デュエマ妄想構築録 vol.15-4 ～唐突な大軍勢!? 万軍投ミッツァイル!!～

ここで「条件の重なり合い」とは、たとえば上記のように「火のカードと水のカード」という別個の要求がある場合に、「火であり水でもあるカード」を投入することで、結果として要求値を下げようとする手法である。

ただ、この場合「最速」という当初のコンセプトがネックになる。「火であり水でもあるカード」とはすなわちマナ置きするとタップインになってしまうのであり、こうなると「最速」とは矛盾する。すなわち、「最速」か「条件の重なり合いによる要求値の引き下げ」かは、どちらかしか選べないということだ。
 
このように考えていくと、《“魔神轟怒”万軍投》は一見すると「手札を捨てればコストが下がる」と要求が簡単そうに見えるけれども、観念的な「最速」を求めていくとおよそ真っ当なプレイに堪えないデッキになってしまうことがわかる。
 
それに、そもそもデュエル・マスターズは別に「《”魔神轟怒”万軍投》を唱える＝勝ち」というゲームなわけではないのだ。たとえ1ターン目に3回GR召喚できたところで、それだけで相手を確実に殴り倒せるわけでもない。
 
となれば、「最速」は諦めて速度と安定性とを両立できるスイートスポットを模索するのが吉、というのはけだし自明だろう。
 
では、「《“魔神轟怒”万軍投》を特定ターンに安定して打つ」ためには何が必要なのだろうか？

《ほめほめ老/ホメホメ老句》はわずか2マナでしかもアドバンテージを失わずに2枚の手札を捨てることができるので、これがあれば手札要求なしで3ターン目に《“魔神轟怒”万軍投》を打てるようになる優秀なカードなのだが、捨てるカードがランダムという点がネックとなる。
 
せっかくマナ置きせずにキープした《“魔神轟怒”万軍投》が、ランダムで墓地に落ちてしまっては元も子もない。手札を捨てるにせよ、選んで捨てるカードでなければ安定性がやはり犠牲になる。

《シンカイタイフーン》《旋風大好き ツルギーオ》《*/零幻ルタチノ/*》のような「1枚引いて1枚捨てる」カードは、《一なる部隊 イワシン》との組み合わせで《“魔神轟怒”万軍投》を同じく3ターン目に打てるようになる。
 
だが、これらは3種類12枚積めるとしても《一なる部隊 イワシン》は4枚しか積めないため、安定性の問題は結局のところ解決しない。
 
ならばどうするか？

そう、選んで2枚捨てればいいのだ。
 
《戦略のD・H アツト》《【問2】ノロン⤴》は《一なる部隊 イワシン》に頼らず、単体で手札から2枚のカードを捨てることができるため、3ターン目に火マナを浮かせた状態でこれらを出せば、それだけで《“魔神轟怒”万軍投》を唱えられる。
 
もちろん《“魔神轟怒”万軍投》を引き込めるかどうかに関わるため《一なる部隊 イワシン》自体をデッキから手放すことはできないが、しかし「引かなくても大勢に影響はない」構成にすることで、要求値を引き下げることが可能となるのだ。
 
「3色とか要求値もっと上がってんじゃねーか！」というツッコミが頭をよぎった方は正常なデュエマ脳の持ち主だが、そもそも「最速」を諦めた段階でタップインをある程度許容できるようになっているので、頑張ってタップイン祭りでぶん回そう。
 
というわけで完成したこちらが今回のデッキ、「万軍投ミッツァイル」だ！
 
『万軍投ミッツァイル』

このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
 

さて、いかがだっただろうか。
 
《”魔神轟怒”万軍投》が収録されている「必殺!! マキシマム・ザ・マスターパック」は、10月19日(土) に発売予定だ。

また、来週発売のコロコロコミック11月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
 
ではまた次回！

ライター：まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている（が、上記のような理由で大体失敗する）。

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