By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
先週末にはマジックフェスト・名古屋2020とプレイヤーズツアー・名古屋2020が同時開催されました。プレイヤーズツアーという名前には聞き馴染みがないという読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、これは昨年まで開催された「ミシックチャンピオンシップ」の名称が変わったものです。
ここ数年でプロツアー→ミシックチャンピオンシップ→プレイヤーズツアーと名前と制度がいろいろと変更になっているので、昔からのプレイヤーの中にはプレイヤーズツアーのことをプロツアーと呼んでいる人もいますね。実際のところ、概ねプロツアー=プレイヤーズツアーの認識で間違っていません。もちろん名称変更に伴って細かい部分もいろいろと変わっているのですが……興味がある方は公式記事などを読んでみてくださいね。
さて、そんなこんなで今回はアジアやオセアニア、ユーラシアの一部地域からプロプレイヤーが集まっていました。トップ8も豪華で、MPLプレイヤーが3名も入賞しているという苛烈なトーナメントとなりました!
【PT名古屋20】 プレイヤーズツアー・名古屋2020でトップ8に入賞した選手のプロフィールを、アンケート形式でご紹介します。激戦を制した偉業を称えるとともに、今後の活躍に期待しましょう! https://t.co/cAOZAKveA5 #mtgjp #PTNagoya pic.twitter.com/gwiVBCbK7R
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) February 2, 2020
香港のチャンピオン、リー・シー・ティエン選手。みんな大好き八十岡 翔太選手。ユニークなオリジナルデッキを持ち込んだ行弘 賢選手。他の5名もみんな著名なプレイヤーで、優勝を収めたのは日本のプロプレイヤーである原根 健太選手でした!
さて、今回はそんな原根選手と熱い決勝を演じた行弘選手のデッキリストを見ていきましょう!
プレイヤーズツアー・名古屋2020
今回、行弘選手はチーム「武蔵」の仲間である高尾 翔太選手とオリジナルのデッキを持ち込んでいました。高尾選手は悔しくも初日敗退を喫することとなりましたが、行弘選手は先述の通り準優勝を飾り、デッキの強さを世界に見せつけてくれました。
デッキにはなんと《結束のカルトーシュ》が4枚。私の取ったデッキテクインタビューではボロクソ書いてしまいましたが、このカードは布告避けにも使えてモダンの呪禁オーラでも使われていましたね。『アモンケット』リミテッドもよく考えたら使われてました。エアプを晒してしまって大変失礼しました。
まぁそれにしたってこの1マナのオーラがパイオニアの構築クラスのカードだなんて誰が予想したでしょうか。こればっかりはデッキを作成した行弘選手と高尾選手の慧眼に感服せざるを得ません。2人のデッキは、こうした軽量エンチャントを大量に使ってクリーチャーを強化するデッキでした。
白黒オーラ(使用者:行弘 賢選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
6 | 《平地》 |
1 | 《沼》 |
4 | 《神無き祭殿》 |
4 | 《秘密の中庭》 |
4 | 《コイロスの洞窟》 |
1 | 《マナの合流点》 |
4 | 《命の恵みのアルセイド》 |
4 | 《憎しみの幻霊》 |
2 | 《恩寵の重装歩兵》 |
4 | 《上級建設官、スラム》 |
3 | 《騒音のアフィミア》 |
4 | 《結束のカルトーシュ》 |
4 | 《天上の鎧》 |
4 | 《歩哨の目》 |
3 | 《グリフの加護》 |
4 | 《ケイラメトラの恩恵》 |
4 | 《きらきらするすべて》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《浄光の使徒》 |
3 | 《脳蛆》 |
2 | 《死の重み》 |
2 | 《思考囲い》 |
1 | 《墓掘りの檻》 |
2 | 《不可解な終焉》 |
2 | 《試練に臨むギデオン》 |
赤字にしてあるのは『テーロス還魂記』の新カードですが、なんとこのデッキではメインボードの5スロットに新カードが入っています。『テーロス還魂記』がリリースされるまで決して誕生し得なかった、まさに最新のデッキと言えるでしょうね。
オーラ戦略特有の弱点を補うカードとして、《上級建設官、スラム》に加えて《憎しみの幻霊》が新たに加入しました。呪禁オーラなどとは異なり、「そもそも除去をさせない」というより「除去をされてもアドバンテージを失わない」という方向性にシフトしているようですね。パイオニアではモダンほど1マナの呪禁クリーチャーが多くないので納得です。
また、このデッキの中でも最強のカードが《天上の鎧》と《きらきらするすべて》です。《天上の鎧》は《怨恨》や《幽体の飛行》とともに『ラヴニカへの回帰』当時のスタンダードでも使われていたカードでしたが、オーラを多用するこのデッキでもキーカードになっています。
『エルドレインの王権』では《天上の鎧》の上位種である《きらきらするすべて》も登場。これにより2種8枚のフィニッシャー枠を用意することができており、戦略の一貫性が増しています。
特に《天上の鎧》の爆発力は凄まじく、決勝の第3ゲームでは2ターン目にして5点クロックという化け物を生み出していました。こうした規格外の挙動ができるのはこのデッキの強みの一つですね。比較的レアリティの低いカードが多いため、デッキを組みやすいのもポイントです。これからパイオニアを始めてみようと思っている方は、まずはこのデッキから始めてみてはいかがでしょうか?
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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