By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
《ブレイン珊瑚の仙樹》がツインパクト化だと……?
強力な「ブレイン」呪文が合体。序盤は《エターナル・ブレイン》としてドローを操作しつつ、中盤~終盤にかけては《ブレイン珊瑚の仙樹》として必殺技にもなるという面白いカードだ。
さて、「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」に収録される新カード、《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
それを考えるにあたっては、このカードが呪文同士のツインパクトであることをどう生かすかが重要となる。
というのも、「《エターナル・ブレイン》や《ブレイン珊瑚の仙樹》にできなくて《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》ならできること」を考えたとき、このカードが呪文同士のツインパクトである点が唯一差別化できるポイントだからだ。
とはいえ、呪文同士というのは初めてにせよツインパクトはこれまで無数に存在したわけである。それが《エターナル・ブレイン》と《ブレイン珊瑚の仙樹》がくっついたというだけで、いきなり何かができるようになったりするのだろうか?……と思われるかもしれない。
だが、デュエル・マスターズにはコストの差が大きいツインパクトだけが使用できるバグが存在したのだ。
そう、すなわち。
《「祝え!この物語の終幕を!」》から《劇場戦艦 カァテンコヲル》を出せば4ターン目に《ブレイン珊瑚の仙樹》が打てるのでは???🤔🤔🤔
《劇場戦艦 カァテンコヲル》は、「このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の手札の枚数以下のコストを持つ水または火のカードを1枚、自分の手札から選んでもよい。そうしたら、そのカードをコストを支払わずに使う。」という一見複雑なテキストを持っている。そしてそれゆえに、ツインパクトとの関係ではバグが発生するのである。
具体的には、まずは「自分の手札の枚数以下のコストを持つ水または火のカード」として手札の《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》を指定する。《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》は2コストと8コストを持っているので、手札が2枚以上あるならこの条件はクリアできる。すると不思議なことに、《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》をなぜか《ブレイン珊瑚の仙樹》として使うことができるのである。
このバグを使えば、本来8コストの《ブレイン珊瑚の仙樹》を《劇場戦艦 カァテンコヲル》で6マナで使用できる。さらに《劇場戦艦 カァテンコヲル》は《「祝え!この物語の終幕を!」》で4マナで踏み倒せるので、8マナの呪文を4マナで唱えることができるというわけである。
《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》と《ブレイン珊瑚の仙樹》で合計8枚積めるので、このバグを使えば《ブレイン珊瑚の仙樹》を連鎖させて山札を掘り尽くすことが可能となる。あとは最後に唱えた《ブレイン珊瑚の仙樹》で《偽りの名 iFormula X》を召喚し、《劇場戦艦 カァテンコヲル》と合わせてタップして《シンクロ・スパイラル》を唱えてターンを終了すれば、無事特殊勝利となる。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ブレイン・シアター プロトタイプ』
4 | 《伝説演者 カメヲロォル》 |
《夜露死苦 キャロル》 | |
4 | 《劇場戦艦 カァテンコヲル》 |
《偽りの名 iFormula X》 | |
1 | 《海底鬼面城》 |
3 | 《ロスト・ウォーターゲイト》 |
4 | 《オンセン・ボイラー》 |
4 | 《「伝説のサイバーパワー!」》 |
2 | 《シンクロ・スパイラル》 |
4 | 《「祝え!この物語の終幕を!」》 |
4 | 《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》 |
4 | 《ブレイン珊瑚の仙樹》 |
……回らんが???🤔🤔🤔
・《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》から《ブレイン珊瑚の仙樹》につなげられるよう、4ターン目時点でなるべく多くの手札を抱えられているようにする。
・4ターン目に《「祝え!この物語の終幕を!」》を引けるよう、ターンごとのドロー枚数を増やす《海底鬼面城》《伝説演者 カメヲロォル》だけでなく、トップを仕込める《オンセン・ボイラー》《ロスト・ウォーターゲイト》を活用する。
一人回しをしたところこれらのケアがあってもなお、「4ターン目に《「祝え!この物語の終幕を!」》から《劇場戦艦 カァテンコヲル》を出して《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》を唱える」のはほぼ実現不可能と言っていい確率であった。
これが「惜しい確率」とかなら1~2スロットを入れ替えて再検討するところだが、全くもって惜しくもなんともないのである。である以上、コンセプトが破綻していると評価せざるをえなかった。
さて、《「祝え!この物語の終幕を!」》《劇場戦艦 カァテンコヲル》《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》のラインが否定された以上、新たなるコンセプトを考えなければならない。
ここで私は考えた。トップ操作を要求する《「祝え!この物語の終幕を!」》を使ったから要求値が上がったのではないか、と。
で、あるならば。
《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》から《劇場戦艦 カァテンコヲル》を出せばいいのでは???🤔🤔🤔
3ターン目にマナ加速を挟めば、4ターン目に《ナウ・オア・ネバー》を唱えられる。そこから《劇場戦艦 カァテンコヲル》を出せば、《「祝え!この物語の終幕を!」》の場合と同様4ターン目に《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》を唱えることができる。
また、先ほどのデッキが破綻したのはそれぞれのコンボパーツが1種類ずつで集めるのが難しかったからという仮説を立てた結果、《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》の代わりになる《劇場戦艦 カァテンコヲル》で踏み倒しがいのあるツインパクトも増量することで、コンボの再現性を上げられると考えた。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ブレイン・バラギアラ』
2 | 《音奏 ハイオリーダ/音奏曲第3番「幻惑」》 |
《劇場戦艦 カァテンコヲル》 | |
4 | 《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》 |
《龍素記号Sr スペルサイクリカ》 | |
4 | 《紅に染まりし者「王牙」/クリムゾン・ビクトリー》 |
4 | 《天地命動 バラギアラ/輪廻暴炎》 |
2 | 《天地命動 バラギアラ/輪廻暴氷》 |
4 | 《ケンザン・チャージャー》 |
4 | 《T・T・T》 |
2 | 《神の試練》 |
2 | 《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》 |
4 | 《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》 |
こんなんネバーループでいいじゃねーか!!!😡😡😡
《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》を使って呪文連鎖を目論む以上、《龍素記号Sr スペルサイクリカ》で《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》を回収しながら唱える動きが必然的に挟まってしまい、「じゃあ《ドレミ団の光魂Go!》と《サイバー・I・チョイス》《龍聖霊ウルフェウス/ヘブンの衝撃》入れれば良くね?」というツッコミから逃れられなくなってしまうのである。
ならば、逆に考えればどうだろうか?
いっそ《反逆龍 5000typeR / 無法頂上会談》まで加えることでツインパクトを山盛りにし、《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》はあくまでも「ツインパクト踏み倒しの中継ぎ」として扱うことで、ネバーループとの差別化を図れるのではないか。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ブレイン・Type-R』
4 | 《劇場戦艦 カァテンコヲル》 |
《龍素記号Sr スペルサイクリカ》 | |
4 | 《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》 |
《キング・マニフェスト》 | |
4 | 《天地命動 バラギアラ/輪廻暴氷》 |
4 | 《天地命動 バラギアラ/輪廻暴炎》 |
4 | 《反逆龍 5000typeR / 無法頂上会談》 |
4 | 《豊潤フォージュン》 |
4 | 《フェアリー・パワー》 |
4 | 《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》 |
何がしたいねん!!!😡😡😡
4ターン目に《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》《劇場戦艦 カァテンコヲル》から何かすごいクリーチャーが出てきはするものの、バラギアラや《反逆龍 5000Type-R/無法頂上会談》が単体で着地しても別に勝てるわけでもない。
かくして、「《劇場戦艦 カァテンコヲル》から《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》を唱える」というコンセプトはまたしても破綻に終わることとなってしまった。
3つものコンセプトで挫折を経験した私は、既に疲れ果てていた。そして、《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》を使った新デッキを紹介するのはもはや不可能なのではないか……とまで思うようになっていた。
しかし、なぜここまでデッキが成立しないのだろうか?
冷静に考えてみると、「《劇場戦艦 カァテンコヲル》から《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》を唱える」というだけなら6ターン目に手札2枚と6マナを払えば実現できることである。とはいえ、それだと現代デュエマでは2~3回死んでいてもおかしくないため、始動ターンを4ターン目に無理矢理ズラす必要があった。
だが、《劇場戦艦 カァテンコヲル》も《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》もそれ自体代替が効かないカードであるため、デッキに4枚ずつしか積めないカードなのである。それなのに、トップで引いて「ビビッドロー」する必要がある《「祝え!この物語の終幕を!」》だったり、4ターン目に唱えるにはマナ加速する必要がある《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》をさらに要求するというのは、あまりにも要求値が高すぎたのではないか。
とはいえ、《「祝え!この物語の終幕を!」》と《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》以外で4ターン目に《劇場戦艦 カァテンコヲル》を着地させる方法などあるはずもない。
けれども、ここで私は気が付いたのである。
4ターン目にビッグアクションを起こそうとしていることにそもそも問題があるということに。
そう、長い道のりを経てようやくたどり着いたのだ。
5ターン目に勝てるならそれはそれでいいのではないか?という発想に。
チャージャー呪文から5ターン目に《劇場戦艦 カァテンコヲル》を素出しすればいいのでは???🤔🤔🤔
これなら《劇場戦艦 カァテンコヲル》と《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》のセットだけを5ターン目までに引き込んでいればいいので、要求値を下げることが可能となる。その代わり4ターン目のチャージャー呪文は必須となるが、そこは枚数を積んでカバーすればいい。
というわけで、今度こそできあがったのがこちらの「ブレイン・シアター」だ!
『ブレイン・シアター』
4 | 《伝説演者 カメヲロォル》 |
《劇場戦艦 カァテンコヲル》 | |
2 | 《偽りの名 iFormula X》 |
《クイーン・アマテラス》 | |
2 | 《ロスト・ウォーターゲイト》 |
2 | 《シンクロ・スパイラル》 |
1 | 《ストリーミング・シェイパー》 |
4 | 《スペルブック・チャージャー》 |
3 | 《ブレイン・Re:チャージャー》 |
4 | 《「祝え!この物語の終幕を!」》 |
4 | 《S・S・S》 |
4 | 《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》 |
4 | 《ブレイン珊瑚の仙樹》 |
1 | 《海底鬼面城》 |
4ターン目始動が5ターン目始動になったのは痛いが、S・トリガーとして《S・S・S》を採用することで、1ターン後ろにズラせる余地を確保している。また、《スペルブック・チャージャー》は《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》にアクセスできることはもちろん、チャージャーとしてマナに置かれた後に《ロスト・ウォーターゲイト》を挟むことで《劇場戦艦 カァテンコヲル》もトップに積めるので、2枚コンボの実質的な増量に一役買っているというわけだ。
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
さて、いかがだっただろうか。
《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》は、「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」に収録されている。発売まで、楽しみに待っていて欲しい。
また、コロコロコミック2月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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