By まつがん
先々週発売した「キングマスタースタートデッキ ハイドのディスペクターN・EXT」は、そのデッキとしての完成度の高さはもちろん、新カードの強さという意味でも大きな話題性を持ったデッキだった。
そこに収録されていた新カードのうちの1枚が《呪帝電融 カーペラー・キリテム》。スタートデッキに収録されているにしては破格のポテンシャルを秘めたクリーチャーだ。
しかしいざこのクリーチャーでデッキを組むとなると難しい。《呪帝電融 カーペラー・キリテム》はどちらかといえば唯一無二の能力を持っているわけではなく、他の似たような能力を持っているクリーチャーの5~8枚目になりそうな能力を有しているからだ。
では、その「似たような能力」とは何なのだろうか?
《呪帝電融 カーペラー・キリテム》の能力の中で特に注目すべき点があるとすれば、それは「マナからクリーチャーを出せる」という点にある。
「マナからクリーチャーを出せる」クリーチャーを8枚集めると何が起こるか?
それはもちろん決まっている。以前作った「ドラゴンズ・マトリョーシカ」的構造……すなわち、クリーチャーの連鎖展開だ。
だが「マナからクリーチャーを出せる」クリーチャーは基本的に自分自身を出せないので、連鎖といっても大→中→小と展開していったところで展開が止まってしまう。逆に大→中→小と展開していける構造と同時に小→大を可能にすることさえできれば、終わることのない連鎖を実現できるということになる。
しかし小→大を可能にするカードというのは、デュエマにおけるマナの原理に反しているため、そもそも存在しないのではないか。
否。
実は存在するのだ。少ないマナからより大きなマナコストを持つクリーチャーを展開できる、そんな能力を持ったクリーチャーが。
そう、《幻影 ミスキュー》だ。
このカードならば8コストの《呪帝電融 カーペラー・キリテム》へとつなげられる。そして相手のクリーチャーがいればそれをマッハファイターで倒し再び《幻影 ミスキュー》をマナから出すことでさらなる連鎖につながる。
しかし《幻影 ミスキュー》で《呪帝電融 カーペラー・キリテム》のような大→中→小の「大」にあたるクリーチャーを出せるかどうかはランダムであるため、このコンセプトは成立していないようにも思える。
だがこのランダムという問題を回避する方法が一つだけ存在した。
それは、デッキ内を可能な限り多くの「大」で埋めることだ。
そう、すなわち。
マナゾーンから《幻影 ミスキュー》を出せるカードだけでデッキを組んだら相手の手首を破壊できるのでは???🤔🤔🤔
《呪帝電融 カーペラー・キリテム》のようにマナから《幻影 ミスキュー》を出せるクリーチャーは、《ナ・チュラルゴ・デンジャー/ナチュラル・トラップ》や《ドンジャングルS7》をはじめとして他にも無数に存在する。
そしてこれらのクリーチャーだけでデッキ内を固めることで、《幻影 ミスキュー》の能力発動時のシャッフルで相手の手首を酷使させ、やがては粉砕させることができるというわけである。
そう、デュエル・マスターズの勝利条件はダイレクトアタックを決めることだけではない。ルールの範囲内で相手が投了を宣言せざるをえない状況に追い込むことで、シールドブレイクのリスクを冒すことなく勝利を手にすることができるのだ (※決して真似しないでください)。
だが、このアイデアには一つ問題があった。それは、《幻影 ミスキュー》の能力発動時のシャッフルで自分の手首が先に破壊される可能性があるという点だ。
すなわち《幻影 ミスキュー》を連鎖させるということは、どちらの手首がより強いのかというチキンレースが始まってしまうという、諸刃の剣でもあるのだ。
しかしこれについては解決策が実は存在しており、このデッキを使う以上自分は手首に負荷がかかることがわかっているのだから、あらかじめ手首を鍛えておけばいいのである。
ただ対戦相手は1試合だけ付き合えばいいのに対し、このデッキを使う自分は勝ち上がれば勝ち上がるほど手首が破壊される可能性が高まっていくので、尋常な鍛え方では足りないという点はあらかじめ肝に銘じておいてもらいたい。
さて、デッキ内をマナゾーンから《幻影 ミスキュー》を出せるカードで埋めなければならない以上、3種12枚では足りない。
他方でどうせ《幻影 ミスキュー》から出すのだからなるべく重くて強力な能力を持つクリーチャーを踏み倒した方が得なところ、《ロールモデルタイガー》と《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》はそのような条件を満たすうってつけのクリーチャーと言える。
また、環境のスピードに追いつくためには遅くとも4ターン目には連鎖を始動したいわけだが、《幻影 ミスキュー》を4ターン目に召喚するためには3→6の動きが不可欠であるところ、《ボント・プラントボ》や《コンダマ / 魂フエミドロ》といったカードはパワー12000縛りやツインパクト縛りのようにデッキ構成に大きく制限をかけるため、今回のコンセプトでは使用できない。
しかし《キング・シビレアシダケ》と《口寄の化身/強欲の王国》ならば、デッキ構成に制限をかけることなく3→6の動きを実現することができるのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ミスキュー・リストブレイク」だ!
『ミスキュー・リストブレイク』
4 | 《キング・シビレアシダケ》 |
《口寄の化身/強欲の王国》 | |
4 | 《幻影 ミスキュー》 |
《ソーナンデス》 | |
4 | 《ナ・チュラルゴ・デンジャー/ナチュラル・トラップ》 |
4 | 《ドンジャングルS7》 |
4 | 《連鎖類覇王目 ティラノヴェノム》 |
4 | 《呪帝電融 カーペラー・キリテム》 |
4 | 《ロールモデルタイガー》 |
4 | 《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》 |
???「コラ!デュエマで相手の身体を破壊しようとするんじゃない!!」
そ、その声は!?
デュエマを破壊させない者、デッドマン!!(この動きは8.6秒バズーカー?らしい)
デッドマン「デュエマを破壊したい研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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