By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
コモンでこれほどまでに高いスペックだと……?
わずか3マナのスター進化クリーチャーでありながらタップするだけで墓地の呪文やタマシードを回収できるというのは、少なくともコモンのスペックではない。しかも、「ブロッカー」までをも有しているのだ。
というわけで、4月23日(土) に発売予定の王来MAX第1弾「鬼ヤバ逆襲S-MAX!!!」に収録される新カード、《パラディソ <サイクリカ.Star>》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
これについては、「どのようにして呪文/タマシード回収能力を発動させるか」を具体的に想像することが出発点となる。
普通に考えれば、タップした際に能力が発動するのだから、攻撃やブロックを噛ませることになるだろう。そしてブロックは能動的には行えないから、コンセプトとしては「毎ターン攻撃しながら呪文/タマシードを回収する」というのが素直な使い方と言える。
だが、ここで一つの問題が生じる。それは、攻撃したくなくね???というデュエマプレイヤーあるあるの本能だ。
デュエル・マスターズを始めたばかりのとき、私は「殴れるクリーチャーは全部殴ってシールドを割る」ことが正しいと思っていた。だが致命的なS・トリガーを踏んでは逆転され敗北するといった流れを無限に繰り返したことで、「もしかしてこのゲーム、殴らない方がいい場面が結構存在するのでは……?」という学びを得ることができた。
もちろんその上で「殴れるクリーチャーは全部殴ってシールドを割る」ことが一周回って正しくなる瞬間も存在するのが難しいところだが、少なくとも《パラディソ <サイクリカ.Star>》で毎ターン呪文やタマシードを回収するようなニチャリ系デッキにおいては、相手のS・トリガーを発動させてしまうリスクは極力冒したくないというのがプレイヤーの共通認識だろう。
であるならば、ここで必要なのは攻撃せずに《パラディソ <サイクリカ.Star>》をタップする手段。
とはいえ、そんなカードが存在するのか?と思われるかもしれない。だが、それが存在するのだ。
そのカードとは。
失礼しました、画像を間違えました。
今度こそ、そのカードとは。
《カエルB ジャック》。このカードならば《パラディソ <サイクリカ.Star>》を攻撃せずにタップさせることができる。
しかも噛み合っているのが、呪文を唱えるためのコスト軽減としてタップできるという点だ。
これにより呪文が唱えやすくなることはもちろん、唱えた呪文を《パラディソ <サイクリカ.Star>》の効果で即座に回収することが可能なのである。
すなわち、《カエルB ジャック》と《パラディソ <サイクリカ.Star>》が並ぶと同じ呪文を毎ターン唱え続けられる状態になるということだ。
だがそうなると出てくるのが、「何の呪文を毎ターン唱えるのが最強か?」という新しい課題だ。
これについてまず私が考えたのは、「追加ターンを得られる呪文を回収したら最強なのでは???」というものだった。
だが、《無双と竜機の伝説》は追加ターン中に唱えられないので回収はできても連打はできないし、《エンドレス・フローズン・カーニバル》はそもそもいくら《カエルB ジャック》があるとはいってもまともに支払えるコストの限度を超えている。
ならばと《デビル・リンク・タブー》にたどり着いたはいいものの、ディープ・マリーンとグランド・デビルのラインナップを見て絶望したことで行き詰まってしまう。
これらのカードを検討してわかったことは、呪文のマナコストが重すぎると回収コンボの実現性が大きく下がるという点だ。
《カエルB ジャック》と《パラディソ <サイクリカ.Star>》はどちらも3コストなので、呪文のコストはできるなら4~5マナ近辺に抑えたい。
しかし、4マナで追加ターンが取れる呪文などまさか存在するはずもない……と、そう思われた。
だが、存在したのだ。
4マナで実質追加ターンが取れる……そんな魔法のような呪文が。
その呪文とは、そう。
マナだよなぁ、潰してぇのは!?
チアリに消えないインターネットタトゥーの恐ろしさをしつこく植えつけていきつつ、《マナ・クライシス》を毎ターン唱えることができれば、相手は一生そのマナ域から出られないことになるので、ハーフロック状態に持ち込むことができる。
あとはマナが伸びずにうまく動けない相手を尻目に、《カエルB ジャック》のドローで伸ばしたリソースからゆっくりとフィニッシュにつなげればいい。
《パラディソ <サイクリカ.Star>》を安定して運用するには進化元が必要なところ、可能な限り手札を減らさずに展開したいので、《貪欲な若魔導士 ミノミー》は《マナ・クライシス》も探せるためうってつけだ。
《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》は展開すると手札が減ってしまうが、こちらも《マナ・クライシス》を探すことができるし、《貪欲な若魔導士 ミノミー》の当たりにもなるほか、いざとなればドローを進めることもできる。
《地龍神の魔陣》は受け札にもなるマナ加速兼《カエルB ジャック》《パラディソ <サイクリカ.Star>》《マナ・クライシス》のいずれにもアクセスできるという優れものだ。
ただこれだけだと《マナ・クライシス》で止めたマナ域から普通にクリーチャーを横に並べられた場合に文字通りカエルが潰れたような声を出す羽目になってしまうところ、《得波!ウェイブMAX》があれば《マナ・クライシス》と組み合わせることで並んだクリーチャーを一気に対処できて安心となる。
vol.45-1でも紹介した《極楽鳥》はマナ加速しながら《得波!ウェイブMAX》の条件を満たすことができる。
そしてこの《極楽鳥》の存在により、フィニッシャー役は3文明目としてタッチしたカードでも問題ないこととなった。そこで白羽の矢が立ったのが《煌銀河最終形態 ギラングレイル》で、《カエルB ジャック》《パラディソ <サイクリカ.Star>》などで必然的にシステムクリーチャーが横に並ぶデッキであり、かつ唱えればほぼ即勝ちの割りに《カエルB ジャック》との相性が良いためその気になればかなり早期に唱えられるという点が採用の決め手となった。
というわけで、できあがったのがこちらの「パラディソ・クライシス」だ!
『パラディソ・クライシス』
4 | 《ベイB セガーレ》 |
《極楽鳥》 | |
4 | 《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》 |
《貪欲な若魔導士 ミノミー》 | |
4 | 《カエルB ジャック》 |
4 | 《パラディソ <サイクリカ.Star>》 |
1 | 《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 |
4 | 《地龍神の魔陣》 |
4 | 《マナ・クライシス》 |
4 | 《得波!ウェイブMAX》 |
1 | 《生命と大地と轟破の決断》 |
2 | 《煌銀河最終形態 ギラングレイル》 |
2 | 《”魔神轟怒”ブランド》 | 2 | 《全能ゼンノー》 | 2 | 《パス・オクタン》 | 2 | 《愛魂憎男》 | 1 | 《The ジョラゴン・ガンマスター》 | 1 | 《Mt.富士山ックスMAX》 | 1 | 《C.A.P. アアルカイト》 | 1 | 《ジェイ-SHOCKER》 |
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
さて、いかがだっただろうか。
《パラディソ <サイクリカ.Star>》が収録されている王来MAX第1弾「鬼ヤバ逆襲S-MAX!!!」は、4月23日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック5月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.44バックナンバー | |
デュエマ妄想構築録 vol.44-1 ~火単許すまじ!シールド・プリズン!!~ | |
デュエマ妄想構築録vol.45バックナンバー | |
デュエマ妄想構築録 vol.45-1 ~マナだよなぁ、潰してぇのは!ザビ・ミラ・クライシス!!~ | |
デュエマ妄想構築録 vol.45-2 ~超絶耐久!ムルムル・アガピトス!!~ | |
デュエマ妄想構築録 vol.45-3 ~軽量スター進化!《パラディソ <サイクリカ.Star>》登場!~ |