入るだけでもたいへんなんです
リムグレイブの南にある半島に進出し、そこで発見した“モーン城”への侵入を目指すことになった。
きっかけとなったのは↓こちらのエピソードである。
なるほど……!
この、エルデの王を目指す老勇者を……郵便配達員として利用しようってか!!
そそそ、その手には乗らんぞ。フロムゲーは、どこに罠があるかわからんのだ。そのお父さんとやらがじつはラダーンみたいなヤベェ奴かもしれんし、そもそもこの女性も……!
ビュリホ~~~……ww
かわよ~~~……んww
……ま、まあでも、悪い人ではなさそうだし、こういう申し出を断ったらそもそもゲームにならないので(苦笑)、慎重に慎重を期して手紙の配達を請け負ってあげることにした。
……慎重ってわりには、
「やりましょうお嬢さんッ!! この勇者が必ずッ!!! ついでにお父様も救ってまいりましょうぞ!!!」
と、鼻息荒く積極的に受諾したんだがw 美人って、得ねぇ^^;
しかし……!
「いざ、モーン城へ!!」
とダッシュで向かおうと思ったんだけど、そこに至るまでにさまざまな障害があってヘロヘロになってしまったわ……w
道すがら、地面に書かれていた他のプレイヤーのメッセージに何気なく目を向けると……。
デタ……。強敵の存在をほのめかすお知らせか……!
もちろん、このメッセージが正しいとは限らない。
『エルデンリング』を長く遊べば遊ぶほど、
「うっわ!!!! さっきのメッセージ、思いっきりウソじゃねえか!!!!(怒)」
っていう事象に出くわすからさ……。
たとえば、どう見ても下に足場なんてない崖の上で、
「まずはジャンプ!!」
なんてメッセージを発見し、しかもそれが300件くらいの評価をもらっているのを見てしまうと……。
「これ……間違いなくジャンプしたら死ぬと思うんだけど……じつは見えない足場があるのかね!!?」
このように信じて、高低差300メートルくらいの高所から飛び降りてしまったりするんだよねぇ!!
すると……><
ぴゅぅるるるるる~~~~~……www
「YOU DIEDwww」
「やっぱりねぇぇええええ!!!!(怒) 死ぬと思ったけどさぁぁぁあああ!!!!(激怒)」
こういう、悪意あるメッセージは少なくないので、どうしても慎重にならざるを得ないのだ。
でも、ここにあるのは“強敵がいる”という示唆だ。まわりに細心の注意を払うことは、決して損ではないはずである。
すると……!
まるでこのメッセージに導かれるように、俺の背後から……((゚Д゚;))
あ、あれは……!!!
身を覆うヨロイも、騎乗するウマも真っ黒で統一した強敵……!!
「よ、夜の騎兵だ……ッ!!! 気付かれたらヤバい……!!!」
夜の騎兵はその名の通り、特定の場所に夜のあいだだけ現れる屈強な戦士だ。出現する場所によって強さはバラバラなんだけど、俺の個人的な感覚だとマルギットやゴドリックをも凌ぐ個体も存在するので、生半可な気持ちで立ち向かうことはできねぇよ……((゚Д゚;))
いやでも、夜の騎兵が対象なら確かに、「この先、強敵があるぞ」のメッセージ通りだわ。心の準備ができていたおかげで、ここは簡単にやり過ごすことができるよ……。
夜の騎兵が遠ざかるのを草むらから眺めながら、俺は「ほっ」と息を吐き出した。
「よかった……。これだから、メッセージは無視できないんだよ。他のプレイヤーのおかげで、どれほど命を救われてきたことか……!」
ひと安心した俺は、視界から夜の騎兵が消え去るのを待ってから、モーン城に向かって歩き始めた。
とりあえず、強敵はやり過ごしたぞ。
まだ油断はできないけど、ボスクラスに強いヤツはしばらく現れはしないだろうな^^
そんな確信を持ちつつ、遠くに見えるモーン城のシルエットを頼りに、
「ぴょんぴょん^^ あー楽しい^^」
ゴキゲンにステップを踏みながら、素材採取をしつつ歩を進めていると……((゚Д゚;))
ゴゴゴゴゴゴ……ッ!!
……ん? 画面が揺れているような……??
さらに、イヤホンを通じて耳に飛び込んできたのは、先ほどまで聞こえていた牧歌的な風の音ではなく……! 鬼気迫るような音楽……!!
「え……? ええ???」
戸惑いながら、その場を離れようとする俺。しかし、すでに敵に見つかっており……!!!
「きしゃぁぁぁああああッ!!!!」
えッ! だ、誰ですかあんさん((゚Д゚;)) そそそ、そんなに痩せ細って……! とととと、鶏がらかい!!!www
驚きのあまり、画面に向かってキレのないツッコミを入れてしまう。
いやでも、マジでコイツはなんなんだ……!? さっきのメッセージの強敵って……もしやこの“死の鳥”ってヤツのことぉ!!?!
あまりの恐怖に足をもつれさせながら、必死に距離を取ろうとする老勇者……。
しかし、このときの戦力差はあまりにも圧倒的で……(((( ;゚Д゚)))
「YOU DIEDwwwww」
って、安心しきっていた俺を葬るなぁぁああああ!!!><
モーン城は、まだ遠い……w
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『ELDEN RING』公式サイト:
https://www.eldenring.jp/
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