ロマンチックな話……ではない
いま、『あつ森』の上空が賑やかだ。“かまびすしい”(やかましい、という意味ね)と言っても言い過ぎではないだろう。
ホラ、↓こんな具合に。
ふうせ~~~ん……www
どこからともなくゆっくり、のんびり、それでいてじつに蠱惑的(こわくてき)にヒモを振りながら、ドンブラコッコと漂ってくる風船たち……。ちなみに“こわくてき”ってのは、妖しい魅力を発散して、人(とくに男)を惑わす様子のこと。……そう、『あつ森』の上空にやってくる風船には、住民を惑い、たぶらかす、言いようのない危険な魅力があるのである。銀座や歌舞伎町を歩いていると、そういう雰囲気をまとった美女によく声をかけられるが、『あつ森』の風船を見ると、俺はそんなシーンを思い出すのだ。
イースターがアツい!
さて、そんな風船を、“ふたつの理由”からいつも以上に追いかけなければいけなくなった。
理由のひとつめは、4月のイベントである“イースター”だ。期間中に島のあちこちに“イースターエッグ”というたまごが隠されていて、これを集めることでさまざまなイベント限定アイテムをDIYで作れる……という内容である。
そのたまごは、たとえば魚に化けていたり(“サカナのたまご”という名称)、
木に実のっていたり(“はっぱのたまご”という名称)、
そしてときには……風船にくっついてフワフワと飛んでくることもある。
これは“そらとぶたまご”と呼ばれ、通常の風船プレゼントと同じく、パチンコで撃ち落としてゲットする必要があるのだ。これを手に入れるために、いつもの3割増しくらいの勢いで空を見上げることが多くなったのである。
そしてもうひとつの理由は……同僚のたっちーによる“命令”にあった。
風船を追って
ある日、たっちーは俺にこんなことを言った。
「なあなあ。イースターとともに、桜の花びらを使ったレシピもたくさん実装されたやん?」
俺、素直にうなずく。
「そうなんだよ!! 春らしい、かわいいアイテムがたくさんラインナップされたので、レシピをそろえたくて仕方ないわ!!」
今度はたっちーが「うんうん!」と首肯した。
「せやろ!? わしもぜひ桜のレシピをコンプリートして、アイテムを作りまくりたいねん。そこで」
もったいつけてから、たっちーはこの発言の核心を語る。
「そのレシピのひとつに“さくらのかさ”ってのがあるねん! 桜の花をかたどった傘なんだけど……これをどうしても作りたい!!>< でもなかなか手に入らないんや!!」
ナルホドナルホド。それを「探してくれ!」ってことか。俺は言う。
「“さくらのかさ”ね。俺もまだ持っていないみたいだから、手に入れたら連絡するわ!」
するとたっちー、目をギラリと光らせた。
「うむ。任せたで。でも……桜のレシピはどうやら、風船プレゼントにしか入っていないらしい。なので……ひたすら風船を追いかけて撃ち落としてくれやwww」
俺、飲んでいたアイスコーヒーを「ぶっ!!」と噴き出した。
「それってけっこう、めんどくさくないですかねぇぇぇええ!!?ww」
この日から、俺はヒマさえあれば空を見上げて、風船を追い求めるようになったのだが……。
次回に続く。
大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中
大塚角満(おおつか・かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。 |
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
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