文=石川裕二
小学生(しょうがくせい)のみんなーーー! 夏休(なつやす)みを満喫(まんきつ)しているか!? でも、夏休(なつやす)みには宿題(しゅくだい)がつきものだよな! 特(とく)に読書感想文(どくしょかんそうぶん)は手(て)こずっているんじゃないか!? 記者(きしゃ)の息子(むすこ)たちも「パパー、読書感想文(どくしょかんそうぶん)が書(か)けないよ〜」と言(い)っている。
え、読書感想文(どくしょかんそうぶん)? そんなのカンタンだよ! 記者(きしゃ)のパパが言(い)うんだから間違(まちが)いない! コロコロオンラインを見(み)てくれている全国(ぜんこく)の小学生男子(しょうがくせいだんし)を、おれの息子(むすこ)だと思(おも)って、読書感想文(どくしょかんそうぶん)の書(か)き方(かた)をレクチャーするぜ!! これで夏休(なつやす)みも安心(あんしん)して、たくさん遊(あそ)べるはずだ!!!!
読書感想文(どくしょかんそうぶん)との向(む)き合(あ)い方(かた)
みんな、読書感想文(どくしょかんそうぶん)って「なんだか苦手(にがて)だな〜」「めんどくさいな〜」と感(かん)じていると思う。でも、みんなは毎月(まいつき)、コロコロコミックを読(よ)んでいるよな。その感(かん)じでいいんだよ。コロコロコミックを通(つう)じて、みんなは本(ほん)を読(よ)むって楽(たの)しいことだって、知(し)っているよな!? だから、その気持(きも)ちを、そのまま言葉(ことば)にすればいいんだ!
コロコロを読(よ)んでドキドキした気持(きも)ち、笑(わら)った気持(きも)ち、楽(たの)しかった気持(きも)ち、たとえば主役(しゅやく)が敵(てき)キャラに負(ま)けて悲(かな)しかった気持(きも)ち。それと同(おな)じでいい! それをほかの本(ほん)でも、同(おな)じように文章(ぶんしょう)にしてみよう!! キミの好(す)きな本(ほん)を友(とも)だちや先生(せんせい)に紹介(しょうかい)する! そのくらいの気持(きも)ちでいいんだ!!
本選(ほんえら)びが大事(だいじ)
まず、大事(だいじ)なのは本選(ほんえら)び。これは保護者(ほごしゃ)の方(かた)に伝(つた)えたいんだけど、子(こ)どもがどんな本(ほん)に興味(きょうみ)を持(も)つかを見守(みまも)ってほしいと思(おも)う。別(べつ)に小説(しょうせつ)じゃなくてもいいんだ! 本(ほん)って言(い)ってもたくさんあるんだ! そこにいい・わるいの差(さ)ない! もちろん、小学校側(しょうがっこうがわ)から「マンガはダメ」などの指定(してい)があれば、それは守(まも)らなくちゃいけないけど、たとえば、昆虫(こんちゅう)の図鑑(ずかん)とかでもいいはずなんだ!! 子(こ)どもがどんな本(ほん)に興味(きょうみ)を持(も)つか、見守(みまも)ってあげよう!
そして、小学生男子(しょうがくせいだんし)のみんな! 好(す)きな本(ほん)を選(えら)ぶんだ! 自分(じぶん)が読(よ)みたいと思(おも)う本(ほん)を買(か)ってもらおう! だって、読(よ)みたくもない本(ほん)を読(よ)んだって楽(たの)しくないじゃんか! 表紙(ひょうし)がかっこいいとか、かわいいとか、そういう選(えら)び方(かた)でいいぞ! とにかく、自分(じぶん)が読(よ)みたいと思(おも)う本(ほん)を選(えら)ぶことが大切(たいせつ)だ!!
本(ほん)を読(よ)む時(とき)に大事(だいじ)なこと
本(ほん)が決(き)まったら、次(つぎ)は読(よ)む段階(だんかい)に入(はい)ってくるぞ! 「ここが笑(わら)った」「ここに泣(な)きそうになった」「ここがカッコイイと思(おも)った」など、自分(じぶん)の心(こころ)が動(うご)いたページには、ふせんを貼(は)っていこう(※ふせんは保護者(ほごしゃ)の方(かた)が買(か)ってあげてね)。
とにかく、自分(じぶん)の心(こころ)が動(うご)いたページには、ふせんをペタペタ! 読書感想文(どくしょかんそうぶん)を書(か)く時(とき)に、「あれ、あの場面(ばめん)って、どのページだっけ」と探(さが)す手間(てま)がなくなるぞ。
いざ、執筆(しっぴつ)!
文章(ぶんしょう)を書(か)くことを「執筆(しっぴつ)」って言(い)うんだ。本(ほん)を読(よ)んだら、読書感想文(どくしょかんそうぶん)を書(か)こう! あれ、急(きゅう)にむずかしい気持(きも)ちになっちゃった? そんなことない、だいじょうぶ! だって、本(ほん)を読(よ)んでふせんを貼(は)った時点(じてん)で、キミはその本(ほん)から何(なに)かを感(かん)じているはずなんだ。それを文章(ぶんしょう)にすればいいだけ!
3つの段落(だんらく)に分けよう
じゃあ、実際(じっさい)にどう書(か)けばいいんだよ、とみんな思(おも)っているよな。そうだな、まずは、文章(ぶんしょう)を3つの段落(だんらく)に分(わ)けてみよう。よく言(い)われているのは、「はじまり」「なか」「おわり」。
「はじまり」では、まず、キミが、どうしてその本(ほん)を選(えら)んだのか、その本(ほん)がどんな内容(ないよう)なのかを書(か)いてみよう。読書感想文(どくしょかんそうぶん)って、キミの先生(せんせい)や友(とも)だちが読(よ)むものなんだ。だから、キミが読(よ)んだ本(ほん)がどんなものなのかを説明(せつめい)する必要(ひつよう)がある。キミだけがその本(ほん)のことをわかっていても、相手(あいて)にはどんな本(ほん)なのかが伝(つた)わらない! 大人風(おとなふう)に言(い)えば、「情報(じょうほう)の共有(きょうゆう)」ってやつだ!
「なか」では、キミがその本(ほん)を読(よ)んでふせんを貼(は)った場所(ばしょ)。つまりは、心(こころ)を動(うご)かされた場面(ばめん)について書(か)いていこう。その本(ほん)のすばらしいところを紹介(しょうかい)する、と考(かんが)えればいい! たとえば、『でんぢゃらすじーさん』なら、変顔(へんがお)がおもしろくて笑(わら)った、とか。『デュエル・マスターズ』のジョー編(へん)の最終回(さいしゅうかい)なら、ジョーくんが広(ひろ)い大地(だいち)に飛(と)び出(だ)すところにワクワクしたとか。そういう、コロコロで感(かん)じたことを、ほかの本(ほん)でも表現(ひょうげん)すればいいんだ!
肝心(かんじん)なのが、「おわり」。キミがその本(ほん)を読(よ)んだことが、どんな経験(けいけん)となったかを書(か)こう。さっきと同(おな)じたとえを出(だ)すなら、『でんぢゃらすじーさん』なら、とにかく笑(わら)い転(ころ)げて楽(たの)しい時間(じかん)を過(す)ごせた、でいい。『デュエル・マスターズ』の最終回(さいしゅうかい)なら、ハラハラドキドキと、少(すこ)しのさびしさとワクワクがあった、でもいい。
大切(たいせつ)にしてほしいこと
もし、キミが言葉(ことば)にできるのなら、その本(ほん)を読(よ)んだことで、自分(じぶん)がどう変(か)わったかを書(か)いてほしいんだ。またまた、同(おな)じたとえで紹介(しょうかい)するぞ。『でんぢゃらすじーさん』なら、じーさんと同(おな)じように変顔(へんがお)をしてみんなを楽(たの)しませたいと思(おも)ったとか、『デュエル・マスターズ』のジョー編(へん)の最終回(さいしゅうかい)なら、自分(じぶん)もジョーくんと同(おな)じように旅(たび)をしてみたいと思(おも)ったとか。
つまりさ、本(ほん)って、キミの人生(じんせい)を形(かたち)づくってくれるものなんだ。今(いま)は、それがテレビだったり、YouTube(ユーチューブ)だったりするかもしれないけど、本(ほん)もその一(ひと)つなんだよ。キミを感動(かんどう)させてくれて、「こうなりたい」と思(おも)わせてくれる。読書(どくしょ)って、楽(たの)しいものなんだ。
読書感想文(どくしょかんそうぶん)に正解(せいかい)はない
一(ひと)つ言(い)えることは、読書感想文(どくしょかんそうぶん)には、テストと同(おな)じような「たった一つの正解(せいかい)」はないということ。キミが思(おも)ったことを書(か)けば、それでいいんだ。読書感想文(どくしょかんそうぶん)を読(よ)んで、コンクールの審査(しんさ)をする大人(おとな)が「うまい」「うまくない」と感(かん)じる差(さ)はあるかもしれないけど、そんなことは、気(き)にしないでいいんだよ。
キミが友(とも)だちや先生(せんせい)に「こんな本(ほん)があるんだよ!」「おれはここがおもしろいと思(おも)ったよ!」「だから、自分(じぶん)も次(つぎ)からこうしようと思(おも)った!」。それだけでいい。上手(じょうず)に書(か)こうとしないでいいんだ。思(おも)ったことを、そのまま書(か)こう。
もし、キミが将来(しょうらい)、小説家(しょうせつか)になりたいなら、いろいろな単語を(たんご)覚(おぼ)える必要(ひつよう)がある。でも、それよりも読書感想文(どくしょかんそうぶん)で大切(たいせつ)なのは、「自分(じぶん)がすばらしいと思(おも)ったものを、友(とも)だちや先生(せんせい)に紹介(しょうかい)すること」。その純粋(じゅんすい)な気持(きも)ちが、人(ひと)の心(こころ)を動(うご)かすんだ。自分(じぶん)がおもしろいと思(おも)った本(ほん)を、友(とも)だちや先生(せんせい)も読(よ)みたいと思(おも)ってくれたら、とってもうれしいよな!
そんな感(かん)じでいこーぜ! よし、読書感想文(どくしょかんそうぶん)はおわり! 夏休(なつやす)みは遊(あそ)びまくれ!!!!
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