By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
先週末には新セット『テーロス還魂記』のプレリリースが開催されました! みなさんはご参加されましたか?
【イベント情報】いよいよ本日より3日間『テーロス還魂記』プレリリースが開催!
ボックス先行リリースキャンペーンも実施いたしますので、奮ってご参加ください!開催店舗検索はこちら→https://t.co/i53jXchPMM#mtgjp #MTGTheros pic.twitter.com/V1EDxbiXrw
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) January 17, 2020
新メカニズムの「脱出」や、懐かしの「星座」「信心」といったメカニズムが目白押しで、リミテッドも構築も非常に楽しくなりそうです。赤緑の疑似「獰猛」メカニズムや、赤白の疑似「英雄的」メカニズムなどなど、各色の組み合わせごとにしっかりシナジーが用意されているので、ドラフトもやりこみがいがありそう……。
もちろん構築環境にも大きな変化が訪れることでしょう。というより、すでにオンラインの世界では非常に大きな変化が起こり始めているようです。今回はさっそくこの『テーロス還魂記』リリース後の世界を覗き見ていこうと思います。
Legacy Challenge #12071845
そういえばこれまでこの連載ではあまりこの通例について触れたことがありませんでしたが、Magic OnlineやMTGアリーナでは先週末から『テーロス還魂記』を使ったリミテッドや構築戦をプレイすることができるようになりました。テーブルトップ(紙のカード)のリリースは今週末なので、オンライン上では1週間だけ先駆けているということですね。
こうしたオンラインゲーム上での先行リリースは『アモンケット』(2017年4月)からの通例となっており、プロプレイヤーや競技プレイヤーはリアルイベントに先駆けて調整や練習ができるようになっています。すなわち、この時期にはすでに新環境のデッキリストが出始めているということですね。
そんなわけで、もちろん今回の記事でも『テーロス還魂記』のカードを使ったデッキをご紹介していくわけですが……実は今回の『テーロス還魂記』のリリースによって凄まじいデッキが爆誕し、界隈を賑わせています。しかも比較的変化が少ないと言われるレガシーという環境で。
キーカードはこの《死の国からの脱出》。テキストが長くてわかりにくいかもしれませんが、要するに「1ターンの間、墓地の全ての呪文を(条件付きで)唱えられる」と書かれています。うーん、かなり嫌な予感がしますよね? さっそくですが、今回はこの《死の国からの脱出》を使用したデッキを見ていきましょう。
脱出ストーム(使用者:AronGomu選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
2 | 《Underground Sea》 |
1 | 《Bayou》 |
1 | 《Tropical Island》 |
1 | 《Volcanic Island》 |
1 | 《島》 |
1 | 《沼》 |
4 | 《霧深い雨林》 |
4 | 《汚染された三角州》 |
1 | 《血染めのぬかるみ》 |
4 | 《強迫》 |
4 | 《冥府の教示者》 |
4 | 《思案》 |
4 | 《定業》 |
4 | 《思考囲い》 |
1 | 《思考停止》 |
4 | 《渦まく知識》 |
4 | 《目くらまし》 |
1 | 《稲妻》 |
2 | 《夏の帳》 |
4 | 《ライオンの瞳のダイアモンド》 |
4 | 《水蓮の花びら》 |
4 | 《死の国からの脱出》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
4 | 《意志の力》 |
3 | 《外科的摘出》 |
2 | 《突然の衰微》 |
2 | 《暗殺者の戦利品》 |
2 | 《蒸気の連鎖》 |
1 | 《ザンティッドの大群》 |
1 | 《夏の帳》 |
このデッキの動きは非常に簡単。墓地に3枚のカードを落とし、《死の国からの脱出》を設置して2マナを用意。あとは《思考停止》を墓地から何度も唱えて自分のライブラリーを彫っていき、最後は《稲妻》連打でお手軽勝利。1ターンキルも余裕。一例を挙げると……
- 土地、《水蓮の花びら》、《死の国からの脱出》、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《思考停止》をキープする。
- 土地と《水蓮の花びら》から2マナを得て《死の国からの脱出》をプレイ。
- 《ライオンの瞳のダイアモンド》をプレイして起動。青3マナを得る。
- 自分を対象に《思考停止》をプレイ。3と4の手順を繰り返す。
- 十分なマナと十分な墓地枚数を稼いだら《稲妻》を7回プレイする。
べつに《稲妻》じゃなくて対戦相手に《思考停止》を撃っても勝てますが、このルートなら《引き裂かれし永劫、エムラクール》のようなライブラリー修復能力を持ったカードが入った相手でも倒せますね。なんなら「ふーん、《エムラクール》入ってるんだ。じゃあ《稲妻》で殺すわ」なんてこともできます。人の心がない。
コンボに必要な枚数が多いように見えますが、《死の国からの脱出》以外のパーツは墓地に落ちている場合でもコンボを開始できます。そんな《死の国からの脱出》自体は《冥府の教示者》あたりでサーチしてしまえばいいですし、従来この手のデッキのキーカードだった《炎の中の過去》よりも軽いマナで動ける上に確実性が高いので、安定感は抜群です。
また、このリストでは《思考停止》は1枚のみの採用となっており、《強迫》や《思考囲い》で対戦相手の手札をズタズタにしてからきっちりコンボを決める構成になっているようです。《死の国からの脱出》と《ライオンの瞳のダイヤモンド》の2枚だけでもだいたい行けそう(この2枚と《冥府の教示者》の相性がよすぎる……)なこともあって、構成に自由が効きやすいのは特徴的と言えるでしょう。コンボを通すための打ち消し呪文を大量に入れるでもいいし、置物を除去するためのバウンス呪文なんかを入れてもいいですね。
個人的には『灯争大戦』の《神秘を操る者、ジェイス》を使ったリストが好み。レガシー環境においては単体でのカードパワー不足は否めませんが、いざコンボに入ってしまえば相手が《神聖の力戦》を貼っていたり《夏の帳》を構えていてもお構いなしで勝てるというのはお手軽で良いですね。どうせ《思考停止》を連打する過程で青マナは大量に出てますから、4マナというコストも苦になりません。
さて、今回は本来ならスタンダードの新デッキをご紹介したいところでしたが、この機会を逃すとこのデッキをご紹介できるタイミングが未来永劫訪れない可能性があったため(※お察しください)、レガシーの新デッキである「脱出ストーム」をご紹介させていただきました。
最後に、「《死の国からの脱出》が許されるならこのカードだって『禁止・制限カードリストからの脱出』できるんじゃないのランキング1位(ドブフクロウ調べ)」のカードを貼って〆たいと思います。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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