By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
今週は禁止制限改定告知が発表されました。今回はパイオニアを除く全フォーマットでノーチェンジ!パイオニアのみ《王冠泥棒、オーコ》と《運命のきずな》が禁止されました(※詳細はこちら/リンク先は外部サイト)。これで《オーコ》はスタンダードとパイオニアで二冠(?)を果たしましたね。
ちなみに次回のパイオニア禁止告知は年末年始のスケジュールの都合上1月6日(月)になるそうな。というわけで、年内の禁止改定は一旦落ち着いたといったところでしょうか。12月18日現在、パイオニアフォーマットで禁止されているカードは以下のとおりです。
- 《血染めのぬかるみ》
- 《溢れかえる岸辺》
- 《汚染された三角州》
- 《吹きさらしの荒野》
- 《樹木茂る山麓》
- 《守護フェリダー》
- 《豊穣の力線》
- 《ニッサの誓い》
- 《夏の帳》
- 《むかしむかし》
- 《死者の原野》
- 《密輸人の回転翼機》
- 《王冠泥棒、オーコ》
- 《運命のきずな》
赤字になっているのは今年出たカード。こうして見ると実に5分の4が緑のカードです(《死者の原野》もある意味緑のカードっちゃ緑のカードかも?)。《豊穣の力線》だけは事実上緑単信心の専用カードとして採用されていたのでこの中でもちょっと毛色が異なるとはいえ、最近の緑のカードはめちゃくちゃ強いですね~。
また、1月に発売される新セット『テーロス還魂記』のプレビューも開始されています。今回のセットの目玉となるであろう2枚のプレインズウォーカーも公開されていますね。
エルズペスの方は2014年に発売された『ニクスへの旅』の話中で死亡しているはずですが、どうにかこうにか蘇ってきたようですね。新能力の「脱出/Escape」にもそういったフレイバーが垣間見えますが、これからエルズペスの辿ってきた遍歴が語られていくことでしょう。そちらも楽しみです。
さて、今回は高田馬場にあるマジック:ザ・ギャザリング専門店「トーナメントセンター晴れる屋」で開催された大会の結果を掘り下げていきます。
The Last Sun 2019
毎年恒例、年末に開催される大型イベントの「The Last Sun 2019」。こちらは予選を勝ち抜いたプレイヤーや、招待を受けているプロプレイヤーだけが参加できるクローズドトーナメントです。
この大会に出場していたプレイヤーの1人、横川 裕太選手は少し変わったデッキを使用していました。横川選手はデッキビルダーとしてオリジナルのコンセプトを持ったデッキを愛好するプレイヤーのようで、過去には日本選手権2019でもオリジナルのデッキを使用して取材を受けていました。今回も晴れる屋のカバレージページでインタビュー記事が掲載されているようです。
さて、そんな横川選手は今回どのようなデッキを使っていたのでしょうか? さっそくリストを見ていきましょう!
アゾリウスミッドレンジ(使用者:横川 裕太選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
8 | 《島》 |
6 | 《平地》 |
4 | 《神聖なる泉》 |
3 | 《寓話の小道》 |
3 | 《アーデンベイル城》 |
3 | 《ヴァントレス城》 |
4 | 《巨人落とし》 |
4 | 《幽体の船乗り》 |
4 | 《徴税人》 |
3 | 《惑乱スプライト》 |
4 | 《厚かましい借り手》 |
4 | 《老いたる者、ガドウィック》 |
3 | 《永遠神オケチラ》 |
1 | 《裏切りの工作員》 |
3 | 《ドビンの拒否権》 |
3 | 《時を解す者、テフェリー》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《浄光の使徒》 |
3 | 《霊気の疾風》 |
3 | 《神秘の論争》 |
2 | 《解呪》 |
2 | 《時の一掃》 |
1 | 《裏切りの工作員》 |
1 | 《軽蔑的な一撃》 |
こちらは青白の2色(アゾリウス)で組まれたミッドレンジデッキです。青白といえばコントロールの代名詞とも言える色の組み合わせですが、現環境には青にも白にも決定力のあるフィニッシャーがいないことから、ミッドレンジが最善の戦略であると判断したようです。
そして、そんなミッドレンジの主力がこちらのクリーチャー。『灯争大戦』で出た神クリーチャーの1つですが、環境に恵まれないことや若干扱いにくい性能から、神の中でもあまり見かけない1枚でした。サイクルである《永遠神、ロナス》や《永遠神、ケフネト》は構築での採用実績もちょっとはあったのですが……
しかし、書いてあることは決して弱くはありません。特に軽量クリーチャーが多数搭載されているこのデッキでは、着地さえしてしまえば以降のターンで着実に盤面に4/4の軍勢を築き上げることができますし、序盤・中盤に「出来事」として使用したカードをクリーチャーとして唱え直すこともできるので、地味ながら強力なシナジーを形成しているのです。
《厚かましい乗り手》は言わずもがな、《惑乱スプライト》や《巨人落とし》まで採用されており、このシナジーを味わい尽くそうという工夫が見られます。他にもアドバンテージ源となりつつ《厚かましい乗り手とのシナジーで対戦相手のブロッカーを一気に排除できる《老いたる者、ガドウィック》や、対戦相手の強力なプレインズウォーカーやクリーチャーを奪える《裏切りの工作員》といったクリーチャーの採用も光ります。
インターネットの進歩やコミュニティの成長から、近年ではメタゲームが固まってくるのもかなり早くなってきましたが、その分メタに切り込んでいく新デッキも組みやすくなっています。今回ご紹介したアゾリウスコントロールのように、自分だけのオリジナルデッキを組みながら年末をゆっくり過ごすのもよさそうです。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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