」
焦りすぎて何をやっているのかよくわからなくなった俺は、パニックのあまり、
「い、いったん扇風機を取り外そう!!>< え、えっと、ウルトラハンドでつかんで!!」
途中まではうまくいったものの、さらにいかだを落ち着かせようとウルトラハンドを振り回した結果……!
「あ!!! いかだの材木をつかんで動かしちゃった!! こ、これじゃあいかだが……バラバラだぁぁああああ!!!!><」
湖上で木っ端みじんに砕け散った、初制作のゾナウギアモーターボート。けっきょくこのときも俺は、
ブクブクブク……
湖に吸い込まれ、華麗に向こう岸に渡ることは叶わないのであった……w
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』公式ホームページ:
https://www.nintendo.co.jp/zelda/totk/index.html
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