By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
今週末にはマジックフェスト・横浜2019(モダン)が開催されますね。この記事をご覧の方の中には、当イベントに参加する予定だという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この連載でも何度かご紹介しましたが、マジックフェストはどなたでも自由に参加できるオープンイベントです。目玉は数千人が集まり賞金やミシックチャンピオンシップへの出場権利を奪い合うマジックフェスト本戦ですが、「そこまでガチのトーナメントに参加するのはハードルが高い」といった方でも、サイドイベントへの参加やベンダーブースでの買い物で気軽に楽しめます。
マジックの美麗なアートを手掛けるアーティストたちのサイン会が開かれていることもあり、マジック好きなら見て遊んで楽しめる最高のお祭りです! お近くにお住まいの方はぜひ足を運んでみては?
また、このマジックフェスト・横浜2019の翌週以降には『灯争大戦』プレリリース&ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019があり、とにかくこの春はイベントが目白押しです。ゴールデンウィークも間近なことですし、令和元年からガンガンマジックで遊んでいきましょう!
さて、今週はトロントで行われたマジックフェストの結果から、モダンフォーマットのデッキを見てきましょう。
マジックフェスト・トロント2019
先週末にはカナダのトロントにてマジックフェスト・トロント2019(モダン)が開催されました。今週末にマジックフェスト・横浜2019を控える日本人およびアジアのプレイヤーにとっては非常に結果が気になる大会です。
モダン環境は最近再び目まぐるしい変動を迎えており、『ラヴニカのギルド』で《弧光のフェニックス》を得たことでデッキが成立し、一躍トップメタへと躍り出た「青赤フェニックス」をはじめとして、ここ数年幅を利かせている「5色人間」や「ドレッジ」などコンボやアグロが活躍する比較的速い環境となっています。
しかし、そんな中でもオモシロデッキを愛するマジックプレイヤーはいるもの。特に広大なカードプールを擁するモダンフォーマットはデッキビルダーやロマン派のプレイヤーを決して飽きさせることはありません。トロントの地でも少し変わったデッキを使用して上位入賞を果たしているプレイヤーがいたようです。
《発明品の唸り》プリズン(使用者:ジャクソン・フラナガン選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
1 | 《アカデミーの廃墟》 |
4 | 《空僻地/Glimmervoid》 |
1 | 《イプヌの細流/Ipnu Rivulet》 |
1 | 《島/Island》 |
4 | 《産業の塔/Spire of Industry》 |
1 | 《地盤の際/Tectonic Edge》 |
4 | 《トレイリア西部/Tolaria West》 |
1 | 《発明博覧会》 |
4 | 《植物の聖域》 |
4 | 《溶接の壺》 |
4 | 《古きものの活性》 |
4 | 《オパールのモックス》 |
4 | 《虚空の杯》 |
4 | 《発明品の唸り》 |
4 | 《罠の橋》 |
4 | 《ミシュラのガラクタ》 |
2 | 《魔術遠眼鏡》 |
3 | 《仕組まれた爆薬》 |
1 | 《減衰球》 |
1 | 《世界のるつぼ》 |
1 | 《瓶詰めの回廊》 |
1 | 《魔女封じの宝珠》 |
1 | 《黄鉄の呪文爆弾》 |
1 | 《トーモッドの墓所》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
1 | 《墓掘りの檻》 |
2 | 《魔術遠眼鏡》 |
1 | 《太陽のしずく》 |
1 | 《倦怠の宝珠》 |
1 | 《ギラプールの霊気格子》 |
2 | 《練達飛行機械職人、サイ》 |
2 | 《ボーラスの工作員、テゼレット》 |
1 | 《求道者テゼレット》 |
4 | 《呪文滑り》 |
今回ご紹介するのはこちらのデッキ。いわゆる「プリズン/Prison」と呼ばれるタイプのデッキですね。その名の通り対戦相手を牢屋に閉じ込めるかのごとく行動を封じ込め、抵抗できない状態に持ち込むのがこのデッキの目標です。
マジックの世界には1万をゆうに超えるカードの種類があり、中には特定の戦略を全否定するような凶悪なカードも数多く存在しています。往々にしてそういった強力なカードは該当する「特定の戦略」以外の勝ち筋を持ったデッキに対しては役立たずなため、通常はサイドボードに控えているものですが、このデッキではそんな《魔女封じの宝珠》や《瓶詰めの回廊》といったカードをメインボードから採用しています。
そんな無茶な構築を可能にしているのが《発明品の唸り》というカード。これによってデッキに1枚しか採用していないカードを探し出すことができます。こうした戦略のことを「シルバーバレット戦略」と呼ぶのですが、このデッキではそんなシルバーバレット戦略を綺麗にデッキリストに落とし込んでいます。
▲発明品の唸り
そもそもなぜシルバーバレットなのかって? 西洋では、狼男や悪魔といった人間を脅かす怪物への対抗策として銀の弾丸が有効だと言われ、困難な状況に打ち勝つための特効薬のような存在を「シルバーバレット」と呼びます。このことから、1枚挿しのキラーカードをサーチする戦略をそう呼称するようになったらしいですよ。
また、《アカデミーの廃墟》で《仕組まれた爆薬》や《黄鉄の呪文爆弾》を使い回すことも可能です。デッキの性質上アーティファクトが大量に採用されているので、こうした一見地味ながらも決められると非常にウザいシナジーも満載なのがこのデッキのおもしろいところ。うまく対戦相手を絡め取ることができれば完封勝利も目指せるでしょう。友達をなくさない程度に対戦相手の行動を縛り、容量用法を守って楽しくマジックを!
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。