確かに美女が!?
ゴチャゴチャとあちこちを彷徨っているうちに妙な光の前に飛ばされ、そこでついに、
“待ち合わせの地図”なる、このカオスな世界の深淵に到達するかもしれない、ヤバいアイテムを手に入れてしまった……ってところまで前回の記事で書いた。
今回いよいよ、その待ち合わせ場所に行ってみようと思う……ッ!!
それにしても、この“待ち合わせ”って響きはタマラナイものがあるよねぇ……。なんというか……思春期の甘酸っぱい匂いが漂ってきそうというか、夜の新宿逃避行的なアヤシイ雰囲気に満ちているというか……。
俺がこの単語を見て思い出すのは、いまから35年も昔の中学生のころのことだなぁ~……。
これ、何度かエッセイで書いたことがあるんだけど、当時好きだった同級生に告白しようと思い、ある夏の日の放課後(かっこいい)に、「17時に、●●橋まで来てほしい」とか何とか書いた紙きれを手渡したんだよなー!
でも、待てど暮らせどその子はやって来ず、ワンワンとうれしそうに飛来したのは大量のカナブンとカブトムシ、巨大なガとスズメバチで、
「なんだよチクショーーー!!!>< カナブン、来んじゃねえよぉぉおお!!!><」
と、3時間ほどたたずんだ後に泣きながら帰宅したんだよなぁ……w
……って、1ミリもいい思い出じゃなくて書いた俺が驚いているんだけど、大丈夫ですかね(((( ;゚Д゚)))
ま、まあでも、いかによくできたゲームとは言え、“待ち合わせの地図”と銘打っている以上、キチンとそれなりの人が待ってくれているのだろう。まさか……ウキウキと行ってみたらバジリスクが100匹くらい蠢いていて、
「!!?!?!」
と驚いている間もなく呪い殺されたりは……しないよねえ??(((( ;゚Д゚)))
正直、あんま信用ならない地図ではあったが、行動しないことには何も始まらないので、
「よし……!! すぐに行って確認しよう!!!」
ってんで、俺は霊馬にまたがった。
そして、このざっくりとした地図を頭に叩き込んでから、パカランパカランと馬を走らせる。……が、何度も言うように湖のリエーニエは似たような風景が広がっているうえ、いたずらに広いので、どうにも方向感覚が狂うんだよなぁ……。
それでも……!
長年の“ゲーム勘”を総動員して、地図が指し示す方向に進んでくると……! なんとなんと!!
!!!!! びびび、美女キタぁぁぁぁぁあああ!!!><
……って、言うほどそうでもない気がしないでもないし、
「なんであなたはそんなに猫背なの……??」
とツッコミたくなってしまったが、とにかく、待ち合わせ場所らしきところに女性がいたことには変わりはない!! これは吉報だ!! 中学生のときはカナブンしか来てくれなかったけど、齢50にして35年前のリベンジを果たしたのだッ!!!
さて、わざわざあんな場所に地図を置いてまで、俺を呼び寄せた理由はなんなのだ?? 武器とか遺灰でもくれるのか?? それともやはり……この世界のナゾに迫る、最大の機密情報でも教えてくれるのですか!!?
ドキドキしながら話し掛けると……!!
……ん???
ならず者にかっぱらわれた首飾りを、取り返してきてほしい……??
そ、それが……宇宙の因果に触れるために必要な、重要な作業になるの……!??
「お、おっかしいなぁ……」
首をひねりながら、改めてワールドマップと待ち合わせ場所の地図を見比べてみた。
す、すると……。
いまいるこの場所、まったくの見当違いなんですが……!!!(((( ;゚Д゚)))
どうやら地図に浮かれて、方向を見失っていたらしい^^; 待ち合わせ場所の地図で示されている地点は、もっと北側だったわ^^;
俺は猫背女子に、「ま、ヒマだったら首飾りを取り返してきてやるよ」と冷たく言い放って、北に向かって駆けだした。今度こそ本当に……誰かが待っているであろう、地図の場所にたどり着くのだ!!!
そんな……1分後。
「お!! ぼちぼち待ち合わせ場所のはずだぞ!!!」
霊馬から降りて、湿地の上を目的地目指して歩いていると……。
なんか……目の前に(((( ;゚Д゚)))
「あれ?????」
あ、あそこに横たわっているのは……ロックオンできたってことは、敵ってこと?? いやでも、それにしちゃあやたらとデカいような……。
「ま、まさかね^^;」
猛烈な勢いで込み上げてきたイヤな予感を必死に抑えつつ、慎重に近寄っていくと……!!!
輝石竜スマラグ……???
あ、明らかにドラゴンだけど……これが、待ち合わせの相手なの?? いまにも攻撃してきそうな風貌をしているけど、こう見えて人語を理解して、落ち着いた口調で話し掛けてくるとか!?
「な、なるほど!! そういうことか!!!」
どういうことか、言っている本人もよくわからなかったのだが、
“待ち合わせ相手=ドラゴン”
と自分を納得させて、俺はさらにスマラグに接近していったのだった。
そそそ、そしたら……ッ!!!
「あ」
……その後のことは、あまり覚えていない。
続く……w
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『ELDEN RING』公式サイト:
https://www.eldenring.jp/
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