ナゾの女と、恐怖の鬼ごっこ……
人が「怖い!!」と感じるオカルトな出来事にも、いろいろなカテゴリー……というか、種類があると思っている。
たとえば、大量に湧くゾンビに襲われて、いつか自分も“そっち側”に行ってしまうんじゃないか……という恐怖。
たとえば、妖怪なのか幽霊なのかわからないけど、“得体の知れない何か”を見てしまったときの恐怖……。
もっと身近なところで言えば、心霊写真や心霊動画のような“映っちゃった系”も、見た者に言い知れぬ恐怖を与えたりする。ちなみに筆者はコレ系のコンテンツが大好きで、日本で流布する有名どころの映像はほぼすべて見ていると断言できるわ。
さて、これら細分化する恐怖コンテンツではあるけれど、よくよく分析すれば“ある共通項”が根底にあることに気付かされる。
あまり引っ張っても仕方がないのでとっとと書くと、それは、
“なんだかよくわからないモノがそこにいる”
という状況だ。
妖怪も、幽霊も、ゾンビも、エイリアンも、クネクネも、八尺様も、突き詰めたところで、
「けっきょく何なのか、よくわからん……」
という事実こそが恐怖の源泉にあって、だからこそ人は恐れおののきつつも、
「もうちょっとだけ、見てみたいな……!」
なんて、毒が裏返ったかのように思わせられるんだと思う。
さて、そこに来ての『GOHOME』というゲームだ。
Registaから2019年にPC版がリリースされたのち、今年の7月15日にNintendo Switch版が発売。かねてより、
「住宅街を舞台にしたオバケとの鬼ごっこやべえ」
やら、
「突如現れる女が怖すぎる」
などなど、ホラーゲーム好きのあいだで話題になっていた作品である。
ゲームの舞台は2000年代の日本の住宅街で、ジャンルは“ノスタルジックホラーアクションゲーム”とされている。
公式サイトにあるこのゲームの世界観は、以下の通りだ。
■物語
鈴木モザイ子、7歳。
両親とはぐれてしまったので一人で家に帰ります。
神社、タコの公園、夕日、家、どこかでカラスが鳴いてる。
帰ったらピアノの練習をしなくちゃ。
見慣れた街なのに何かおかしい……。
モザイ子……ってのは、主人公の着物をきた女の子の顔が、
ひぃぃぃぃぃ……!!(((( ;゚Д゚))) も、モザイクになってる……!!!
なんかもう、この時点で、ヘンな汗が出てくるんですけど……。これは……嫌悪感?? いや、ただ単純に不気味すぎて、脳ミソが拒絶しようとしているような……。
でも……拒絶とは裏腹に、めったやたらとワクワクしているのもまた事実。このへんの、「怖いからこそ見たい!!」という人間の心理を突いたモザイ子の顔は、ゲーム的には大成功だと思ったね。
さて、とにかく家に帰ろう。
まずは、この気味の悪い神社から出なくてはな。
ちなみに、チュートリアル用の解説の文字も、『GOHOME』はとことん怖い。↓こんな感じで。
モザイ子は7歳だから、まあこういう字を書くだろうなぁ……と理解はできるんだけど、なんか怖い。理由はわからんが、怖い。
なお、上の画面から後ろを振り返って階段を下りれば神社の外なんだけど、何の危機感もなくホイホイと道路に飛び出ない方がいいかも……ってことだけは明記しておく。
そこを(?)乗り越えて神社の外に出ると、住宅街が広がっている。
見れば……おお、あれがタコの公園か。
この公園にも、人っ子一人いない。いないのに、
いきなりブランコが、「きぃーこ……きぃーこ」と動き出すというお約束の演出があるんだけど、まんまと、
「ひぇぇぇぇ!!!!><」
と飛び上がってしまった。筆者はじつに、制作者冥利に尽きるユーザーなんだと思ったね。
そして……。
公園のシンボルであるタコの滑り台にのこのこと入っていったらだなぁ……!!!!
にょき。
「え」
思いっきり、声が出た。だって、上からいきなり手が現れて……! しかも、まもなく……!!!
「あ゛……ッ!!!!!」
な、なんか女が……ッ!!!!!
「いゃぁぁぁあああああ!!!!>< デタぁぁぁああああ!!!!」
一瞬で、全身にブワッと鳥肌が立った。どうやらこれがネットの評判に見る、
“追いかけてくる女”
ってことか……!!!(((( ;゚Д゚))) いやしかし、この恐怖たるや……尋常じゃねぇぇぇえええ!!!(((( ;゚Д゚)))
そしてモザイ子は、
自分の家である黄色いマンションを目指して、ナゼか人通りのない住宅街を彷徨うことになる。
でも……当然!!!
あ……(((( ;゚Д゚))) ななな、なんかいる……!!!
いやぁぁぁあああああ!!!!(((( ;゚Д゚)))
もひとつ、いやぁぁぁああああぁぁぁああ!!!!!(((( ;゚Д゚)))
女を始めとするオバケ(他にもいるんだよ……)に捕まってしまうと、1発でゲームオーバー……。チェックポイントからやり直しを強いられる。それを避けるために、
マンホールに触れると別の場所にワープできるので、あっちこっちに行ったり来たり……。
そして、何十回にもおよぶゲームオーバーののちに、ようやく黄色いマンションにたどり着いても……。
!!!!!?? 飛び降りてきた女に巻き込まれたんだけど!!!?
くり返される、トライ&エラー……。
モザイ子は果たして、この不気味な世界から脱出することができるのだろうか……??
“得体の知れないモノに追い掛けられまくる”という、シンプルで響く設定にピンと来られたら、ぜひプレイされることをオススメします。女が現れたときに突然鳴り響くBGMを聞いただけで、チビる可能性があることを覚悟しながら、ね……。
作品概要
『GOHOME』(レジスタ)
■配信日:2021年7月15日
■価格:1,990円(税込み)
■ジャンル:アクション
■フォーマット:Nintendo Switch
■公式サイト
https://regista.co.jp/products/gohome/
(C) 市松寿ゞ謡/Regista