By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先々週発売したコロコロコミック10月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、10月に発売する「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」に関する情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
先月発売した「20th クロニクルデッキ」は、どちらも環境レベルのパワーカードを数多く輩出した。
デッキとしての完成度という意味では「決闘!! ボルシャック・デュエル」の方に軍配が上がるだろうが、単体のカードが持つポテンシャルという意味では、「熱血!! アウトレイジ・ビクトリー」も負けてはいない。
それを象徴する1枚が、《熱血武闘 カツキング》だ。
元となるアウトレイジが必要とはいえ、スピードアタッカーのW・ブレイカーが2ターン目や3ターン目に墓地から蘇ってくるというのは、明らかに尋常なスペックではない。
とはいえ、それだけで勝てるわけでもないというのが現代デュエル・マスターズの恐ろしいところである。
確かに《熱血武闘 カツキング》は早期に着地させられるものの、そこからゲームの勝利までには長い道のりがまだどうやっても存在してしまう……フィニッシャー格として収録されておきながらも実態としての働きはフィニッシャーではない、というのが、「熱血!! アウトレイジ・ビクトリー」の側にデッキとしての完成度という点で不足を感じる主な原因なのではないかと思う。
だが、それならそれでやりようはある。《熱血武闘 カツキング》と相性の良いフィニッシャーを見つければいいのだ。
さて、通常の発想ならばその役割は《暴走龍 5000GT》や《反逆龍 5000Type-R/無法頂上会談》に委ねられることだろう。
しかし、私は気が付いてしまったのだ。
「破壊」し、「手札」を捨て、「墓地」から「復活」する……《熱血武闘 カツキング》が行うこれらの行動と噛み合う、唯一無二のフィニッシャーの存在に。
そう、すなわち。
《滅亡の起源 零無》と相性抜群なのでは???🤔🤔🤔
《滅亡の起源 零無》が「零龍卍誕」すれば、決してバトルゾーンを離れないワールド・ブレイカーが誕生する。それは《熱血武闘 カツキング》にとって何よりも望んでやまない、圧倒的な決定力に他ならない。
そう、《熱血武闘 カツキング》は確かにフィニッシャーではない。だがそれならそれで、「零龍アグロ」におけるでかい《ステニャンコ》として運用すればいいのだ。
一時期一世を風靡した「零龍アグロ」は、《怨念怪人ギャスカ》《暗黒鎧 ダースシスK》の相次ぐ殿堂入りと《とこしえの超人》《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》といった置換系メタクリーチャーの登場によって今では環境外に追いやられてしまっている。
ならばこそ、《熱血武闘 カツキング》という新たな力とともに再起の狼煙をあげるのだ。
《熱血武闘 カツキング》を墓地から蘇生させるためには破壊すべきアウトレイジの存在が必要不可欠である。他方で《熱血武闘 カツキング》自体を墓地に送り込むカードも必要であることから、そのアウトレイジは墓地にカードを送り込める能力を持っていることが望ましい。
《勇気と知識 テスタ・ロッサ&アリス/「行くぜアリス!」「行けるわテスタ!」》と《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》はそのような条件を満たしつつもツインパクトで下面がS・トリガーという、1枚で二役も三役もこなすカードたちだ。
また、《冥界の不死帝 ブルース/「迷いはない。俺の成すことは決まった」》は狙ったカードを墓地に落とすことはできないものの、初動でありながら《終末の時計 ザ・クロック》の枚数を水増しできるS・トリガーになるという点で替えがきかないカードと言える。
「破壊の儀」を達成するためには《熱血武闘 カツキング》だけでは足りないが、「零龍アグロ」のように《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》を採用することで破壊のカウントを確保することができる。
《偽りの名 ドレッド・ブラッド》と違って《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を貫通するため、ターン開始時に「墓地の儀」を達成したり《ブルンランブル》などをGR召喚したりして先に除去効果を走らせることで、テンポロスすることなく《熱血武闘 カツキング》を蘇生できるのがポイントだ。
他方で、こうして入りそうなカードを並べていくと、このデッキのコンセプトはとても「零龍アグロ」とは呼べそうもない方向に向かっているということに気づかれるかもしれない。
「零龍アグロ」は2ターン目や3ターン目の「零龍卍誕」にすべてをかけるオールインだったが、3ターン目に《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》を召喚するようなデッキが3ターン目に「零龍卍誕」できるはずもない。となれば《熱血武闘 カツキング》は実は《滅亡の起源 零無》と相性が悪いのではないか?……とも思えてくる。
しかし、冷静に考えてみると《熱血武闘 カツキング》は「零龍卍誕」と相性が良いのであって、必ずしも「零龍アグロ」と相性が良い必要はない。「オカルトアンダケイン」のように「零龍卍誕」を武器としつつもコンボコントロールとして振る舞うコンセプトも実現可能なはずだし、S・トリガーの枚数さえ確保できるなら、そもそももっと遅いコンセプトだって成立するはずなのである。
そう……S・トリガー16枚搭載を実現した、カウンター要素の強い「零龍卍誕」デッキ。それが《熱血武闘 カツキング》と《滅亡の起源 零無》とが織りなすシナジーの終着点だったのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「アウトレイジ零龍」だ!
『アウトレイジ零龍』
《滅亡の起源 零無》 | |
《冥界の不死帝 ブルース/「迷いはない。俺の成すことは決まった」》 | |
4 | 《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》 |
《勇気と知識 テスタ・ロッサ&アリス/「行くぜアリス!」「行けるわテスタ!」》 | |
4 | 《一なる部隊 イワシン》 |
《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》 | |
4 | 《終末の時計 ザ・クロック》 |
4 | 《暗黒鎧 ザロスト》 |
4 | 《卍∞ ジ・エンデザーク ∞卍》 |
4 | 《熱血武闘 カツキング」》 |
1 | 《爆撃男》 |
1 | 《暗黒鎧 ダースシスK》 |
1 | 《盗掘人形モールス》 |
1 | 《不敵怪人アンダケイン》 |
2 | 《全能ゼンノー》 |
2 | 《サザン・エー》 |
2 | 《モウドク 乙-一式》 |
2 | 《ゴルドンゴルドー》 |
2 | 《ポッポーポップコー》 |
2 | 《ブルンランブル》 |
「零龍アグロ」「オカルトアンダケイン」という2つのデッキの遺伝子を継承したこのデッキは、ともすれば中途半端と評されうるコンセプトかもしれない。それらの全盛期を知る者からすれば、耐えられない弱体化であるとも感じられるだろう。
だが新たな可能性は、誰もが試そうとしていない領域にこそ眠っているかもしれないのだ。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。