By まつがん
先週いよいよ発売となった王来MAX第1弾「鬼ヤバ逆襲S-MAX!!!」。
「S-MAX進化」「タマシード」といった新ギミックで盛り上がる中、私は独り明後日の方向を見てデッキ作りをしていた。
そのキーカードがこれだ。
《ティアシャキ・ハーミィ》。見た目は何の変哲もない水の3コストのパワード・ブレイカー持ちクリーチャーだが、その実何の変哲もない水の3コストのパワード・ブレイカー持ちクリーチャーである。は?????
いや、石を投げる前に落ち着いて聞いて欲しい。そもそも「水の3コストのパワード・ブレイカー持ち」は貴重な存在なのである。
まずパワード・ブレイカーはパワー修正と合わせることで容易にバグりうるため、軽量クリーチャーが持っていることは少ない能力である。
現状《刻一黒の成長 グレートブリテン》が最軽量だが、事前に墓地肥やしが必要となるため1ターン目に出すことはほぼできないあたりがグレートにブリブリである (?) という難点がある。
他方、《輪輪-チャリン》は無条件で出せるパワード・ブレイカー持ちだが、他に軽量パワード・ブレイカー持ちがいない光文明というのが使いづらいところだった。
その点、《ティアシャキ・ハーミィ》はドロー操作に長けた水文明であり、3コストというのも決して軽くはないものの十分許容できる範囲ということで、これでも十分デッキが組めるポテンシャルを有しているのである。
だがだとしても、どのようなデッキを組むべきか?
やはりパワード・ブレイカーといったら、あれしかないだろう。
《秘密結社アウトレイジ》だ。
パワード・ブレイカー持ちを強化し相手のシールドを割り切るこのコンボは、この連載でも以前「167ブレイク」で紹介した。
だが、このコンボは相手のシールドを一気に叩き割る爽快感は確かにあるのだが、実際の勝率という点で見ると、相手のS・トリガーを全力で踏み抜きにいく上に無防備なダイレクトアタック要員が脇に棒立ちすることになるので、G・ストライクですら踏んだ瞬間投了というちょっと手の込んだ自殺行為といった感覚がどうしても拭いきれなかった。
けれどもあれから時は経ち、《ティアシャキ・ハーミィ》のように素でパワード・ブレイカーを持つクリーチャーの種類も増えた。
《ミロクの弟子 ニョライ》は本来はクロスギアとの組み合わせでポテンシャルを発揮するカードだが、それ以前に水の2コストの無条件パワード・ブレイカー持ちとして唯一無二のスペックを持っている。
また、《水中怪物 テンタコル》は超GRをアウトレイジで固めておけばこれ1枚でパワード・ブレイカー持ちとアウトレイジを供給できる優れものだ。
そしてこれらが《ティアシャキ・ハーミィ》の登場により十分な代替性を確保できるようになったことで、パワード・ブレイカー持ちやアウトレイジについては最低限のスロットで済ませることが可能となったのである。
では、その節約されたスロットを生かしてこの《秘密結社アウトレイジ》ワンショットにどのような付加価値が与えられるだろうか?
一つは、コンボパーツが《秘密結社アウトレイジ》以外すべて水文明で揃えられるようになったことにより、水単色でデッキが組めるようになったという点である。
そしてもう一つは、より確実性のある勝ち方を目指せるようになったという点だ。
そう、すなわち。
フィニッシャーを選ばれないクリーチャーにすれば最強なのでは???🤔🤔🤔
《異端流し オニカマス》か、もしくは《超次元エクストラ・ホール》から出せる《時空の英雄アンタッチャブル》を、《秘密結社アウトレイジ》を唱える以前に脇に並べておけば、除去トリガーはもちろん「G・ストライク」であっても無視してダイレクトアタックを決めることができる。
とはいえこの動きを実現するには「パワード・ブレイカー持ち」と「選ばれない能力持ち」を並べた状態でアウトレイジを出す必要があるため再現性が問題となるところ、「2ターン目《異端流し オニカマス》→3ターン目《ティアシャキ・ハーミィ》 or 《水中怪物 テンタコル》→4ターン目アウトレイジ召喚して《秘密結社アウトレイジ》」と「2ターン目《ミロクの弟子 ニョライ》→3ターン目《超次元エクストラ・ホール》→4ターン目アウトレイジ召喚して《秘密結社アウトレイジ》」という2通りのルートが確保できており、もちろんこれだけでは万全とまでは言えないものの、コンセプトとしては最低限成立していると言っていいだろう。
さらに再現性を高めてくれるのが《ア・ストラ・センサー》で、上記の動きに絡んだオレガ・オーラや《超次元エクストラ・ホール》、さらにこれだけは代替がきかないカードである《秘密結社アウトレイジ》を探しにいくことができる。
《*/弐幻サンドロニア/*》も強力で、3ターン目までは出番がないが、4ターン目にアウトレイジを確保しつつ《ア・ストラ・センサー》と合わせて山札を掘る動きは唯一無二の性能だ。
S・トリガー枠として最初に考えたのは《終末の時計 ザ・クロック》だったが、せっかくこいつ自身がアウトレイジなのに4ターン目に出そうとするとターンが飛んでしまってというのはもったいない。
そこで「4ターン目にアウトレイジとして召喚できつつも受けトリガーとして機能する」クリーチャーを探したところ……《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》に白羽の矢が立ったというわけである。ツインパクトなので《ア・ストラ・センサー》のハズレにならない点も地味に加点対象だ。
というわけで、できあがったのがこちらの「アンタッチャブル・アウトレイジ」だ!
『アンタッチャブル・アウトレイジ』
4 | 《異端流し オニカマス》 |
《ミロクの弟子 ニョライ》 | |
4 | 《ティアシャキ・ハーミィ》 |
《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》 | |
4 | 《*/零幻ルタチノ/*》 |
4 | 《水中怪物 テンタコル》 |
4 | 《*/弐幻サンドロニア/*》 |
4 | 《ア・ストラ・センサー》 |
4 | 《超次元エクストラ・ホール》 |
4 | 《秘密結社アウトレイジ》 |
10 | 《GRの犬 ワンワンワン》 |
2 | 《GRの猫 ニャンニャン》 |
2 | 《時空の英雄アンタッチャブル》 |
2 | 《その先の未来へ、カミヤ・ミキ・ユア・ナルハ》 |
2 | 《愛しい場所、マイカ・月ノ・ハルナ》 |
2 | 《イオの伝道師ガガ・パックン》 |
3マナのパワード・ブレイカー持ちが2種類いる関係上、本当は2ターン目は選ばれない能力持ちを安定して着地させたいので《珊瑚妖精キユリ》の採用も考えたのだが、自然文明の使い道がなさすぎて今回は諦めることにした。《異端流し オニカマス》のほかに水単色で2コストの選ばれないクリーチャーが出ればさらなるパワーアップが望めることだろう。
???「コラ!可愛い犬や猫を《秘密結社アウトレイジ》のためのコンボパーツみたいに扱うんじゃない!!」
そ、その声は!?
アウトレイジよりも無法な男、デッドマン!!(なぜカンナムスタイル……?)
デッドマン「常識に縛られないカードを求める研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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