ビックリマン第30回(最終回) 「キミもボクもビックリマン!? 反後さんが31弾に込めた想いとは!?」

ブームというものはいつか収束するもので、当然ビックリマンにもその時は訪れる。ビックリマンはどのように終わりを迎えたのか、「悪魔VS天使」シリーズの始まりから最終31弾まで手掛けた反後さんに聞いてみた!!

ビックリマン第30回(最終回)
「キミもボクもビックリマン!? 反後さんが31弾に込めた想いとは!?」

――8弾、9弾で国民的な人気を獲得して、その後ゆっくりと人気が下降していくわけですが、どのように考えていましたか? いきなり聞きにくいことでスミマセン!!

反後:
それほど悲観的でもなく、ブームが落ち着いてきたかな…という感じでしたね。3年人気が続けば長い方といわれる中で、9弾の時点で4年目をむかえていましたから。24時間、毎日フル回転させていたラインも土日は休めるようになりましたし、やっと楽になったというのが正直なところです(笑)。

――その後も31弾まで、7年間も続いたシリーズですからね。文字通りビックリですよ!

反後:
90年代になり、テレビゲームをはじめ子供たちの遊びが多様化していくなかでビックリマンは本当によくがんばってくれたと思います。

――「悪魔VS天使」シリーズの最後となる31弾ですが、どんな弾だったのでしょう?

反後:
最後なのでストーリーをきちんと閉めたかったという想いが強かったですね。30弾までの戦いがどうなったか、結末を示さなければと思いました。しかし、これまでと同じく40種類以上のシールを収録するのは予算的にきびしい。作れて半分くらいの種類…情報量が多い中でどうするか考えたときに、2枚重ねのシールの1枚目を戦いの風景、2枚目と裏面でその結果を見せることにしました。

(1枚目)      (2枚目)      (裏面)

▲31弾ヘッド、シーラドン帝
▲31弾ヘッド、魔彗ハレーシャーク
▲31弾ヘッド、フックダイルD
▲31弾ヘッド、大聖ユーラ
▲31弾ヘッド、タイタン弁慶
▲31弾ヘッド、スサノオロ士

反後さん:
大日本印刷さんも最後までお付き合いしてくれて本当に感謝しかありません。おかげできちんと終われたと思います。在庫も余らせなかったですし(笑)。

――そうですね! 反後さんに質問! ビックリマンを作っていて、いちばんうれしかったことは何ですか?

反後:
たくさんありますけど、いまパッと思いついたのが、名古屋のお子さんがお便りをくれて、夏休みの課題でビックリマンの自由研究をしているみたいで、そこに自分で考えたストーリーが書いてあったんですよ。この次の弾のお話はこうだろ…みたいな感じで。それは感心しましたね。私の考えたものから影響を受けて、自分で新たにものを考える子が育っているというのはうれしいことです。

――逆に辛かったことや大変だったことは何ですか?

反後:
これもたくさんありますけど(笑)、はじめにも言いましたが、7年も続いたシリーズなんですね。その間、つねにアイデアを出さないといけない。それは大変なことでした。もちろんありがたいことなんですが。ヒットしない辛さもあるのですが、続いていく辛さというのもありましたね。

――たくさんのキャラクターを創出されましたが、反後さんのいちばん印象に残る1枚ってどれですか?

反後:
それは、スサノオロ士ですね。

――スーパーゼウスやヘッドロココじゃないんですね!?

反後:
もちろん、ゼウスやコロロも印象深いキャラクターですが。スサノオロ士はシリーズ最後のヘッドなんですね。長く続いた戦いを終結させ、新たな世界に進んで行くぞ!…という希望を込めたキャラクターなんです。やっぱり最後は希望を持って終わりたいじゃないですか。在庫も出しませんでしたし。

――反後さん、在庫のコトさっきも聞きました(笑)。

ビックリマン伝説シール誕生秘話・完

最後に反後さんからファンの皆さんにメッセージをいただきました!

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反後 四郎(たんご しろう)プロフィール
1949年、熊本出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社ロッテに入社。85年にメインスタッフとして参加した「悪魔VS天使シリーズ」をヒットさせる。当時はコロコロの誌面に「反後博士」として登場した。