ビックリマンチョコ、ビックリに満ちた開発秘話&現在も続くビックリへのこだわりに迫る!!
80年代の終わりから90年代のはじめ、“コロコロと言えばビックリマン”という時代があった。年間4億個を売り上げた大ヒットコンテンツ。その生みの親である反後四郎氏(写真、左)と現在、株式会社ロッテでビックリマンの企画を担当する本原正明氏(写真、右)にお話を聞いてきた!!
第1回 「33年越しのビックリ! スーパーゼウスの名前の由来が判明!!」
──「悪魔VS天使」シリーズはいきなりの大ヒット。開発スタート時、ビックリマンシリーズはどんな状態だったんですか??
反後「これでダメなら、ビックリマンシリーズは終了…という状態でしたね。私が担当していた、『マジャリンコシール』などが思ったように売れなくて…」
──ちょっと…いきなりピンチじゃないですか…!!
▲コロコロアニキ2018年夏号より
──崖っぷち状態から始まった「悪魔VS天使」編。開発にあたり徹底的に子供に調査をしたと聞きましたが?
反後「『悪魔VS天使』の他にも、当時流行っていたホラーものなど7つくらいのアイディアがありまして。それらの概要をひとつずつ1枚のボードにまとめたものを多摩地区の団地で小学生3~5年生、20人に見せて、どれがいいか投票してもらったんです。そうすると9割の票が『悪魔VS天使』に集まった。ゼウスのラフ画のようなものと、天使と悪魔が戦うとい概要をざっくりとまとめたものなんですが、他を圧倒しました」
──じゃあもう、決定ですね!
反後「でも、こういうものはすぐに飽きられてヒットしてもすぐにブームが終わってしまうことが多いんです」
──なるほど…どうしましょう。
反後「絵柄がいいのはわかっていました。当時はファミコン全盛で、この48ミリ角におさまるイラストがドット絵のようなもので子供にも親しみやすいと…でも、それだけでは足りない気がしたんです」
──足りないといいますと…?
反後「当時、家庭でトランプやかるたがよく遊ばれていたんですけど、そういうゲーム性ですね。シール同士に関連性を持たせたいと。そこで天使、悪魔の他に「お守り」を追加した3すくみを思いついたのです」
──なるほど!
▲左から桃太郎天使、きびだんご三助、鬼ガシ魔
反後「悪魔を倒すために、上からお守りのシールを貼る…でも透明なシールだから悪魔は消え切らない。そこに天使シールを貼って悪魔を完全に消してしまう…そんな遊びをしてくれたらと思ったんです」
──もったいなくて貼ろうなんて思いませんでしたよ!
反後「そうなんです…誰も貼りませんでした。でも、3すくみのおかげでストーリー性が生まれ、子供たちはコレクションしてくれたんです」
──思いもよらないところに子供たちは反応したんですね。
▲スーパーゼウス
──ところで「スーパーゼウス」ってすごい名前ですね。もともと偉い神様であるゼウスに“スーパー”をつけるなんて。この名前はどのようにして決まったんですか!?
反後「スーパーゼウスの“スーパー”は「スーパーマーケット」から取ってるんです」
──「超」とか「すごい」の意味のスーパーじゃない!?
反後「当時は、今のようにコンビニも普及してないし、個人商店さんや駄菓子屋さんの数は減少傾向にあった。いちばん勢いがあったのは、スーパーマーケットだったんです」
──その勢いにあやかって…ということですか!?
反後「スーパーマーケットさんにたくさん仕入れてもらっていましたしね」
──買ってくれる人だけでなく、小売店さんへのリスペクトも忘れない姿勢。さすがっす!!!!
(第2回「第一弾キャラを深堀り!」につづく!)
反後 四郎(たんご しろう)プロフィール
1949年、熊本出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社ロッテに入社。85年にメインスタッフとして参加した「悪魔VS天使シリーズ」をヒットさせる。当時はコロコロの誌面に「反後博士」として登場した。
ビックリマン伝説11チョコ7月17日発売!!
「ビックリマンブーム」時代の復刻シールがついてくる「伝説シリーズ」の最新弾が7月17日から発売になるぞ! 今回の「ビックリマン伝説11」は、悪魔VS天使シリーズの第13弾のシールが復刻版でついてくるのだ! 懐かしのシールで、キミもビックリしよう!
<各86円>
※東京圏・関東信越(静岡含む)先行販売。
(C)LOTTE/ビックリマンプロジェクト