By まつがん
前回《闇王ゼーロ》のデッキを作っていて、ふと思ったことがあった。
「無」になりたくね???🤔🤔🤔
「は???」と思われるかもしれない。だが大人という生き物はどうしようもなく疲れていたりすると突然「『無』になりたい……」という衝動に襲われることがあるものなのである。
しかし、本当に「無」になってしまうとお父さんお母さんが悲しんでしまう。それは良くない。
ならばどうするか?
そう、デュエル・マスターズで「無」を目指せばいいのだ。
というわけで、デュエル・マスターズの勝利条件とは一切関係なく「無」を作るのが今回の目標である。
ではデュエマにおいて「無」とはどういう状態を指すだろうか。
「無」というくらいだから当然バトルゾーンにクリーチャーはいないだろう。それに手札にカードを潤沢に抱えておきながら「無」を語るとはおこがましい。また、頑丈なシールドにぬくぬくと守られているようではまだ到底「無」とは言えまい。となると、ついでだからマナも吹き飛ばして綺麗サッパリな盤面を目指したいところだ。
つまり、求められる条件はこれだ。
・「無」とは自分のバトルゾーン、マナゾーン、シールドゾーン、手札にカードがない状態である。
・一刻も早く「無」になる必要がある。
それではこの条件を満たすデッキを作るとして、まず何を考えるべきか。
それは、「無」にするのが一番難しいゾーンについてだ。
バトルゾーンはクリーチャーを出さなければもともと「無」だし、出したとしても自ら破壊することはそこまで難しくない。手札も使ったり捨てることが可能だし、シールドゾーンは《鬼ヶ大王 ジャオウガ》をはじめとして能動的に「無」にする方法がいくつもある。
だが、これらはすべてマナゾーンありきの話だ。ゆえに、自分のマナゾーンを「無」にする方法が最も優先して考えるべき課題となる。
では、自分のマナゾーンを「無」にするにはどうすればいいだろうか?
まず「無」といえばやはり《オールデリート》が思い浮かぶところだが、これではマナゾーンにカードが残ってしまう。それに「無」になりたいのは自分の勝手な願望なので、なるべく対戦相手に迷惑はかけたくはない。
続いて簡単に思いつくマナゾーンを吹き飛ばすカードとしては《悪魔神ドルバロム》や 《超竜バジュラズテラ》 もあるが、さすがにマナがかかりすぎる上に、自身がマナゾーンに残ってしまいかねないというリスクも孕んでいる。
何か、何かないのか……私は自分のマナゾーンを「無」にできるカードを真剣に探した。完全に頭がおかしい人である
その果てに、私は気が付いたのだ。
最近出たカードで、「無」にうってつけのカードが存在することに。
《樹食の超人》。このカードならば、マナゾーンどころかついでに手札まで一気に「無」にすることが可能となる。
なぜなら《樹食の超人》のコスト軽減に使うリソースは別に7枚までに限らず好きなだけ支払って構わないし、《樹食の超人》を最低限召喚するために必要な1マナも、《樹食の超人》がバトルゾーンに着地する前に既に支払っていることになるので、そのマナも含めて軽減に差し出すことが可能だからだ。
とはいえ、それだと今度はシールドを「無」にすることができないのではないか、と思われるかもしれない。
だが、《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》と組み合わせることによって、「《逆転のオーロラ》→増えたマナと余りの手札をすべて《樹食の超人》に捧げる」という動きにより、マナゾーン・シールドゾーン・手札まで一気に「無」にできるのである。
しかし、この2枚コンボには問題があった。
それは、最後に《樹食の超人》がバトルゾーンに残ってしまうという点だ。
他のクリーチャーはおろかシールドもマナも1枚もないのに元気に立つ《樹食の超人》……その有り様はまるで、人間が滅んだ地球に独り鎮座する大仏のようである。
しかも盤面の《樹食の超人》を処理しようにも、マナはすべて墓地に送ってしまっている。つまり、《樹食の超人》を召喚した後に新しいアクションをとることは基本的に不可能なのだ。
せっかく「無」まであと一歩だというのに、これが限界なのか。
やはり人は「無」にはなれないのか……と、そう思われた。
だが、私はついにたどり着いたのだ。
《樹食の超人》を召喚すると新しいアクションがとれないというのなら。
《樹食の超人》を召喚する前に、《樹食の超人》の破壊を約束するアクションをとればいいというアイデアに。
そう、「無月の大罪」だ。
オレガ・オーラは通常GR召喚を伴うため、「無」を作るためには「無月の大罪」でそのGRクリーチャー自身を破壊する必要がある。
だが《斬罪 シ蔑ザンド》のように、自らクリーチャーを破壊する効果を持つ「無月の大罪」持ちならば、ターンの終了時まで《樹食の超人》用の「無月の大罪」を温存することができるのである。
また、《大罪十二宮》のようにGR召喚を伴わない「無月の大罪」持ちでも同様の効果が狙える。
ただこれだけだとデッキ内の闇のカードが8枚のみで心許ないところ、《大罪より生まれし果実》のようにGR召喚を伴いつつもGRクリーチャーを自ら破壊できないカードの場合も、《カット 丙-二式》のように自壊できるGRクリーチャーで超GRゾーンをあらかじめ固めておくことにより、やはり《樹食の超人》用の「無月の大罪」の確保は可能だ。
つまり、「《逆転のオーロラ》→『無月の大罪』持ちカードの使用→増えたマナと余りの手札をすべて《樹食の超人》に捧げる」の3ステップで、今度こそバトルゾーン、マナゾーン、シールドゾーン、手札にカードがない状態を作り出すことができるのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「無」だ!
『無』
《ジョラゴン・オーバーロード》 | |
4 | 《未来設計図》 |
《オラオラ・ジョーカーズ》 | |
4 | 《ディメンジョン・ゲート》 |
《The ワンタン漢・チャージャー》 | |
4 | 《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》 |
4 | 《樹食の超人》 |
4 | 《大罪より生まれし果実》 |
4 | 《大罪十二宮》 |
4 | 《斬罪 シ蔑ザンド》 |
2 | 《失罪 モグニ否フ》 |
超GRゾーン | |
2 | 《クリスマⅢ》 |
2 | 《ウォルナⅣ》 |
2 | 《カット 丙-二式》 |
2 | 《パッチネーター》 |
2 | 《キング・ジャックポットン》 |
2 | 《スカップⅢ》 |
このデッキを使えばうまくいけば最速4ターン目には「無」の状態が完成するので、ガラ空きのボディに対戦相手が気持ちよくダイレクトアタックを決めてくれることだろう。
皆さんもあまりに疲れすぎて「あ~、『無』になりてぇ~……」と思ったときには、この新フォーマット (?)、「無RTA」にぜひ挑戦してみて欲しい。
↑↑↑↑ここまですべて「無」↑↑↑↑
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。