By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターの大久保です。
先週末にはいよいよ10月4日(金)に発売される新セット『エルドレインの王権』の収録カードがすべて公開されました!(※カードリストはこちら)
緑のデッキが活躍する環境になるのであればまず使われるであろう超強力クリーチャーの《探索する獣》や、新メカニズム「出来事」によって《分散》相当の呪文能力を持ちつつ、本体も3マナ3/1瞬速・飛行と及第点以上の性能を持った《厚かましい借り手》など、シンプルに強いことしか書いてないカードが多いセットという印象です。強いことしか書いてないカードは強い傾向にあるのじゃ(強いため)。
他にもこのセットでフィーチャーされている新メカニズム「食物」や伝説のアーティファクトサイクル各種など、専用デッキを組めば化けるかもしれないカードも盛りだくさんで、デッキの創造意欲が駆り立てられますね。
そんなわけで、今回は海外の有名なマジックの情報サイト「MTGGoldfish」(※リンク先は外部サイト)より、注目の新デッキをご紹介していきます!
マルドゥ騎士
「MTGGoldfish」は様々な記事や動画といったコンテンツと、膨大な数のデッキリストが掲載されているアメリカの超有名マジック情報サイトです。日本のプレイヤーからは「金魚」の俗称で呼ばれることも多いですね(Goldfish=金魚)。「○○のリストってもう出てる?」「金魚に載ってるよ」みたいな。マジックプレイヤー以外の方が聞いたらシュールな会話かもしれません。
マジックは情報戦が重要なゲームでもあるため、こうした情報サイトの存在は非常に価値が高いです。そのため名だたる強豪たちやプロプレイヤーからも愛好されており、そうした超上級者の投稿したデッキリストを見ることもできます。
今回本記事でご紹介するのも、アメリカの強豪プレイヤーであるベン・フリードマン/Ben Friedman氏の考案した新スタンダード環境のデッキ、「マルドゥ騎士」です。さっそくデッキリストを見ていきましょう!
※赤字は『エルドレインの王権』の新カード。
マルドゥ騎士(使用者:ベン・フリードマン選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
2 | 《熱烈な勇者》 |
4 | 《漆黒軍の騎士》 |
4 | 《尊い騎士》 |
4 | 《死体騎士》 |
4 | 《鼓舞する古参》 |
4 | 《恋に落ちた剣士》 |
4 | 《評判高い挑戦者》 |
4 | 《残忍な騎士》 |
3 | 《鋼爪の槍》 |
1 | 《忠誠の円環》 |
3 | 《議事会の裁き》 |
4 | 《血の墓所》 |
4 | 《神無き祭殿》 |
1 | 《山》 |
1 | 《平地》 |
4 | 《聖なる鋳造所》 |
1 | 《沼》 |
2 | 《静寂の神殿》 |
2 | 《凱旋の神殿》 |
4 | 《試合場》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
4 | 《強迫》 |
2 | 《ショック》 |
2 | 《溶岩コイル》 |
2 | 《黒き剣のギデオン》 |
2 | 《実験の狂乱》 |
2 | 《復讐に燃えた血王、ソリン》 |
1 | 《屈辱》 |
アーサー王伝説をフィーチャーしている『エルドレインの王権』には、これでもかというほど「騎士」クリーチャーが収録されています。今回ご紹介するのはそんな7人の侍ならぬ30人の騎士デッキです。円卓の騎士にしては随分多いな。
こうしたクリーチャータイプをフィーチャーしたデッキを「部族デッキ」と呼ぶことがありますが、部族デッキにとって最も重要と言っても過言ではない存在が「ロード」と呼ばれる種類のクリーチャーです。たとえばこのデッキに入っている《鼓舞する古参》のように、騎士クリーチャーをサイズアップさせるようなカードのことで、マジックの世界ではたびたびこうしたロード能力を持ったクリーチャーカードが収録されます。マーフォークやゴブリンなどもロードの多い部族として有名ですね。
一見して地味にも見える+1/+1という修正値ですが、これがなかなか侮れません。《鼓舞する古参》が1体でも戦場に出ていれば、それだけで騎士クリーチャーを戦闘で打ち取りにくくなりますし、クロックも飛躍的に速くなります。まして《鼓舞する古参》が数体並ぶような盤面になると戦況は大きく傾きますし、部族デッキはこうしたロードクリーチャーをどれだけ引くことができるかがゲームの勝敗に直結しやすいと言えるでしょう。
つまり、《鼓舞する古参》を探すことのできる《評判高い挑戦者》のようなクリーチャーも強力というわけです。《民兵のラッパ手》のように更地の盤面からクリーチャーを展開できるような強さはありませんが、代わりに探すことのできるカードの範囲も広がっており、戦況に応じて《鋼爪の槍》のような装備品や《忠誠の円環》のようなエンドカードを引っ張ってくることもできるのです。
《忠誠の円環》は初めて見たときは「6マナのエンチャントはさすがに重いよなぁ」と思ったものですが、そうした重さをカバーするためのマナコスト軽減能力を持っているので、こうしたデッキであれば最速で3ターン目に唱えることもできます。戦場に出てしまえばもう冗談のような強さで、部族を問わないロード能力に加えて騎士トークンを生成する能力も持っており、一騎当千の戦力を得るに等しい強さを見せてくれます。
今回ご紹介した以外にも様々な騎士カードが収録されているため、騎士デッキ一つ取ってもチューンナップの余地は大いに残されていそうです。もちろん今後は騎士以外のデッキもたくさん出てくるでしょうし、これからの動向も楽しみですね。みなさんもぜひ新しい環境のデッキを組んでみましょう!
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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