By まつがん
「神」に挑戦したくはないか???
神とは定義上絶対の存在であり、挑戦などできるはずもないと思われるかもしれない。
だが神は気まぐれなので、矮小なる我々に「試練」をお課しになられたのだ。
《神の試練》。無限の可能性と夢を内包したカードである。
なぜなら、もしこのカードで山札をすべて引ききることができたなら、神は試練を突破した証として追加ターンと永続的な山札切れによる敗北回避という絶大なボーナスを与えてくれるからだ。
「これを一発唱えるだけで勝つデッキが組みたい」。それがこのカードを見たとき最初に私が抱いた欲求だった。
もちろんただ試練を突破するためだけなら、《邪眼教皇ロマノフⅡ世》や《聖霊左神ジャスティス》などで山札を限界まで減らしてから唱える方が合理的だろう。
けれども、あえて言うならば《神の試練》は大量の山札を一発で突破してこそ価値がある。
そう、「なぜ山に登るのか?」と聞かれたら「そこに山があるからだ」と答えるだろう。
では「なぜ神に挑むのか?」と聞かれたら「そこに神がいるからだ」ということになるのだ(?)。
しかし冷静に考えると、大量の山札がある状態で《神の試練》を突破したとしてもドヤ顔ができるだけで別にゲームに勝てるわけではない。
つまり必要なのだ。《神の試練》で引き込んだ大量の手札を「勝利」へと変換するためのギミックが。
だが、《神の試練》を唱えているということは5マナが既にタップしているということ。となれば残されたマナはほとんどなく、いかに手札が20枚以上あるとはいっても、マナがなければ何のアクションもとることもできないはずである。
……本当にそうだろうか?
《エンドレス・フローズン・カーニバル》。このカードならば、《神の試練》で引き込んだ手札を実質的な追加ターンへと変換することができる。
すなわち、大量の手札を抱えた状態で再びマナを自由に使えるようになるのだ。
とはいえ、大量の手札に自由なマナがあるというだけでゲームに勝てたら苦労はしない。
だが、デュエル・マスターズには存在していたのだ。手札が大量にあるというだけでゲームに勝利できる方法が。
《偽りの名 iFormula X》。このカードと《西南の超人/断断打つべしナウ》とを組み合わせれば、8マナから即勝利することが可能となる。
とはいえ5マナの《神の試練》で追加ターンをとり、《エンドレス・フローズン・カーニバル》で実質追加ターンをとったとしてもまだ7マナまでしか届かないようにも思えるが、山札すべてを引ききっているのだから2枚目の《神の試練》も引けているだろうから問題はない。
あとは「《神の試練》でデッキを引ききる確率」を最大限高める構築を模索するだけだ。
では具体的な構築に入るが、デュエル・マスターズにおいて現在異なるコストのカードは「0~17、19~21、25、71、99、∞」で25種類存在する。
つまり残りの15枚はどうやってもマナコストの被りが発生してしまうので、1枚の《神の試練》だけで確実に山札すべてを引ききる方法は基本的には存在しない。
だがその確率を最大限高めるならば、2つのコストのうち好きな方を参照できるツインパクトを活用するのが一番だ。
「スノーフェアリー」「ツインパクト」「マナ加速」「受けにもなる」という3点から、《天体妖精エスメル /「お茶はいかがですか?」》は最強の「2マナ」担当だ。
また《虹色妖精ポミリン/レイニー・アトラス》は「スノーフェアリー」「水文明供給」かつ貴重な「1マナ」担当ということでこちらも欠かせない。
《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》は「水文明供給」を可能とする「14マナ」担当でありながら受け札にもなる唯一無二のカードだ。殿堂カードとはいえどうせ1枚しか入れないのでこのデッキならば特に関係がない。
また、最近出た《反逆龍 5000typeR/無法頂上会談》は「12マナ」というマニアックなマナ域を埋めつつも「水文明供給」かつ貴重な「《神の試練》を探しにいけるドローソース」ということで、クリーチャー側で召喚するつもりは一切ないものの、替えが効かないカードとなっている。
あとは「スノーフェアリーを10枚程度確保する」「なるべく初動と受け札を増やす」といった条件を満たすように各マナ域を埋めていくだけだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「神の試練への挑戦」だ!
『神の試練への挑戦』
《Black Lotus》 | |
2 | 《虹色妖精ポミリン/レイニー・アトラス》 |
《天体妖精エスメル /「お茶はいかがですか?」》 | |
2 | 《眼鏡妖精コモリ》 |
《西南の超人/断断打つべしナウ》 | |
4 | 《神の試練》 |
2 | 《華憐妖精ミンメイ》 |
2 | 《偽りの名 iFormula X》 |
2 | 《雪精 ベルベール》 |
2 | 《閃光の守護者ホーリー》 |
2 | 《深海の伝道師 アトランティス》 |
1 | 《天紅連結 シリディアン》 |
1 | 《反逆龍 5000typeR/無法頂上会談》 |
1 | 《破壊龍神ヘヴィ・デス・メタル GS》 |
1 | 《魔導管理室 カリヤドネ/ハーミット・サークル》 |
2 | 《エンドレス・フローズン・カーニバル》 |
1 | 《切札勝舞&ボルメテウス ー決闘の物語ー》 |
1 | 《ゴウケンオー~剣々轟々~》 |
1 | 《龍騎旋竜ボルシャック・バルガ》 |
1 | 《戦武帝 ジャッキー BEAT》 |
2 | 《神帝ルナティック・ゴッド GS》 |
1 | 《勝利皇帝 Guy-R》 |
1 | 《伝説の正体 ギュウジン丸》 |
1 | 《伝説の禁断 ドキンダムX GS》 |
1 | 《∞龍 ゲンムエンペラー》 |
13マナのスロットは受け札になる《破壊龍神ヘヴィ・デス・メタル GS》より初動カウントかつ自然マナを供給できる《シビレアシダケ/インビンシブル・パワー》の方が良いかもしれないが、いずれにせよ概ねこれくらいが現状での限界だろう。
当然だが《奇天烈 シャッフ》を出されただけで憤死するし、そもそも4枚しか入っていない《神の試練》を引けるかどうかもわからないところからスタートしている時点で欠陥だらけのデッキではある。
だがその代わり「今までにないマナコストのカード」や「珍しいマナコストを持つツインパクトのスノーフェアリー」「10コスト以上の受けにもなるツインパクト」「《神の試練》をサーチできるツインパクト」などが出るたびに少しずつ強化されていくコンセプトでもあるので、今後発売される新セットのカードを違った視点で評価できる点が強みでもある。
そう、いつの日かこのデッキが最強になる……その日を信じて待ち続けること、それこそが本当の「神の試練」なのかもしれない。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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