By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
いよいよ本格的に『エルドレインの王権』のプレビューが開始されました。『バトルボンド』初出の双子のプレインズウォーカー・ウィル&ローアン・ケンリスや、『基本セット2015』以来の登場となるガラクといったプレインズウォーカーも登場しています。
《王家の跡継ぎ》は史上初となる2つのプレインズウォーカータイプを持ったプレインズウォーカーです。初期忠誠度5に加えて盤面の状況に応じて使い分けられる2つの[+1]能力は非常に強力で、新環境の青赤系のコントロールデッキで採用される可能性があります。4枚積んだ場合でも1つ目の能力で2枚目以降をディスカードできるので、なかなか便利ですね。
《呪われたガラク》も6マナのプレインズウォーカーなだけあってボードアドバンテージを稼ぐ力が高く、2ターン程度生き残るだけでも戦況をひっくり返す力を持っています。どちらも『エルドレインの王権』リリース以降の環境の中心カードになりそうですね。
慣例的にはいよいよ来週末に全容が明らかとなるはず。どんなカードがリリースされるか楽しみですが、今回はローテーション後のスタンダード環境でも有力なデッキをご紹介していきましょう。
日本選手権2019
『エルドレインの王権』発売とともに、スタンダードでは『基本セット2019』『イクサラン』『イクサランの相克』『ドミナリア』の4セットが使用不可能になり、『ラヴニカのギルド』『ラヴニカの献身』『灯争大戦』『基本セット2020』に加えて『エルドレインの王権』の5セットのみの新環境がスタートになります。
これによってスタンダードのカードプールはほぼ半分になり、環境は大きく変化することが予想されます。たとえば現在スタンダード環境のトップメタデッキの一つである「ケシスコンボ」(vol.25参照)などは、キーカードの《モックス・アンバー》や《精励する発掘者》(どちらも『ドミナリア』)などがローテーションによって姿を消すことになるため、環境からは見なくなることでしょう。
しかしながら、一部のデッキはほんの少しだけカードを入れ替えるだけでローテーション後も生き残ることが可能です。たとえば先週、東京・立川で開催されていた「日本選手権2019」の上位入賞を果たしていたこのデッキなどは、新環境でも注目のデッキとなりそうです。
ボロスフェザー(使用者:渡邊 崇憲選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
7 | 《平地》 |
3 | 《山》 |
4 | 《聖なる鋳造所》 |
4 | 《断崖の避難所》 |
4 | 《凱旋の神殿》 |
4 | 《アダントの先兵》 |
4 | 《戦慄衆の秘儀術師》 |
4 | 《第10管区の軍団兵》 |
4 | 《贖いし者、フェザー》 |
3 | 《軍勢の戦親分》 |
4 | 《果敢な一撃》 |
4 | 《神々の思し召し》 |
4 | 《無謀な怒り》 |
4 | 《ショック》 |
2 | 《戦いの覚悟》 |
1 | 《防護の光》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《暴れ回るフェロキドン》 |
2 | 《啓蒙》 |
3 | 《不可解な終焉》 |
2 | 《丸焼き》 |
2 | 《溶岩コイル》 |
3 | 《黒き剣のギデオン》 |
こちらは新潟の強豪プレイヤー、渡邊 崇憲選手が選んだボロスフェザーというデッキです。渡邊選手は東北~日本海側のマジックプレイヤーが集まるチーム「Onogames」の中心人物で、昨年末に開催された「The Finals 2018」という大型トーナメントの優勝者でもあります。
そんなボロスフェザーはその名の通りボロス(白赤)カラーで構築されたデッキで、その名を関する《贖いし者、フェザー》をキーカードとしたアグロデッキです。
能力は文章が長いのでちょっと分かりにくいですが、意味するところは要するに「《フェザー》がいる限り自分のクリーチャーを対象にした呪文は使い放題」ということです。これによって《果敢な一撃》を使いまわして手札を増やしていったり、《神々の思し召し》を使いまわして自分のクリーチャーを守ったり、《戦いの覚悟》を使いまわして盤面を増強したりといった動きが可能です。
いずれもリミテッドカードっぽさが漂いますが、実際に使ってみると嘘のような強さだったり。デッキに採用されている《第10管区の軍団兵》や《戦慄衆の秘儀術師》といったクリーチャーもこれらのコンバットトリックと相性が良いですし、意外と馬鹿にならないのがおもしろいところです。
そして、このデッキのカードはそのほとんどがローテーション後も残ります。もちろん一部のカードはローテーションで姿を消すことになりますが、『エルドレインの王権』で新カードも加わるので、問題はないでしょう。新環境ではボロスフェザーの天下になるのか、あるいは新デッキが活躍することになるのか……今から期待が高まります。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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