By まつがん
いきなりだが、本日発売のコロコロコミック3月号の付録が何だかご存知だろうか?
そう、今月の付録はデュエル・マスターズのカード。しかもそれが、またとんでもない効果となっているのだ。
そのカードとは。
▲2019年月刊コロコロコミック3月号プロモカード、「侵略開始!! にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!」
《侵略開始!! にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》
スマートフォンアプリ「にゃんこ大戦争」とデュエル・マスターズがコラボしたこのカードは、クリーチャー側が13マナ、呪文側に至っては15マナと、双極篇のカードの中でも《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》に次いで最高クラスのマナコストを持ったカードとなっている。
しかもその効果は、コストに違わないド派手なもの。クリーチャー側の《侵略開始!!にゃんこ軍団》はワールド・ブレイカー持ちのスピードアタッカーだし、呪文側の《にゃんこ砲発射!》を唱えることができれば、パワー25000以下のクリーチャーを破壊しながらクリーチャー側の《侵略開始!!にゃんこ軍団》がバトルゾーンに出せるのだ。
ありとあらゆる世界を侵略するにゃんこたちにふさわしいダイナミズムを有するこのカードを使いこなすことができれば、デュエル・マスターズも完全攻略できるに違いない。というわけで今回は早速、このカードを使ったデッキを考えていこう。
さて、特定のカードを柱に据えたデッキを作るときは、まずそのカードが持つ唯一無二性に着目するのが常道である。
その観点から《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》というカードについて考えてみたところ、「ゲームエンド級のクリーチャーである」「ゲームエンド級の呪文である」という点において唯一無二性を主張したデッキが組めないか、という着想を得た。
だが。実際にデッキを作ろうとしてみると、話はそう簡単ではなかった。
何せデュエル・マスターズにおいては「ゲームエンド級のクリーチャー」はごまんといるし、「ゲームエンド級の呪文である」ということに至っては、「バロマノフ・ビッグバン」と同様、またしても例のカードが立ちはだかってしまったからだ。
▲「革命ファイナル 輝け!デュエデミー賞パック」収録、「オールデリート」
《オールデリート》。《禁断 〜封印されしX〜》との組み合わせにより、「唱える= (相手に禁断がなければ) 勝ち」というデュエル・マスターズの中でも最強クラスの呪文となってしまったこのカードは、序盤のマナ加速や中盤にアドバンテージをとるような呪文はともかく、フィニッシャーに分類されるような終盤の呪文については、その唯一無二性を剥奪してしまう危険性をも孕んでいた。
どういうことかというと、《インビンシブル・フォートレス》のように重いけれどもそれなりに派手な効果がある呪文を使おうとすると、「なら《オールデリート》でよくね?」と (少なくともガチの構築では) なってしまうのである。
つまりここにおいて《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》の唯一無二性とは、《オールデリート》と差別化できるものでなければならない。《不夜城艦 クランヴィア》のデッキにおける《ティラノ・リンク・ノヴァ》のように《キリモミ・ヤマアラシ》のマナ源になりつつ5枚目以降の呪文であることを唯一無二のアイデンティティとするという手段もありうるが、少なくともそのデッキにおいては踏み倒しメタが効かない《ティラノ・リンク・ノヴァ》の方が優秀だろう。
そして「《オールデリート》との併用」という逃げ道が塞がれてしまうならば、当然の疑問が浮かんでくる。
はたして《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》に、《オールデリート》にはない唯一無二性なんてものがあるのだろうか?
まさか「12マナ以上の呪文だけをタダ打ちできる」というようなカードはデュエマには存在しないだろう……となると大抵の踏み倒し手段は《オールデリート》をも踏み倒せてしまう。「なら《オールデリート》でよくね?」という禁断の言葉がその先には待ち受けている。
何か、何かないのか。《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》だけを踏み倒せるカードは。
そのように考えたとき。ある意味当然に、私は「その発想」に至ったのである。
まつがん「『火文明の呪文だけを踏み倒せるカード』はないだろうか?」
単純すぎるといえばその通りかもしれない。だが「あるカードAによって《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》と《オールデリート》とが異なる境界条件で峻別される」と仮定したなら、「カードAの能力は『火文明であること』を境界条件に設定している」と考えるのが自然である。
……とはいえ、それが論理的な帰結であるとしても。この時点では私も、そんな都合の良いカードAが存在するとは微塵も信じていなかった。
何せもしそんなカードが本当に存在するなら、《ティラノ・リンク・ノヴァ》や《インビンシブル・フォートレス》といった火文明の高コスト呪文はもっと使われていてもおかしくないはずである。それが使われていないということは、「火文明の呪文だけを踏み倒せるカード」なんてものは結局存在しないのだ、と。
しかし、私はまだ侮っていたのだ。
デュエル・マスターズの17年という歴史が持つ重みと、それによって培われたカードプールの広さを。
▲「フルホイルパック リバイバル・ヒーロー ザ・ハンター」収録、「聖竜ボルシャック・ウルフェウス」
《聖竜ボルシャック・ウルフェウス》。
このカードこそ、《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》の唯一無二性を担保する最高の相棒だった。
なぜなら、このカードで踏み倒せるのは「光または火の呪文」。すなわち、《オールデリート》は踏み倒せないのである。ならば、《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》を使う必然性が出てくる。
あとは進化クリーチャーである《聖竜ボルシャック・ウルフェウス》を可能な限り早くバトルゾーンに出す手段を考えればいい。
そうしてできあがったのがこちらのデッキだ。
『ツインパクトにゃんこ砲』
《侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!》 | |
《レレディ・バ・グーバ / ツインパクト・マップ》 | |
《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》 | |
《コンダマ / 魂フエミドロ》 | |
《龍罠 エスカルデン/マクスカルゴ・トラップ》 | |
4 | 《龍爪者 “SVN” ムソウ/二爪流トレーニング》 |
4 | 《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 |
4 | 《聖竜ボルシャック・ウルフェウス》 |
4 | 《リトルアイズ・グロース》 |
4 | 《ドラグシュート・チャージャー》 |
▲「双極篇 第3弾 †ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」収録、「龍罠 エスカルデン/マクスカルゴ・トラップ」
《龍罠 エスカルデン/マクスカルゴ・トラップ》は、《聖竜ボルシャック・ウルフェウス》の進化元になれる上にマナカーブも綺麗につながるという優秀なカードである。そしてこのカードを搭載するなら、ツインパクト軸の強力なマナブーストをも採用する目途が付いてくる。
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