By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック9月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、9月25日 (土) に発売する王来篇第3弾「禁断龍VS禁断竜」に関する情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
「英雄戦略パーフェクト20」は、様々なコンセプトを強化したと言える。
だがそんな中にあって、ポテンシャルの割りにあまり注目されていないカードがあった。
《邪悪の面 ナム=デッドマン》だ。
何せたった5マナで最大5マナもブーストできる可能性を秘めているというのである。この性能を生かさない手はない。
しかし《邪悪の面 ナム=デッドマン》は単体ではただのクソ重《青銅の鎧》に過ぎない。すなわち、《邪悪の面 ナム=デッドマン》を出す前になるべく多くの文明を持ったクリーチャーをバトルゾーンに出しておく必要がある。
では、どんなクリーチャーを出すべきか?
わかりやすいのは、《星龍パーフェクト・アース》や《天気君》のように5つの文明を持つクリーチャーだろう。
だが、この発想には問題があった。それは、こんなん出せるならそもそもマナブーストする必要なくね???というものである。
《邪悪の面 ナム=デッドマン》のバリューを生かすにはより多くの文明を持つクリーチャーを先に出しておく必要がある。しかしより多くの文明を持つクリーチャーということは、それだけマナを用意するのが難しいということを意味している……このジレンマを解消しない限り、《邪悪の面 ナム=デッドマン》のスペックを最大限生かすことはできないのだ。
さて、どうすればこのジレンマを解消できるだろうか?
デッキ作りの過程において何らかの障害にぶち当たったとき、必要なのは条件に合うカードを想像することだ。
《邪悪の面 ナム=デッドマン》が持つジレンマは、「多くの文明を持つカードは召喚するのが大変」という点に端を発している。ならば、この前提が崩れるカードが存在するとしたならばどうだろう?
たとえば、「《邪悪の面 ナム=デッドマン》よりも低コストですべての文明を持つカード」が存在したならば?
……そう、すなわち。
《虹速 ザ・ヴェルデ》を出してから《邪悪の面 ナム=デッドマン》を出せばいいのでは???🤔🤔🤔
《虹速 ザ・ヴェルデ》は4マナのクリーチャーでありながらバトルゾーンにおいてはすべての文明を持っている。つまり《邪悪の面 ナム=デッドマン》で選択した場合一撃5ブーストが可能になるのだ。
とはいえ、この動きはこれまでも《生魂転霊》で実現できたものでは?と思われるかもしれない。
しかし《生魂転霊》と《邪悪の面 ナム=デッドマン》との間には決して埋められない差があるのだ。
それは、《トレジャー・マップ》で探せるという点だ。
《虹速 ザ・ヴェルデ》はバトルゾーンや墓地以外では自然のクリーチャーであり、《トレジャー・マップ》で探せるところ、他方でブーストコンボの片割れとなる《生魂転霊》の側がクリーチャーではないために《トレジャー・マップ》が探せないことから再現性の観点で信頼がおけず、デッキコンセプトに組み込むことが難しかった。
だが、《邪悪の面 ナム=デッドマン》ならばその心配はない。《虹速 ザ・ヴェルデ》を引いているなら《邪悪の面 ナム=デッドマン》を、《邪悪の面 ナム=デッドマン》を引いているなら《虹速 ザ・ヴェルデ》を、それぞれ《トレジャー・マップ》で探しにいくことができるからだ。
しかしだとしても、この大ブーストコンボを決めた後でどうやって勝利するのかという問題が残る。
《邪悪の面 ナム=デッドマン》を出した時点で10マナ、次のターンのマナチャージで11マナにまで達する。ただしその代償として、手札は限りなく少なくなってしまっている。そんな少ない手札という縛りの中で、大量のマナを勝利へと結びつける方法がはたして存在するのだろうか?
……そう、言うまでもなく存在する。
《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》だ。
《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》はひとたび唱えることができれば大抵マナが激減した相手が行動不能に陥るので、ほぼ勝利と言っていい盤面を作り出すことができる。
しかも《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》も《トレジャー・マップ》で探せるというのが噛み合っている。
3ターン目の《虹速 ザ・ヴェルデ》へとつなげるための2マナブーストは《霞み妖精ジャスミン》や《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》といったクリーチャーで揃えておくことで、こちらも《トレジャー・マップ》で安定性を高めることが可能だ。
デッキ内を自然のカードで統一しておくことで、1ターン目だけでなく3ターン目のマナブースト後にも《トレジャー・マップ》を唱えるターンが作れるのも地味に嬉しい。
こうしてメタクリーチャーを処理しながらの「2→4→5→10」のマナカーブというコンセプトの再現性を限界まで高めた、新たな《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》デッキが誕生したのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ヴェルデッド轟破マン」だ!
『ヴェルデッド轟破マン』
《トレジャー・マップ》 | |
4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 |
《霞み妖精ジャスミン》 | |
4 | 《フェアリー・Re:ライフ》 |
《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》 | |
4 | 《虹速 ザ・ヴェルデ》 |
4 | 《邪悪の面 ナム=デッドマン》 |
4 | 《ナ・チュラルゴ・デンジャー/ナチュラル・トラップ》 |
3 | 《龍装者 ジスタジオ》 |
3 | 《ボントボルト》 |
4 | 《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》 |
……「再現性を限界まで高めた」とは言ってみたものの、《虹速 ザ・ヴェルデ》も《邪悪の面 ナム=デッドマン》も《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》も必ず引かなければいけないために「どれか1枚でも引けなかった瞬間に動きが破綻する」という致命的な弱点がある時点で実はこのデッキはデッドマンでも轟破マンでもなくただのウンチマンなのだが、もし今後2種類目の《トレジャー・マップ》が出て幸運にも《トレジャー・マップ》が8枚積めるようになったりすれば、もしかすると「運マン」くらいにはなれるかもしれない。
そもそも4マナで出した《虹速 ザ・ヴェルデ》が処理されてしまうと《邪悪の面 ナム=デッドマン》が「南無=デッドマン」と化してしまうので、いつもこの連載で元気に踊ってくれているデッドマンがいつまでも元気でいられるように、日頃の行いを良くして徳を積んで欲しいマン。
ではまた次回マーン!!!!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。