▲エピソード1 第3弾「ガイアール・ビクトリー」収録、「熱湯グレンニャー」
最初に考えたのは《熱湯グレンニャー》だった。《メガ・メイキング・ドラゴン》で出すドラゴンの枠を《ボルメテウス・蒼炎・ドラゴン》にすれば青マナもどうにか供給できるからだ。
だが、さすがに青マナが8枚だけでは心もとない。それに2ターン目と4ターン目のマナはアンタップインでなければ生死に関わることから、《熱湯グレンニャー》の採用は見送らざるをえなかった。
とはいえ、だとすれば火文明単色の2マナクリーチャーでカードを引けなければならないことになる。そんなカードがあったら、既に環境デッキで使われているはず……。
……と、このとき私はそんな風に考えていた。しかし、それが思い違いに過ぎないということを、すぐに思い知ることになる。
なぜなら、私は見落としていたからだ。
すべてを投げ打つ覚悟さえあれば、何でもできるのだということを。
シールドは投げ捨てるもの。
そう、単純なドローはなくてもシールドを手札に加えられる2マナクリーチャーならば火文明にも存在しているのだ。
しかも《デッドヒート・メガマックス》を使う時点で真っ当なデュエマをする気は一切ないので、シールドの数が減ろうがどの道気にする必要は全くないのである。
さらに、《斬斬人形コダマンマ》と《花美師ハナコ》にたどり着いたことで、新たな可能性にも気が付くことができた。
それは。
S・バックだ。
そう、《斬斬人形コダマンマ》や《花美師ハナコ》で手札に加えるシールドを捨てれば0マナでクリーチャーを出せるのである。
これによって何が起きるかというと、2ターン目に《花美師ハナコ》+《爆襲 アイラ・ホップ》、3ターン目にチャージなしから《花美師ハナコ》+《爆襲 アイラ・ホップ》と動くことで、なんと先攻3ターン目に《デッドヒート・メガマックス》が打てるようになったのだ。
すなわち3ターン目に《メガ・メイキング・ドラゴン》が降臨するかもしれないのである。これは形にしないわけにいくまい。
というわけで、少し改良したのがこちらの形だ。
『メイキング・メガマックス -下塗り-』
《メガ・メイキング・ドラゴン》 | |
《デッドヒート・メガマックス》 | |
《アクセル・カイザー「迅雷」》 | |
《勝利宣言 鬼丸「覇」》 | |
《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》 | |
4 | 《竜星バルガライザー》 |
4 | 《斬斬人形コダマンマ》 |
4 | 《花美師ハナコ》 |
4 | 《爆襲 アイラ・ホップ》 |
4 | 《デュアルショック・ドラゴン》 |
4 | 《レクタ・アイニー》 |
2 | 《燃えるボルッチ》 |
3ターン目に《デッドヒート・メガマックス》が打てるパターンが増えるよう、《レクタ・アイニー》(ドラゴンがいるとG・ゼロで出せるクリーチャー) まで搭載して超前のめりにしたこのデッキ。
早速一人回ししてみると……。
回らん。
「《斬斬人形コダマンマ》と《花美師ハナコ》でカードが引けるから《デッドヒート・メガマックス》も探せるようになる」って言ってたけど、冷静に考えて引くカードはS・バックで捨てる前提で構築されてるから全然意味なかった。
しかもそれ以上にこのデッキには致命的な欠陥があったのだ。
▲「デュエル・マスターズ ゴールデン・ベスト」収録、「デュアルショック・ドラゴン」
お前《メガ・メイキング・ドラゴン》でめくれるじゃねーか!
ただでさえ身を守るシールドを投げ捨ててまで《デッドヒート・メガマックス》にすべてを賭けているのに、その上《メガ・メイキング・ドラゴン》で《デュアルショック・ドラゴン》をめくるとか自ら服を脱ぎ捨てて勝手に全裸になる変態みたいなものである。DMのMはマゾのMではない。
だが、ここまでの検討を前提にするならば少なくとも《斬斬人形コダマンマ》《花美師ハナコ》+《爆襲 アイラ・ホップ》のパッケージ自体には問題はないはずである。
それでも回らないとするならば……つまり、必要なのはさらなるドローだ。
というわけで、完成したのがこちらのデッキだ。
『メイキング・メガマックス -仕上げ-』
《メガ・メイキング・ドラゴン》 | |
《デッドヒート・メガマックス》 | |
《アクセル・カイザー「迅雷」》 | |
《勝利宣言 鬼丸「覇」》 | |
《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》 | |
1 | 《伝説のレジェンド ドギラゴン》 |
4 | 《王・龍覇 グレンモルト「刃」》 |
4 | 《斬斬人形コダマンマ》 |
4 | 《花美師ハナコ》 |
4 | 《爆襲 アイラ・ホップ》 |
4 | 《爆熱血 ロイヤル・アイラ》 |
4 | 《トツゲキ戦車 バクゲットー》 |
3 | 《シンクロ・チューン》 |
超次元カード | |
4 | 《爆熱剣 バトライ刃(爆熱天守 バトライ閣/爆熱DX バトライ武神)》 |
1 | 《銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ》 |
1 | 《無敵剣 プロト・ギガハート/最強龍 オウギンガ・ゼロ》 |
1 | 《覇闘将龍剣 ガイオウバーン/勝利の覇闘 ガイラオウ》 |
1 | 《闘将銀河城 ハートバーン/超戦覇龍 ガイNEXT》 |
デッキを不安定にする要因だった《デュアルショック・ドラゴン》と《レクタ・アイニー》を3コストのドロー能力付きクリーチャーにすることで、《デッドヒート・メガマックス》へのアクセス確率を上げつつ、4ターン目に4体のクリーチャーが並びやすい構成になった。
とはいえこれでも《デッドヒート・メガマックス》を引かないときは引かないし、そもそも《メガ・メイキング・ドラゴン》がめくれなかったら憤死するので大会などで使うのはおそらく罰ゲームというかデュエル・マゾスターズ略してデュエマゾなのだが、上ブレがすごい「興奮」デッキとしては、まずまずの完成度になったのではないかと思う。
さて、「どうしても《デッドヒート・メガマックス》を使ったデッキを作りたかった」という私のわがままに付き合わせてしまって申し訳ない。
だが、この記事で一番伝えたかったこと。
それは、デッキ構築において「興奮」はすべてに優先するということだ。
「これとこれ組み合わせたらヤバくね?」「運次第だけどめっちゃ楽しいwww」「真面目に作ったらワンチャン可能性あるかも」といった、「興奮」に基づく些細な閃き。
その閃きこそが、まだ見ぬ強力なデッキを生み出すかもしれないのだ。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。