By まつがん
2月20日(土) に発売予定の「弩闘×十王超ファイナルウォーズ!!!」に収録される《伝説》シリーズ。これらのカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
これについては、デッキ製作が非常に難航した。前回書いたように、《伝説》シリーズはデュエル・マスターズに少なくとも3つの革命を起こすと考えられた……だがそれに限らずとも、ありとあらゆるデッキのポテンシャルを一段階引き上げる可能性があり、平たく言えば使い道が無数に考えられたからだ。
しかしそれでもあえてデッキを作るというならば、「《伝説》シリーズの存在なしでは成立しないデッキ」であるべきだろうと思った。
そして長い思索の果てに私は、古のギミックに答えを求めることにしたのである。
スペース・チャージ。マナゾーンに条件を満たすカードが置かれることによって発動するこの能力は、多色のカードとの相性がとても良い。なぜなら、2つの文明のスペース・チャージを同時に満たすことができるからだ。ただ他方で、強力なスペース・チャージ持ちは多色であることが多く、デッキ内のタップインのカードが増えすぎてしまうことがネックだった。
だがそこにきて《伝説》シリーズならば、タップインの割合を増やさずにスペース・チャージの恩恵だけを受けることができる。
だとしても、《伝説》シリーズをどのスペース・チャージ持ちと組み合わせるべきか。
まず私が考えたのは、《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》と《ブルックス・ザ・シルバー/ザババン・ライト》によるループや、《封魔ザウラク・ディス》と《強奪者 テラフォーム》によるドローロックなどの既存のデッキタイプだった。
だが冷静に考えてみると、これらのデッキではそれぞれ《ウェイブの伝説》や《零の伝説》といった、そのデッキの文明の組み合わせに合った《伝説》シリーズしかうまく使うことができない。そしていかに《伝説》シリーズが革命的なスペックを持つとはいえ、1種類4枚だけの強化では引かないパターンも普通に生まれてしまうので、そこまで劇的な変化は望めないことが予想された。
かといって、2種類以上の《伝説》シリーズを受け入れられるスペース・チャージなどあるはずもない。
……と、そう思われた。
しかし、ここまで考えたところで私は気がついたのである。
《伝説》シリーズの複数種類積みを正当化する、唯一無二のスペース・チャージ持ちの存在に。
多色のカードだけでデッキを作って《屍術師インフェルノ・カイザー》のスペース・チャージを連鎖させたらいいのでは???🤔🤔🤔
そう、「スペース・チャージ:多色」を持つカードならば、2種類以上の《伝説》シリーズを受け入れることができる。
そしてその中でも《屍術師インフェルノ・カイザー》は、スペース・チャージを連鎖させることができることができる能力の持ち主なのだ。
どういうことか。まず《屍術師インフェルノ・カイザー》がバトルゾーンにいる状態でスペース・チャージを発動させ、「1. マナに多色カードを置く 2. 同様の能力を持つクリーチャーを墓地に置く、の二つを同時にこなせるコスト5以下のクリーチャー」を墓地から釣り上げる。
するとそのクリーチャーの能力で多色カードがマナに置かれてスペース・チャージ能力が発動し、墓地に置かれたクリーチャーを釣り上げることができるので、条件を満たすクリーチャーが墓地に送られ続ける限り延々とこの工程をリピートできるという寸法である。
あとはスピードアタッカー持ちとなったそれらのクリーチャーによる過剰打点で一気にトドメというわけだ。
だがだとしても、連鎖の鍵となる「1. マナに多色カードを置く 2. 同様の能力を持つクリーチャーを墓地に置く、の二つを同時にこなせるコスト5以下のクリーチャー」がそんなに何種類も存在するのだろうか。しかも「スペース・チャージ:多色」を連鎖させる関係上、それらのクリーチャー自身もまた多色であることが望ましいのだ。
はたしてそんなクリーチャーが都合よく……いた。
《天災 デドダム》。このカードならば「1. マナに多色カードを置く 2. 同様の能力を持つクリーチャーを墓地に置く」をいとも容易く成し遂げることができる。
そして《天災 デドダム》に近い能力を持つクリーチャーといえば、《不死妖精ベラドアネ》。見れる枚数は少ないので次なるクリーチャー蘇生に繋がりにくい可能性もあるが、デッキの動きとしては「3→5→7」で 《屍術師インフェルノ・カイザー》を出したいので、初動も兼ねると考えると十分なスペックだろう。
さらに《ライマー・ドルイド》は、山札の削れるスピードが速すぎるのがネックだが、その分W・ブレイカーなので蘇生回数が少なくて済むのがありがたい。《天災 デドダム》《不死妖精ベラドアネ》と共通の文明を持つのでマナ置きにも適している。
そして《グレープ・ダール》については、実はこの連鎖は多色だけでデッキを組むと途中で止めようがなくなって山札切れで自爆することも起こりうるヤンチャボーイなのだが、そんな中でこのカードだけ能力の発動が唯一任意なこともあり、「ヤバくなったら《グレープ・ダール》をマナ置き or 蘇生してスペース・チャージを止める」という停止スイッチの役割を担ってる。
ほか、7マナで《屍術師インフェルノ・カイザー》を召喚すると通常そのターン中はスペース・チャージを発動できないため連鎖に入れないが、《グレープ・ダール》がバトルゾーンにいてマナに2枚目の《グレープ・ダール》があると、J・チェンジで無理矢理連鎖を始動させることが可能といった小テクも存在する。無論、《異端流し オニカマス》などのメタクリーチャーを処理する役割としても重宝する。
肝心の《屍術師インフェルノ・カイザー》を出す手段としては、S・トリガーで相手ターン中に出すことで返しのターンのマナチャージからスペース・チャージ連鎖に入れる上に受け札も兼ねる《襲来、鬼札王国!》をまずは採用。
また 《ドラグシュート・チャージャー》は、《屍術師インフェルノ・カイザー》を出せればチャージャー効果から即スペース・チャージ連鎖に入れる優れものだ (ちなみにめくれないと7マナ払って山札を5枚見るだけの虚無ート・チャージャーになってしまうので全力で祈ろう)。
というわけで、できあがったのがこちらの「インフェルノ・シュート」だ!
『インフェルノ・シュート』
《天災 デドダム》 | |
4 | 《不死妖精ベラドアネ》 |
《怒流牙 佐助の超人》 | |
4 | 《ライマー・ドルイド》 |
《グレープ・ダール》 | |
4 | 《美孔麗の伝説》 |
4 | 《ウェイブの伝説》 |
4 | 《襲来、鬼札王国!》 |
4 | 《ドラグシュート・チャージャー》 |
4 | 《屍術師インフェルノ・カイザー》 |
なお、新カード紹介後の回で恒例となっている対戦動画だが、現下の情勢では撮影が難しいため、今回もなしである。ご了承いただけると幸いだ。
さて、いかがだっただろうか。
《伝説》シリーズが収録されている「弩闘×十王超ファイナルウォーズ!!!」は、2021年2月20日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック3月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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