デュエマ妄想構築録 vol.43-4 ~二回攻撃でドン!カレーパン・スタンプ!!~

By まつがん

 さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。

 それが、こちらのカードだ!

▲「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」収録、《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》「

 0マナで実質追加ブレイク付与だと……?

 デュエマのクリーチャーは概ね6000ごとにW・ブレイカー、T・ブレイカー、Q・ブレイカーとブレイク数が上がっていくよう設計されている (※例外もあり) ことから、パワーを6000上げて「パワード・ブレイカー」を付与するというのは実質的には追加ブレイク付与と同義である。

 というわけで、2月19日(土) 発売予定の「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」に収録される新カード、《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

 それを考えるにあたってやはり問題となるのは、《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》をどんなクリーチャーに対して唱えるのか……すなわち、「誰にカレーパンを食わせるべきか?」という問題だ。

▲「絶対王者!! デュエキングパック」収録、《百万超邪 クロスファイア》
▲「最強戦略!!ドラリンパック」収録、《無限超邪 クロスファイア》

 一案としては、《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》が「パワード・ブレイカー」を付与することから、《百万超邪 クロスファイア》《無限超邪 クロスファイア》に唱えると実質ワールド・ブレイクが可能となるというものがある。

 しかし《百万超邪 クロスファイア》も《無限超邪 クロスファイア》も墓地にクリーチャーを一定枚数溜めることが召喚の要件となっており、《激竜王/ガイアール流激烈竜王破・滅》のようなツインパクトならいざ知らず、呪文である《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》をデッキに入れることはそもそもあまり噛み合っていないという問題点がある。

 あるいは、こいつらは既に十分マッチョなのでカレーパンをキメる必要がないといった見方もできる。カレーパンを手札というリスクと引き換えに一時的な力を発揮させるドーピング剤とするならば、何も自前で健康な筋肉を十分に持っている身体で摂取する必要はない。

▲「20th クロニクルデッキ 熱血!! アウトレイジ・ビクトリー」収録、《死海竜》
▲「ブラック・ボックス・パック」収録、《激竜王》

 ならば虚仮脅しのクソデカパワーだけが自慢の《死海竜》《激竜王》にカレーパンを食わせるというのも考えたのだが、そもそも召喚するのが大変だし別にゲームにも勝たないという身も蓋もない結論が出てしまったため、これも却下となった。介護が必要なレベルの老人にカレーパンを無理に食わせても喉に詰まらせるだけである。

 さて、こうした思考を経て私が着目したのは、《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》が「0マナでパワーを+6000できる」という能力を持っている点だ。

 0マナでパワーが6000も上げられるなら、たとえば「2ターン目にパワー7000のムキムキ《冒険妖精ポレゴン》で攻撃する」といったことも可能となる。もちろんそれだけなら何の意味もないが、とあるカード(・・・・・・)と組み合わせることで、世界に革命を起こすことが可能となるのだ。

 そのカードとは、そう。

▲革命編第2章「時よ止まれミラダンテ!!」収録、《超幻影 ワラシベイベー》

 《超幻影 ワラシベイベー》の「侵略」条件を達成するのにうってつけなのでは???🤔🤔🤔

 《超幻影 ワラシベイベー》は他の侵略者にはない、パワーを参照した「侵略」条件を持っている。そして《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》は、その「侵略」条件を無理矢理突破するのにまさしくうってつけのカードなのだ。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『ワラシベ・カレーパン』

枚数
ゲーム開始時
《滅亡の起源 零無》
枚数
カード名
4 《愛嬌妖精サエポヨ》
4
《怒髪の豪腕》
4 《ソイソイミー》
1
《陰陽の舞》
4 《超幻影 ワラシベイベー》
3 《闘匠メサイヤ》
4 《超神龍バイラス・カースド》
4 《幻影 ドン・サボテ》
4 《トレジャー・マップ》
4 《エボリューション・エッグ》
4 《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》
枚数
超GRゾーン
2 《全能ゼンノー》
2 《パス・オクタン》
2 《バツトラの父》
2 《ロッキーロック》
2 《オレちんレンジ》
2 《ダラク 丙-二式》

 

 このアイデアは一見、とても理に適っているように見えた。

 だが、一人回しをしていくうちに随所に問題点があることが明らかとなってしまう。

 侵略元とマナゾーン送り用クリーチャーをそれぞれ確保した上で3ターン目に確実に《超幻影 ワラシベイベー》を走らせることの難しさがあるというコンセプト上の不安定さと、それ以前に踏み倒しで出てくるミステリー・トーテムがそもそも弱いというどうしようもなさ

 加えて《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》がこのデッキを確実に強化したと言えるためには、理論上は「1ターン目に1マナクリーチャー→2ターン目に《愛嬌妖精サエポヨ》か《怒髪の豪腕》→3ターン目に《エボリューション・エッグ》から《超幻影 ワラシベイベー》をサーチしつつ《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》を唱えて『侵略』」というパターンが存在しなければならないのだが、このデッキには1マナクリーチャーを入れる隙間が微塵も存在しないというのが決定的だった。1マナの《愛嬌妖精サエポヨ》と《怒髪の豪腕》が生まれたら再度お呼びがかかるかもしれない。

 ともあれ、かくしてカレーパンを誰にキメさせればいいのかは再び振り出しに戻ってしまった。

 ここで、一度冷静になって考え直してみるとしよう。ここまで私は、「パワーに見合ったブレイク数を得ること」や「パワーの増強そのもの」に着目してきた。

 だが、カレーパンの効能はパワーに限られたものではない。

 冒頭で述べたはずだ。この効果は「実質的には追加ブレイク付与と同義である」と。

 であるならば、追加ブレイクと相性が良い効果があるのではないか?

▲双極篇第3弾「†ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」収録、《Q.Q.QX/終葬 5.S.D.》
▲超天篇第2弾「青きC.A.P.と漆黒の大卍罪」収録、《ジギー”TND”ボルト/雷雲ドワン》

 かつて私はvol.16-5で、「追加ブレイク」を題材にした記事を書いたことがあった。

 そこでは《Q.Q.QX/終葬 5.S.D.》《ジギー”TND”ボルト/雷雲ドワン》に《二刀流トレーニング》を唱えることでS・トリガーをケアする試みがなされていた。

 それを見て思い至ったのだ。

 もし……もし最初からクリーチャーが1ターンに二度攻撃できるとしたならば、カレーパンの効果が二倍になるのでは?と。

 そう、すなわち。

▲「ペリッ!! スペシャルだらけのミステリーパック」収録、《印鑑D》

 《印鑑D》と相性抜群なのでは???🤔🤔🤔

 パワー6000のW・ブレイカーにカレーパンを食わせても実質T・ブレイカーになるだけだが、二回攻撃が可能なクリーチャーにカレーパンを食わせれば、実質Q・ブレイクが可能となる。

 しかも《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》は唱えるのにマナがかからない代わりに手札を2枚も使ってしまうカードであるところ、《印鑑D》は手札が少ないときに手札を補充しながら二回攻撃ができるようになるというクリーチャーなので、もはやカレーパンをキメるために生まれてきたと言っても過言ではないスペックと言える。

▲双極篇第3弾「†ギラギラ†煌世主と終葬のQX!!」収録、《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》
▲王来篇第1弾「王星伝説超動」収録、《大爆龍 ダイナボルト》

 1ターンに二度攻撃できるクリーチャーが《印鑑D》だけなら《超幻影 ワラシベイベー》のように代替性のなさが課題になるところだが、今回はその心配はない。他にも《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》《大爆龍 ダイナボルト》が存在するからだ。

▲「絶対王者!! デュエキングパック」収録、《龍装者 バルチュリス》
▲「ペリッ!! スペシャルだらけのミステリーパック」収録、《革命類侵略目 パラスキング》

 ただQ・ブレイクするだけだと別にゲームに勝たないところ、2ターン目にマナ加速クリーチャーを出しておけば《龍装者 バルチュリス》と合わせてジャスキルを組むことが可能となる (※ただし手札消費がやばいので後手時限定)。

 カレーパンの代替は《印鑑D》の古くからの相棒である《革命類侵略目 パラスキング》に任せておけば問題はない。

▲十王篇第3弾「幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」収録、《キタカゼマンA》
▲超天篇第4弾「超超超天!覚醒ジョギラゴン vs. 零龍卍誕」収録、《滅亡の起源 零無》

 さらに《キタカゼマンA》のように「攻撃中に手札を減らせるカード」があれば、《印鑑D》は2度目のアンタップすら可能となる。

 高速で手札が蒸発していくデッキなので、《滅亡の起源 零無》を採用して「手札の儀」を次ターン以降の追加打点にするオプションも積極的に狙っていきたい。

 というわけで、できあがったのがこちらの「カレーパン・スタンプ」だ!

 『カレーパン・スタンプ』

枚数
ゲーム開始時
《滅亡の起源 零無》
枚数
カード名
4 《桜風妖精ステップル》
4
《Re:奪取 トップギア》
1 《一撃奪取 トップギア》
4
《キタカゼマンA》
4 《印鑑D》
3 《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》
2 《大爆龍 ダイナボルト》
4 《龍装者 バルチュリス》
1 《陰陽の舞》
4 《革命類侵略目 パラスキング》
4 《ガガガン・ジョーカーズ》
1 《フェアリー・ギフト》
4 《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》
枚数
超GRゾーン
2 《全能ゼンノー》
2 《バツトラの父》
2 《ロッキーロック》
2 《パス・オクタン》
2 《マシンガン・トーク》
2 《ブルンランブル》

 

 

 このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。

 さて、いかがだっただろうか。

 《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》が収録されている「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」は、2月19日(土) に発売予定だ。

 また、コロコロコミック3月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。

 ではまた次回!


ライター:まつがん                      
 
フリーライター。クソデッキビルダー。        
 
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。  
 
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。

デュエマ妄想構築録vol.42バックナンバー
デュエマ妄想構築録 vol.42-1 ~新時代突入!デュエル・マスターズ3!!~
デュエマ妄想構築録vol.43バックナンバー
デュエマ妄想構築録 vol.43-1 ~ささやき詠唱祈り念じろ!ミカドレオ・ギガジャオウガ!!~
デュエマ妄想構築録 vol.43-2 ~マナゾーンを染め上げろ!オボロ・コートニー!!~
デュエマ妄想構築録 vol.43-3 ~ツッコミどころしかない!《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》登場!~

 

次回更新は2/18(金)更新!!