二月中旬、突如立ち上がった『Project F』(@PRJCTF)。
その活動指針は明確であり「プロゲーマー監修のもと、1日の活動スケジュールを計画し、コーチングを取り入れて毎日朝9時から活動する強化練習プロジェクト”F”」といった内容が掲げられている。フォートナイトにおいて今までに無かった、新しい試み。
『Project F』が設立された経緯や、コミュニティとの違いについて、創立者であるbykn選手に話を聞いた。
——早速ですが、『Project F』はどのような活動を行っているチームなのでしょうか。
bykn:まず一つだけ軽く訂正させてください。実は『Project F』というのは、クランやチームといったものではありません。また、フォートナイトには大量のコミュニティが存在しますが、そういったものにも該当しません。
練習したい人が集まって練習する場、あくまでフィールドのようなものです。だからプロジェクトという名称にしています。あくまで自分たちが上手くなるための計画、強化練習が主軸なんです。
どのゲームにも言えることなんですが、結局チームとかクランに所属してしまうと、チームやクラン毎のくくりに縛られがちです。だからこういう場を設けることで、所属チームの垣根を越えて、やる気のある人同士で集うことができます。
現状、トライアウトを含めるとチームに所属しているプロプレイヤーは6人。その6人以外はチームやクランに入ってない人達で構成され、13人くらいの規模になっています。今後も更に増えていく予定です。
——『Project F』の設立の経緯について教えてください。
bykn:『Project F』を立ち上げてから2~3週間ほど経っていますが、実は『Project F』が立ち上がる一ヶ月くらい前からですね、その辺りから初期メンバー三人でずっと活動していました。
ただそこで小人数でやっていくことの限界を強く感じたんです。
例えばフォートナイトって1v1の対面練習が必要不可欠なんですが、三人や四人とかで回そうとすると、3通りしか組み合わせはありません。そうなるとプレイヤー毎のパターンを見極めるのも早くなりますし、マンネリ化も置きやすくなります。
それがもし2v2になると、ちょっとした予定のかみ合わせ次第では練習すらできなくなります。エンドゾーンの練習なんて夢のまた夢です。そういった事情もあって、色んな人を巻き込みたいと考えるようになり、『Project F』を立ち上げるようになりました。
——初期メンバーはどういうメンバーだったのでしょうか。
bykn:元々は僕とめつを(@Met_fn)とえあーどさん(@Aird_fn)の3人でずっとやっていました。先ほど少し話してしまいましたけど、『Project F』が立ち上がるずっと前から、その三人で毎日練習を続けていました。
ただその時に行っていた練習は、計画的な内容ではありませんでした。直近の実践や練習における反省点を元に、しっかりと対処法を編み出したり、トップ層の技術を積極的に吸収していたのは間違いなく事実ですが、今のトップ層も同じくらい練習してるのは明白だったので、三人で話し合いをした結果「結局今の練習量や練習内容では足りないよね」という結論に至りました。
そこでまずは練習内容を少し工夫し、練習の質を上げようということになったんです。不規則な練習は辞め、朝は9時から練習に取り組み、練習内容も互いにスケジュールを組み立て、フォートナイトのアップデートや情報に合わせてシステマティックにリスケ&練習内容の変更も行うことにしました。
——規則的な練習を組み立てることで、互いのスケジュールを合わせるようにしたわけですね。
bykn:はい。でも朝9時からいきなり練習しようってなったら、それまで不規則な練習をしてた人は寝坊とかするじゃないですか。それに関しても自分たちで対策したいと思ったので、寝坊したらVbucksを相手にあげるとか、そういう話になりました。Vbucksをあげるというのは当時案としてあがった例に過ぎませんが、要は罰則を設けてでも本気で練習したかったんです。
寝坊やスケジュールに関してどうしてそこまでシビアになるかというと、そもそもフォートナイトにおける練習って個人練習以外はマンツーマンが圧倒的に多いんですよ。つまり自分が寝坊することによって、相方の人に必ず迷惑がかかってしまう。
なので最低限のスケジュールを守ることを意識してほしいという想いがあるんです。あとその人が本気で上手くなりたい、練習したいと考えているかの指標にもなると考え、敢えて午前の早い練習に1v1の項目を入れてます。
(朝9時のDisocrdにおける練習風景。12人全員が同じVCに入り、ひたすら練習を行っている)
——『Project F』のメンバーに求めるのは、そういったスケジュール管理以外に何かありますか?
bykn:基本的に『Project F』というのはTwitterにおいて募集をかけているんですが「朝九時からできます」ってだけではなく、DMを送ってきた人の文章内容とか過去のTwitterとかを見て、人柄はどうなのか、本当に継続できるかを見ています。
もちろんTwitterで人柄を全て把握できるわけではありません。特に誠実であるかどうかだったり、努力家であるかどうか、モチベーションが高いかどうかを判断するのは実際には不可能です。しかし問題点を発見することはできます。
例えばDMの送り方一つとっても、一般常識に欠ける文章を送ってきたら、それだけで見送ることになります。過去のツイートで暴力的な発言や差別的な発言をしてるかどうか。他の人が投稿してる動画などで、悪質な死体撃ちをしているかどうかなど、そういった問題行動を起こしているかどうかで、ある程度判断します。
もちろん僕一人で精査するのは難しいので、現メンバー間で積極的に調べていき、問題点や情報の共有を行います。そういった精査を経て、あからさまな問題点が無ければ、トライアウト(試用期間)を挟みます。トライアウトを挟むことで活動に合うかどうか、継続できるかどうか、遅刻するかどうかを互いに判断し、『Project F』側と応募者がどちらとも納得したら、一緒にやっていくという感じです。
——なるほど。本気の人で集まっているので、最初の人選にかなり気を使っているわけですね。
bykn:はい、その通りです。
ただし『Project F』には注意していることが一点あります。それは”無理のない範囲で活動する”ということです。ここまで聞いてると凄くハードで厳しいイメージを持つかもしれませんが、実はそういう雰囲気ではありません。もちろん、メリハリをつけることを非常に重視しるのは確かです。しかし毎日の生活の中で並行して行う活動であることも同じくらい重視しているので、強制して無理をさせることは絶対に行いません。
本気で練習したい人にとっての、理想的な練習環境。それが『Project F』の本質なんです。
毎日朝9時からがっつりと練習を行う。これを自然体で出来る人を募集していますし、色々と無理をしなければ出来ない人であれば、最初の話し合いやトライアウトの段階で「一緒にやるのは厳しいだろう」とお互いが判断すると思います。
チームでもコミュニティでもない、本気で練習したい人のための練習環境を提供する。それが『Project F』。次回は『Project F』のもう少し詳しい部分について迫っていきます。
bykn ●YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/c/byknn https://twitter.com/7_chx |
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ライター:gappo3 プロゲーミングチーム「Green Leaves」に所属し、ライターを兼任。選手に寄り添うインタビューをモットーに、丁寧に選手の一面を描いていきます。 https://twitter.com/gappo3gappo3 |
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