おっさん3人の会合で……
つい先日のこと。
仲のいいゲームクリエイターさんとイラストレーターさん、そして俺の3人で、打ち合わせ後に軽く話をした。
と言っても、首都圏に新型コロナウイルスに端を発する緊急事態宣言が出ている現状、場所はウチの事務所で、お酒もナシで、基本マスクをつけたままで話し込んだんだけど。
それでもひさしぶりに、オンラインではなく、リアルに顔を突き合わせての会合だったので、いい感じにストレス発散になった。緊急事態宣言が明けたら、少しずつでもこういう機会を増やしていきたいものだなぁ……と心から思った次第である。
この3人で会ったのは丸1年以上ぶりだったので、話題はふだんの生活や仕事のことはもとより、アニメやマンガ、そしてもちろんゲームのことにまで多岐に飛んだ。ちょうど、年代を同じくするおっさん3人なので、
「ナンバーワンと思うスポーツマンガは!?」
「心のRPGベスト3を語り合おう!」
なんてテーマが出ようものなら、何時間でも話し込めるんだよねえ。
そんな、とくに実りはないけど盛り上がり具合だけは最高潮の会話の中にあって、イラストレーターさんがふいにこんなことを言ったのだ。
「そういえばおふたり、『リトルナイトメア2』ってやりました?」
ゲームクリエイターさんが「あ!!」と言い、俺は「お?」と目を開いた。
イラストレーターさんの問いかけに、ゲームクリエイターさんが頭を掻く。
「いや~、気になってはいるんですけど、あれ、けっこう怖いんですよね……? ホラーな雰囲気のコンテンツって、映画もゲームもダメなんですよねぇ……」
引き継いで、俺が言う。
「逆に俺はコワイの大好きなんで、遊んでますよ! ……もっとも、忙しくて序盤の序盤しかプレイできていないですけど^^;」
イラストレーターさんが、「おお!」と喜んだ。
「同じく、始めたばかりなんですけど、いいですねコレ!! 雰囲気抜群だし、演出もバッチリですし!!」
そうなのだ。
2月10日にプレイステーション4、Nintendo Switchなどで発売されたバンダイナムコエンターテインメントのサスペンスアドベンチャー『リトルナイトメア2』がじつにいい感じなのである。
これ……一手でも間違えたら即ゲームオーバーになる“死にゲー”の類なので、ヘタにスクショを載せまくるとすべてがネタバレになる恐れがある(苦笑)。なので今回は、誰でも遊べる体験版をベースに紹介記事を綴りたいと思います!
イヤな恐怖
『リトルナイトメア2』は“2”とナンバリングされている通り、その前身となる“1”が2017年に発売されている。開発はスウェーデンのTarsier Studiosというデベロッパーで、その独特な雰囲気と世界観、骨太な内容が世界中で評価され、日本でも多くのファンを獲得することに成功した知る人ぞ知る名作である。
ちなみに俺は『リトルナイトメア』は未プレイだったのだが、『2』を遊んだいまになって、
「『1』もやっときゃよかった!!」
と思いっきり後悔している(苦笑)。それほど、『リトルナイトメア2』もよくできているということだ。
ではさっそく、プレイの中身を。なお、今回はNintendo Switch版で遊んでいるぞ。
これがゲーム画面。この、色の少ないおどろおどろしい世界を、主人公“モノ”を操って進んでいく。
ときにパズルのような謎解きを行ったり、触れたら即死のトラップを回避したりしながら、ただ黙々と前進する。
少しの油断と、「あ、操作に慣れてきたかも」なんていう慢心が、1秒後には死に直結することの恐ろしさよ……。
ミス=死
という、あまりにもシンプルで恐ろしい約束事が、操作する指を震えさせる。このヒリヒリ感が……たまらないんだよなあ!w
途中、仲間になる“シックス”(前作の主人公)とともに、謎に満ちた世界を冒険するモノ。
正体不明の怪物や、悪意に満ちたトラップが張り巡らされたこの場所から、無事に脱出することはできるのだろうか……?
シューターや対戦ゲームとはまた違う、深層心理に訴えかけてくるような“イヤな恐怖”を味わいたい人に打ってつけのゲームだと思いますよ!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
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