By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先週に発売したコロコロコミック4月号はもう入手されただろうか?
こちらには超GRゾーンをすぐに体感できるデッキ、すなわち40枚+12枚で計52枚ものデュエル・マスターズのカードが付録として付いてくる。
それだけでお買い得なことはもちろん、ここでしか手に入らないカードも封入されているため、この機会を逃さずにぜひ購入してみて欲しい。
さて、先週末には超GRスタートデッキ「ジョーのガチャメカ・ワンダフォー」と「キャップのオレガ・オーラ・デリート」も発売し、いよいよデュエル・マスターズの新時代こと超天篇が幕を開けた。
今月末には超天篇第1弾、「新世界ガチ誕!超GRとオレガ・オーラ」が発売となる。
新しいカードが出るということは、つまり新しいデッキを作るべき時が来たということ。なぜなら新しいカードの登場により、これまで日の目を見てこなかったカードたちにも光が当たるようになるかもしれないからだ。
では新しいデッキを作るとして、一体どんなカードからデッキを作り始めるべきだろうか?
私が思うに、発想の入り口として最も簡単なのは「8枚になったカードはないか?」という考え方だ。
カードの代替性については「もしもデュエマが4枚制限ではなかったなら」というvol.4-1で語ったところである。デュエル・マスターズで同一の機能を持つカードが8枚積めたなら、デッキの安定性は飛躍的に向上する。ゆえに「8枚になったカードはないか?」という問いを立てることで、「新カードの登場によって安定性が大幅に向上したコンセプト」を見出すことが可能になるのである。
となれば、超天篇第1弾の登場によって8枚になったカードを探せばいい。
というわけで、今回使うのは先月末にチラ見せで登場したこのカードだ。
《闘門の精霊ウェルキウス》。
「ブロッカー」を持ってさえいればどんなクリーチャーでも踏み倒せるこのカードは、歴代の大型「ブロッカー」持ちクリーチャーの中でも屈指の連鎖力を持っている。なぜなら、《闘門の精霊ウェルキウス》はその能力で自身をもう一体出すことも可能だからだ。
この点は自身を出せない《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》や踏み倒し先が運任せになる《神業の精霊ムルジム》の能力とは一線を画している。踏み倒し先の広さと確実性という点では、《闘門の精霊ウェルキウス》は《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》や《神業の精霊ムルジム》のほぼ上位互換と言っていいだろう。
そして、《闘門の精霊ウェルキウス》がこれらのクリーチャーに近い能力を持っているということは。
当然《ヘブンズ・ゲート》の出番だ。
そう、《闘門の精霊ウェルキウス》の登場は「ブロッカー連鎖」というコンセプトをより確実なものへと進化させた。
これまでは《ヘブンズ・ゲート》がトリガーしたとき、《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》や《神業の精霊ムルジム》だけでは十分な数のブロッカーを連鎖させることは難しかった。だが手札補充もできる《闘門の精霊ウェルキウス》なら、そこからさらに《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》や《神業の精霊ムルジム》につなげて大量のブロッカーを並べることが可能になるのだ。
だが、このコンセプトには一つだけ問題があった。それは《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》の能力が《闘門の精霊ウェルキウス》や《神業の精霊ムルジム》につながらない、一方通行の連鎖であるという点だ。
せっかく《闘門の精霊ウェルキウス》から《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》につなげても、そこからのドローが《闘門の精霊ウェルキウス》や《神業の精霊ムルジム》だったなら、ブロッカーの連鎖はストップしてしまう。
つまりここで必要なのは、一方通行の連鎖を双方向のものへと転換できるカード。すなわち、「《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》から出せて《闘門の精霊ウェルキウス》や《神業の精霊ムルジム》を出せるクリーチャー」だ。
だが、光の7マナ以下のクリーチャーで《闘門の精霊ウェルキウス》や《神業の精霊ムルジム》を出せる……そんな都合の良いカードが、はたして存在するのだろうか?
いた。《真実の名 タイガー・レジェンド》だ。
《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》《闘門の精霊ウェルキウス》《神業の精霊ムルジム》を搭載したデッキなら、ガチンコ・ジャッジの期待値はかなり高い。うまくいけば複数体のブロッカーを一気に並べることもできるので、ここからまた新たな連鎖が起こることも期待できる。
完璧だ……《闘門の精霊ウェルキウス》は、「ブロッカー連鎖」の新たな道を切り拓いた。あとはデッキを作るだけだ。
とはいえ、ここまで読んだ皆さんならば。私がある一点の瑕疵を密かにスルーしていることに気が付かれたかもしれない。
それは、肝心の《ヘブンズ・ゲート》はデッキに8枚入れられないのではないか?という点だ。
確かに《闘門の精霊ウェルキウス》が出れば途切れることのないブロッカー連鎖が実現するかもしれない。だがそのためには、「最初の《闘門の精霊ウェルキウス》をどうやって着地させるか」という点が課題となる。そしてその答えは今のところ、たった4枚の《ヘブンズ・ゲート》しか用意されていないのだ。
この点、《星門の精霊アケルナル/スターゲイズ・ゲート》は確かに解答となりうる。しかしS・トリガーがないのはやはり不安だ。たった4枚の《ヘブンズ・ゲート》がシールドに埋まっていなければ、このデッキは相手に好き放題殴られるだけの単なる光るマグロと化してしまう。
そう、「ブロッカー連鎖」というコンセプトが真に実用的なものとなるためには、「《ヘブンズ・ゲート》も8枚搭載できていなければならない」のだ。しかしもちろん、これだけの強力な効果を持つカードに2種類目があるはずもない。
「詰み」……そんな言葉が頭をよぎる。だが、《ヘブンズ・ゲート》の2種類目は本当に存在しないのだろうか?
確かにS・トリガーでブロッカーを一度に2体も出せる《ヘブンズ・ゲート》ほどの効果を持つカードはこの世に存在しないかもしれない。だがここで必要なのはあくまで、「S・トリガーで《闘門の精霊ウェルキウス》を出せるカード」だ。2体を出すことはできなくても、そこから《真実の名 タイガー・レジェンド》につながればどうせ手札のブロッカーは概ね全部出せるのである。ならば、厳密に《ヘブンズ・ゲート》である必要はない。
否、光のカードである必要すらもないのだ。
毎回こればっかじゃねーかそう、《ミステリー・キューブ》だ。
これこそが2種類目の《ヘブンズ・ゲート》だった。ランダムを見なかったことにするデュエル・マスターズ2のやりすぎで頭がおかしくなったか?と思われるかもしれない。だがこのデッキにおいては、「《闘門の精霊ウェルキウス》 or 《神業の精霊ムルジム》→《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》→《真実の名 タイガー・レジェンド》→《闘門の精霊ウェルキウス》 or 《神業の精霊ムルジム》→……」という双方向の連鎖が完成したことで、これらのうちのどれがめくれても構わない状態になっているのである。
そして当たりが16枚もある《ミステリー・キューブ》ならば、それはすなわち大体50%くらいは《ヘブンズ・ゲート》と一緒ということだ。したがって《ミステリー・キューブ》≒《ヘブンズ・ゲート》、Q.E.D.。
かくして《闘門の精霊ウェルキウス》を主軸とする「ブロッカー連鎖」デッキがついに完成したのである。
というわけでこれが今回のデッキ、「ブロッカー天国」だ!
『ブロッカー天国』
《ミステリー・キューブ》 | |
《ヘブンズ・ゲート》 | |
《音感の精霊龍 エメラルーダ》 | |
《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 | |
《真実の名 タイガー・レジェンド》 | |
4 | 《龍聖霊ウルフェウス/ヘブンの衝撃》 |
4 | 《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》 |
4 | 《星門の精霊アケルナル/スターゲイズ・ゲート》 |
4 | 《神業の精霊ムルジム》 |
4 | 《闘門の精霊ウェルキウス》 |
相手が迂闊な攻撃で《ミステリー・キューブ》か《ヘブンズ・ゲート》を踏み抜けば、それだけでいきなり大量のブロッカーを並べることができる。ブロッカー地獄ならぬブロッカー天国へと、対戦相手を招待してあげよう。
その代わり《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》から殴られると自分が天国に行ってしまうわけだが、そのあたりはご愛嬌ということで。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。