By ドブフクロウ
みなさんこんにちは、MtGライターのドブフクロウです。
先週末にはマジックフェスト・台北2019と『モダンホライゾン』のプレリリースが開催されました。みなさんの中にはこのどちらかに参加してきたよ!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に『モダンホライゾン』はまだ正式リリースはされていないものの、現実世界に先駆けてMagic Online上では実装されています。すでに世界中のプレイヤーたちが様々なデッキを試作して楽しんでいるようですが、どうやらモダン環境はこれから荒れそうな予感ですね……。
This is game 1 on my turn 1. pic.twitter.com/d8wibzSgSd
— Tom White (@McWinSauce) June 11, 2019
これは1ターン目にプレイした《縫い師への供給者》を《屍肉喰らい》で生け贄に捧げ、《搭載歩行機械》を「X=0」で唱える+墓地から《墓所這い》を唱えて《復讐蔦》の能力を誘発させ、《甦る死滅都市、ホガーク》を叩きつけられた場面……でしょうか? ツイート主のツイートを見るに、対戦相手の先攻第2ターン目の動きのようですね。手札にある《安らかな眠り》が哀愁を誘います。間に合ってない……!
「ゾンビヴァイン」とでも名付けるべきこのデッキも気になるところですが、『モダンホライゾン』では他にも数多くのデッキの中核を成しそうなカードが収録されているため、今後さらに新しいデッキが出てくることでしょう。
まだカードリストに目を通せていないという方は、ぜひ一度チェックしてみてください。妄想が捗る素晴らしいセットなので、これを機にモダンに参入するプレイヤーも増えそうですね。
さて、『モダンホライゾン』のリリースも気になるところですが、今回は先週末に台湾で開催されたマジックフェスト・台北2019の結果からデッキリストを見ていきましょう。
マジックフェスト・台北2019
1000名以上のプレイヤーが参加したマジックフェスト・台北2019では、現スタンダード環境の全容が明らかとなりました。
Here is the full #MTGTaipei Day 2 metagame breakdown (for all 220 Standard decklists in Day 2).
Gruul Midrange, Bant Ramp, and Esper variants are dominating. pic.twitter.com/zjH7sbs7WF
— ChannelFireball (@ChannelFireball) 2019年6月9日
主催者であるChannel Fireballによると、参加者のおよそ5人に1人は「グルール・ミッドレンジ/Gruul Midrange」を使用していた模様。赤と緑の2色(グルールカラー)で構成され、マナレシオに優れたクリーチャーたちで対戦相手を圧倒するデッキです。
マジックにおいて、20%近くのプレイヤーが選択するデッキというのは文句なしのトップメタと言えます(※ちなみに3割近くなると禁止カードが出てくることもある)。グルールは現在のベストデッキと呼んでも過言ではなさそうです。
しかし気になるのは2位の「バント・ランプ/Bant Ramp」の文字。はて、あまり聞き馴染みのないデッキ名ですが……どうやらこれは『灯争大戦』リリースによって成立したニューカマーのようです。
実際、本大会で圧倒的多数派だったグルールを抑えて優勝を収めたのもバント・ランプだった模様。一体どのようなデッキなのか? さっそく見ていきましょう。
バント・ランプ(使用者:キム・セオク・ヒュン選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
4 | 《繁殖池》 |
4 | 《寺院の庭》 |
4 | 《神聖なる泉》 |
4 | 《内陸の湾港》 |
3 | 《陽花弁の木立ち》 |
2 | 《氷河の城砦》 |
2 | 《森》 |
2 | 《島》 |
4 | 《ラノワールのエルフ》 |
4 | 《楽園のドルイド》 |
4 | 《培養ドルイド》 |
3 | 《ハイドロイド混成体》 |
2 | 《エリマキ神秘家》 |
2 | 《豊潤の声、シャライ》 |
4 | 《時を解す者、テフェリー》 |
4 | 《世界を揺るがす者、ニッサ》 |
3 | 《集団強制》 |
2 | 《幻惑の旋律》 |
1 | 《栄光の終焉》 |
1 | 《不滅の太陽》 |
1 | 《時の一掃》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
2 | 《幻惑の旋律》 |
2 | 《否認》 |
2 | 《不和のトロスターニ》 |
2 | 《切り裂き顎の猛竜》 |
2 | 《狼の友、トルシミール》 |
2 | 《イクサランの束縛》 |
1 | 《不滅の太陽》 |
2 | 《打ち壊すブロントドン》 |
デュエルマスターズなどをプレイされている方なら聞いたことがあるかもしれませんが、ランプデッキとは「緑のマナ加速によって強力なカードをプレイする戦略」を取っているデッキのことを指します。余談ですが、英語の「Ramp up(強める)」が由来となっているらしいです。
このデッキはそんなランプデッキの正統派と言えるでしょう。デッキには3種類12枚ものマナクリーチャーが採用されており、これらによってフィニッシャーの超高速展開が可能になっています。
気になるフィニッシャー枠を見ていきます。この手のデッキはマナを十分に伸ばした後の使い道が一番重要ですが……
このデッキではまず《世界を揺るがす者、ニッサ》がマナ加速兼フィニッシャーを務めます。単純に起動型能力も強く、攻防に渡って強力なプレインズウォーカーなので、対戦相手からしてみれば一刻も早く除去しなければゲームセットという凶悪なカードです。
さらに、もしも《世界を揺るがす者、ニッサ》が生き残ったままターンが帰ってくれば、その常在型能力の恩恵を受けて得た莫大なマナを注ぎ込み《ハイドロイド混成体》や《集団強制》で大量のアドバンテージを獲得することが可能です。
特に《集団強制》は決まれば一撃必殺。クリーチャーだけでなくプレインズウォーカーのコントロールを奪うこともできるので、環境のどのようなデッキに対しても完全に腐ることはほとんどありません。
当たり前の話ではありますが、マナコストの重いカードはその分強力にデザインされていることが多いです。ランプデッキではそんな高いマナ域のカードを存分に使い倒すことができ、圧倒的なパワーで対戦相手をねじ伏せることができます。日常の中でストレスが溜まっている方などは、ぜひ一度デカブツで対戦相手を蹂躙してみてはいかがでしょうか?
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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