By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
2月5日(金)に発売される新セット『カルドハイム』の情報が続々と出てきています! 先週は現在のマジック・ストーリーにおける主役級プレインズウォーカーの一人であり、自身の肉体を自在に幽体化できる凄腕の暗殺者「ケイヤ/Kaya」の新たな姿も披露されました。
【お知らせ】『カルドハイム』カードギャラリー公開中!ウィーク・オブ・メタルにてお披露目されたカードたちが既に掲載されています。
本格的なプレビューが始まるのは日本時間の1月8日から!お楽しみに!⬇通常版https://t.co/XIp1vNYJs8
⬇特別版https://t.co/h22SqU0pn3#mtgjp #MTGKaldheim pic.twitter.com/SOIfsHBXjY— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) December 19, 2020
5マナのプレインズウォーカーだけあって能力の全てがカードアドバンテージを得ることに繋がっており、初期忠誠値も5と非常に硬いのが特徴的です。《秘宝探究者、ヴラスカ》もそうでしたが、マジックにおける暗殺者のプレインズウォーカーはタフなカードが多いですね。また、新しい《ケイヤ》は非常に独特な「+1」能力を持っているため、スタンダード環境でどのような活躍をしてくれるのか今から楽しみです。
さて、『カルドハイム』の新情報も楽しみなところではありますが、今回もスタンダードのデッキリストを見ていきたいと思います!
STANDARD CHALLENGE – December 20, 2020
先週末Magic Online上で開催された「STANDARD CHALLENGE」。毎週末、各フォーマットで開催されるこの「チャレンジ」イベントに勝利することで、プレイヤーはQP(Qualifier Points)をもらうことができ、このポイントを多く獲得することで上位のトーナメントに参加できる権利を獲得できるようになります。
性質的には競技寄りのトーナメントではありますが、直接的に賞金などが懸かっているトーナメントというわけでもないため、ガチガチの環境デッキもいれば、独特のコンセプトを持ったデッキが”お試し”感覚で参加することも多々あるのがこの「チャレンジ」イベントです。今回はそんな“独特のコンセプト”を持ったデッキ、2020年下半期版「白単ウィニー」をご紹介します。
白単ウィニー(使用者:MaxCapone選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
18 | 《平地》 |
4 | 《アーデンベイル城》 |
4 | 《命の恵みのアルセイド》 |
4 | 《巨人落とし》 |
4 | 《静寂をもたらすもの》 |
4 | 《光輝王の野心家》 |
4 | 《夢の巣のルールス》 |
4 | 《歴戦の神聖刃》 |
4 | 《無私の救助犬》 |
4 | 《天界の語り部》 |
2 | 《太陽の宿敵、エルズペス》 |
4 | 《スカイクレイブの大鎚》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《バスリ・ケト》 |
4 | 《ガラスの棺》 |
4 | 《スカイクレイブの亡霊》 |
4 | 《尊い騎士》 |
過去にこの連載の中で「核戦争が起きても白ウィニーは生き残る」という言葉を使ったことがありました(※リンクはこちら)。往年の有名プレイヤーであったランディ・ビューラー氏/Randy Buehlerが言ったとされるこの言葉は、氏が競技マジックの第一線を退いて10年以上経った今でも、多くの白単ファンに引用される名言として残っています。
マジックには5色の色があり、それぞれの色に得手不得手がありますが、白の得意な戦略は集団戦。「白単ウィニー」デッキの体現する“マナコストが軽く、優秀な能力やスタッツを持ったカードで盤面を埋め尽くして電撃戦を仕掛ける”というデッキコンセプトは、遡ること24年前、世界選手権1996の優勝デッキ「12Knight」の時代から存在します。
このデッキは、そんな古き良きウィニー戦略を継承した現代版「白単ウィニー」です。《歴戦の神聖刃》のような低コストでありながら除去耐性を持った優秀なクリーチャーや、《光輝王の野心家》のような戦線をバックアップしてくれる強力なシステムクリーチャーが多数採用されています。
白単、というよりも白という色はカードアドバンテージの獲得を苦手としているデッキでもありますが、『イコリア:巨獣の棲処』に収録されていた《夢の巣のルールス》は、そうした弱点を補ってくれるカードです。メインデッキには《太陽の宿敵、エルズペス》のようなカードも採用されているため、《ルールス》の強みの一つであった「相棒」メカニズムは利用できませんが、その分メインボードに4枚採用されています。
《命の恵みのアルセイド》や《無私の救助犬》といったクリーチャーは自陣のアタッカーやシステムクリーチャーを守ってくれるナイスなカードで、かつての《ルーンの母》を彷彿させます。こうした防御寄りのカードが多数採用して継戦能力を高めることで、除去やアドバンテージ源の多いミッドレンジ戦略とも渡り合えるようになっているのが特徴的です。
メインデッキでは軽量クリーチャーで押し込む戦略を取りつつ、サイドボードからはやや重めのカードも入り、除去を増やしてきた相手にも渡り合えるように、軸をずらした戦いができるようになっています。白単でありながら、その弱点を様々な工夫で補っている、非常に良いデッキリストです。
さらには、『カルドハイム』リリース後には、このデッキに黒をタッチして新しい《ケイヤ》を入れることも考えられますね。新セットで戦力の追加も期待でき、ますます楽しみな「白単ウィニー」。今のうちに使い込んでみるのもいいかもしれませんね。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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