By まつがん
「蓄積祭り」を開催する!
いきなり何を言ってるんだと思うかもしれない。だが先週末に発売した「夢の最&強!ツインパクト超No.1パック」には、『蓄積祭り』を開催するに足る1枚のカードがあったのだ。
そのカードとは、もちろん。
▲「夢の最&強!ツインパクト超No.1パック」収録、「水面護り ハコフ/蓄積された魔力の縛り」
《水面護り ハコフ/蓄積された魔力の縛り》。
1コストのブロッカーにS・トリガーで2体の動きを止めることができる呪文が付いたツインパクトというだけでも十分強力だが、今回取り上げるのはそういった性能に関する部分ではない。
そう、久しぶりに加わった新たな「蓄積された魔力」であるという点だ。
《蓄積された魔力》というカードは、自分の墓地に落ちているこのカードだけでなく、「蓄積された魔力」がカード名に含まれるカードすべてをカウントする (《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》における「スパーク」や、《マッド・デーモン閣下 /デーモン・ハンド》における「ハンド」と同様のカウント方法。ちなみに私がデュエマを始めてから知って驚いたルールの一つでもある)。
それゆえに《蓄積された魔力》をデッキに入れる場合、同じくS・トリガーである《蓄積された魔力の渦》も同時に使って《蓄積された魔力》の威力を高めようとするのが通常だ。
だが。
「蓄積された魔力」がカード名に含まれているカードは、これまでにも実はもう1種類あったのだ。
▲「新4弾 誕ジョー!マスタードラゴン!!~正義ノ裁キ~」収録、「蓄積された魔力パーノレ」
《蓄積された魔力 パーノレ》。
要は「破壊されたときに《蓄積された魔力》が発動する」という効果なわけだが、破壊というひと手間がかかる上に他の2種類と違ってS・トリガーがないこともあり、これまでは《蓄積された魔力》を積んだデッキですら採用されないことが多かった。
それ自体は合理的な判断かもしれない……しかし、《水面護り ハコフ/蓄積された魔力の縛り》が登場した今なら。事情が変わっているのではないだろうか?
デッキを作る際に大事なことは、「必ず一度は最も極端な形を作ってみる」ということだ。極端な形を作っておけば、仮にそれが最終形ではなかったにせよ、デッキの動きに本来必要な真芯の部分を把握することができるからだ。
というわけで、《蓄積された魔力》デッキにおける最も極端な形……すなわち、これら4種類の「蓄積された魔力」を16枚フル搭載したデッキを作ろう、というのが今回の趣旨である。
さて、デッキのコンセプトは決まった……と見せかけて、まだコンセプトは決まっていない。
なぜなら、「どう勝つか」が定まっていないからだ。コンセプトとは要するに「何をやってどう勝つか」なので、「何をやるか」が決まっただけではまだデッキとは呼べない。ゲームの至上目的が勝利である以上、(それが実現可能かどうかはともかく) 何らかの勝利手段は必要不可欠である。
では、「蓄積された魔力」を16枚フル搭載したデッキの勝利手段は何になるだろうか?
「蓄積された魔力」を16枚も搭載しているとなれば《蓄積された魔力》を打ったときの威力は凄まじく、5枚ドローや6枚ドローもきっと夢ではない。そうなると必然、手札は溢れかえることだろう。
しかしデュエマはたとえ何枚の手札を抱えていたとて勝利することはできない。ならば大量ドローで山札を引き尽くし、《水上第九院 シャコガイル》での勝利を目指すべきだろうか?
▲「新3弾 気分J・O・E×2メラ冒険!!」収録、「水上第九院 シャコガイル」
だが、《水上第九院 シャコガイル》も無条件の勝利手段というわけではない。9マナというコストは普通に出すにはあまりにも重いため、何らかの踏み倒し手段もしくはマナ加速を要求するし、出たときに墓地を山札に混ぜてシャッフルしてしまうので、呪文で墓地が溢れかえるこのデッキにおいては、どんなに山札を減らしていても出して即勝利とはいかないだろう。
とはいえ、コンボデッキというものは「コンボが決まれば即勝利」でなければならない。そうなると、《蓄積された魔力》と《水上第九院 シャコガイル》という組み合わせは相性が悪いように思われた。
やはり、《蓄積された魔力》だけでゲームに勝利することは難しいのか……。
そう諦めかけるも、まだ頭の中に何かが引っかかっていた。さっき私は何て言った?
「デュエマはたとえ何枚の手札を抱えていたとて勝利することはできない」
そんなはずはない。デュエル・マスターズには無限の可能性がある……だからたとえクリーチャーを1体も出していなくても、代わりに手札が溢れかえっているとしたなら、それを勝利に転化する手段もあるはずなのだ。
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