コロコロオンラインのライターたちが選ぶホラーゲームレビュー特集。第7夜は、Nintendo Switch、Steam(PC)にて配信されている探索系ホラーアドベンチャー『真砂楼(まさごろう)』を紹介する。なお、本記事でプレイしたのはNintendo Switch版となる。
冷や汗が止まらない廃旅館の探索……
「ホラー」を語るうえで、いちばん怖い部分は何だろうか?
演出、怪異の姿、ストーリーなど、作品によって魅力はさまざまなのだが、筆者が個人的にニガテなのは「何も起きないこと」なのだ。というか、筆者があまりホラーゲームをやらない理由の大半がこの部分に当てはまる。
たとえば、ゾンビや幽霊みたいな化け物が現れたら「よし、やってやるぜ!」と覚悟が決まるものの、何が出てくるのか分からない探索パートが怖い!
ちょっとした物音すら「ヒッ!」となってしまう。
先に進みたくねぇ~~~!!!!!!
……とまあ、そんなビビりの筆者に非常にぴったりだった作品が、この『真砂楼』だ。
本作のあらすじを簡単に説明すると、廃墟探索が趣味の主人公が、休みを機に潰れた廃旅館「真砂楼」を訪れてみた……というもの。
真っ暗な建物の中を懐中電灯で進んでいくのだが、本作は廃墟探索者による監修もあってか、ボロボロの建物内の雰囲気もばっちりキマっている。
塗装が剥げ、カビが生えた壁、穴の開いた障子、朽ちた置物など……さらにはすきま風や床のきしみも立体音響で再現されており、そのクオリティはヘッドホンでのプレイが怖くなるほど。
ウワーッ! 帰らせてくれぇ!!
……と思ったら閉じ込められてる!!
い、いやじゃ~~~~~っ! 行きたくない!
戻ることができず、パンフレットを頼りに建物内を探索していく……ボロボロなせいか立て付けが悪かったり、物が落ちてきたりと大きな音にびっくりしてしまう。
記事のはじめでも言った通り「何かあるんだろうけど何もない時間」が怖くて怖くて仕方ない。
視界が狭く先が見えないのも恐怖感を程よく煽っており、あまりにもビビりすぎてTVモードで遊ぶのをやめようかと思ったほどだ。
あちこちに落ちているカギを使って部屋の中も調査してくのだが、そこには当時書かれたであろう民族学者の記録、主人や客のメモが残っていた。
メモを読んでいくうちに明らかになる「真砂楼」の真実には、何かいけないものに関わっているようで冷や汗が止まらない。さらには旅館内には謎の幻覚も……。
いったいここで何があったのか? ぞわぞわと不安が迫るなか、主人公はさらなる奥へ突き進んでいく……
不安を煽る音響や、ボロ屋にありがちな朽ちた表現など、廃墟の細かい部分まで再現された本作。2~3時間ほどのプレイでサクッと楽しめるうえに、主人公のような廃墟マニアや和風ホラーに興味ある人にはぜひオススメしたい作品だ。
あっ! プレイするときはヘッドホンも忘れずに!
作品概要
『真砂楼』
■販売・開発:DorsalFin Studio
■配信日:2021年3月26日(PC)、7月8日(Switch)
■価格:各1,320円(税込み)
■ジャンル:アドベンチャー
■フォーマット:Nintendo Switch、PC(Steam)
■IARC:16+
■公式サイト
https://dorsalfingamestudio.wixsite.com/masagoro
(C)DorsalFin Studio 2021. All rights reserved.