By まつがん
いよいよ待ちに待った超天篇第2弾、「青きC.A.P.と漆黒の大卍罪」が発売となった。
デッキ構築意欲をかき立てるカードが目白押しの今弾だが、なかでも最注目のカードといえば、やはりこいつだろう。
《Wave All ウェイボール》。
わずか2マナという圧倒的な軽さを誇る水文明のマスターカード。各ターン最初に自分が呪文を唱えたときにGR召喚するという、シンプルかつ強力な能力を持っている。
では、この《Wave All ウェイボール》をうまく使うためにはどうすればいいだろうか?
まず初めに考えつくのは、「このカードで最速でGR召喚できるのは何ターン目か」という点である。
《Wave All ウェイボール》を2ターン目に出せたとしても、普通のデッキではそのターンはそのままターンエンドするしかない。けれどもそこで、どうにかして2ターン目にすぐGR召喚できないものだろうか?
それを可能にするのが《シンクロ・スパイラル》だ。1ターン目に1マナのクリーチャーを出し、2ターン目に《Wave All ウェイボール》を出せば、そのままそれらをタップすることでこれを唱え、GR召喚することが可能となる。
さらにその1マナクリーチャーが《アクア・ティーチャー》だったなら、超GRをバニラで固めておく (参照: VANILLAAA・ミッツァイル) ことで、手札補充まで可能となる。
だが、冷静に考えてみると。
確かにこの動きは最速であるにせよ、それ以外のパターンではマナを使わずに呪文が唱えられる《シンクロ・スパイラル》でマナが余った場合、そのマナをまた呪文に注いだとしても、同一ターン中は《Wave All ウェイボール》でGR召喚することはできない。
それに、せっかく大量に展開できるGRクリーチャーたちをあえてバニラに限ってしまうというのでは、いくら大量にカードが引けるにしても、結果として盤面のスケールを制限することとなってしまう。
必要なのは「最速で動く」ことではなく、「勝つ」ことだ。
もちろん大抵の場合は「最速で動く」ことが「勝つ」ことにつながりやすいのだが、こと《Wave All ウェイボール》を使う場合に関しては、どんなに頑張っても1ターンに1回しかGR召喚できない以上、「最速で動く」ことが必ずしも「勝つ」ことに貢献しないように思われた。
では、どうすれば《Wave All ウェイボール》の能力を「勝つ」ことにつなげられるだろうか?
《ダイヤモンド・ソード》で《Wave All ウェイボール》も一緒に攻撃させればいいというゴリラも考えたが、いまいち《Wave All ウェイボール》をうまく使えている気がしない。
そこで私が考えたのは、《Wave All ウェイボール》の「1ターンに1回しかGR召喚できない」という制限を突破できる呪文を使えばいいのではないか?というものだった。
そんなことが可能なのか?と思われるかもしれない。
だが、可能なのだ。
そう、ターンを得る呪文を使えばいい。
《無双と竜機の伝説》で追加ターンを得れば、《Wave All ウェイボール》の「各ターン」という制限をリセットすることができる。ついでに召喚したGRクリーチャーを攻撃に向かわせることもできるようになって一石二鳥だ。
しかし《無双と竜機の伝説》にも弱点があった。それは「追加ターンの間は唱えることができない」ために連打ができないという点だ。
《無双と竜機の伝説》自体は7マナの呪文であり、これを素打ちするとなるとそのターン中に追加で他のアクションをとることはほとんどできない。ならば《Wave All ウェイボール》がいる状況でこれを唱えて追加ターンを得たとしても、7マナでスピードアタッカーのGR召喚をしたのとほぼ同じという結果だけで終わってしまう。
何とかして《無双と竜機の伝説》を重ねて、大きなバリューを得ることができないだろうか?
そう考えた私は、やがて一つの結論にたどり着いたのだった。
そう、相手のターン中に《無双と竜機の伝説》を唱えればいいのだ。
追加ターンはそのターンの直後に追加される (総合ルール500.5) ので、《ウォーター・イン・ザ・ダーク》から 《無双と竜機の伝説》を唱えた場合、「追加ターン→本来の自分のターン」という順でターンが回ってくることになる。
ここで「本来の自分のターン」は追加ターンではないため、7マナで再び《無双と竜機の伝説》を唱えることができ、結果として連続3ターンを堪能することができるようになるのだ。
もちろん《ウォーター・イン・ザ・ダーク》で《無双と竜機の伝説》がめくれるかどうかは運次第だが、手打ちしても強力な追加ターン呪文がS・トリガー次第でさらに強力になるというのは、かなり魅力的なオプションではないだろうか。
そんなわけでこれが今回のデッキ、「エターナル・ウェイボール」だ!
『エターナル・ウェイボール』
《Wave All ウェイボール》 | |
《イェーガー a.k.a. 噴射》 | |
4 | 《知識と流転と時空の決断》 |
《ベイビー・バース》 | |
《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》 | |
《ウォーター・イン・ザ・ダーク》 | |
4 | 《ドレミ団の光魂Go!》 |
4 | 《無双と竜機の伝説》 |
1 | 《オリオティス・ジャッジ》 |
1 | 《失われし禁術の復元》 |
1 | 《ホーガン・ブラスター》 |
1 | 《ポジトロン・サイン》 |
1 | 《龍素知新》 |
1 | 《超次元ガロウズ・ホール》 |
1 | 《英知と追撃の宝剣》 |
1 | 《目的不明の作戦》 |
超GRゾーン | |
2 | 《C.A.P. アアルカイト》 |
2 | 《C.A.P. カイト》 |
2 | 《ホッテ・ホッタ》 |
2 | 《シェイク・シャーク》 |
2 | 《硬直 TL-20》 |
2 | 《パス・オクタン》 |
超次元ゾーン | |
1 | 《勝利のリュウセイ・カイザー》 |
1 | 《勝利のガイアール・カイザー》 |
1 | 《勝利のプリンプリン》 |
1 | 《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》 |
1 | 《激天下!シャチホコ・カイザー》 |
1 | 《シルバー・ヴォルグ》 |
1 | 《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》 |
1 | 《時空の賢者ランブル》 |
『パラディソバース』でも使った《ベイビー・バース》は、《Wave All ウェイボール》の登場によって大きく株を上げた1枚だ。
また《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》も、《知識と流転と時空の決断》の登場によって再びよく見ることになりそうなカードである。《Wave All ウェイボール》を使いたいなら常に選択肢に入るパッケージだ。
一見手薄に見える守りだが、《Wave All ウェイボール》が複数体並べば《C.A.P. アアルカイト》のターン強制終了能力で相手の攻撃は無効化できる。超GRには《パス・オクタン》もいるので、なかなか突破されにくい構えと言えるだろう。
このように超天篇第2弾、「青きC.A.P.と漆黒の大卍罪」はマスターカードが強力なことはもちろん、様々なコンセプトを自由に実現できるセットとなっている。ぜひともチェックしてみて欲しい。
???「Wave Wave Wave!!《Wave All ウェイボール》はそんな回りくどいことしなくてもテキトーに使っても強いんだから、相手のターンに《無双と竜機の伝説》を打つとか意味不明なデッキでデュエマをハックしようとしてるんじゃないよ!」
そ、その声は!?
Wave a.k.a. デッドマン!!(なぜヒゲダンス……?)
デッドマン「そんなことよりオレが持ってきた新カードで遊んでWave!!」
はたしてウェイなデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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