マスターブレーダーホリカワのベイ熱中改造塾!!
超改造で日々のベイライフをよりアツく! ベイ界の第一人者による熱血解説記事がGoシュート!
第1回「マスターブレーダーホリカワ推薦の最新ベイデッキ大公開!」
こんにちは! マスターブレーダーのホリカワです。私はタカラトミー社員でベイブレードの開発からプロモーション、販売まですべてに携わっている社員です。イベントやYoutubeではマスターブレーダーという名前で呼ばれることがあります。皆さんにベイの楽しさを知ってもらうべく、今回コロコロオンラインでベイ改造の記事を担当することになりました!
この連載では3on3(※1)用の強力なベイデッキを紹介するとともに、今までの経験から得たベイ改造のノウハウをお伝えしたいと思います。
第1回のテーマは、「ベイの改造とは何か?」そして、「ホリカワのベイデッキ大公開!」です。
■ベイの改造は21万通り以上!
みなさんご存知の通り、ベイブレードバーストのベイは「レイヤー」「ディスク」「ドライバー」、3つのパーツ(※2)でできています。ディスク部分には「フレーム」も装着可能です。
60種類以上あるベイの各パーツを組み合わせたときのパターンは全部でなんと21万通り以上! このなかから最適な組み合わせを探っていく研究作業が「改造」なのです。
■ホリカワの選ぶ究極のベイ大公開!
最近はリスクを背負いたくないのか、スピンフィニッシュ(※3)を狙い、安定性を重視したベイを出してくる人が増えました。負けたくない気持ちは理解できますが「もっと攻めていこうよ!」と、もどかしく感じることがあります。
最近のトレンドを入れつつ、攻めの姿勢も入れた「私が今、3on3で戦うならこれを使う!」という3つのベイを紹介します。
1番目:「ウイニングヴァルキリー.10R.X」
ウイニングヴァルキリーは、他のアタック系レイヤーに比べて比較的重い。そして大型のメタルパーツが付いているアッパー形状の大きな3枚刃があります。つまり、「面」の部分が大きい。この「面」により、相手ベイのどこかしらにぶつかる可能性が高くなる。相手ベイの刃の先端に引っ掛けるというより、面でぶつかる感じ。この攻撃は、かなり有効と言えるでしょう。
そこに合わせる10ディスクは、内重心です。ディスクはその重心の位置によって、外重心と内重心に分かれます。外重心は外側に重心があるので、安定性に優れています。やじろべえが安定するのと同じ原理です。一方、内重心の方は、いざ攻撃を受けた時、軸に近いところに重心があるため、軸がブレづらく、外重心のディスクと比べて、踏ん張りがききます。人間が腰を落とした状態で倒れにくくなるのと同じ原理です。
リーチフレームには上下高さの異なる刃が付いています。そのおかげで相手より高い位置にいる場合も、逆に下の位置にいる場合も、相手にぶつかってダメージを与えられます。レイヤーと合わせて「相手ベイのどこかしら当たるように」との考えで組み入れました。
エクストリームドライバーは、軸先がゴムでできていて、かつ太い。太い軸先の場合、軸の直径が大きいため、激しく動きます。特に前半戦は、ゴムのグリップ力を活かしてギュンギュンと動きます。反面、後半のスタミナは無いので、短期決戦型と言えるでしょう。
「どうせ負けるなら、思いっきり戦ってやれ」という気持ちで選んだベイです。
2番目:「ヘルサラマンダー.7M.At」
1ポイントを確実に取るための組み合わせです。ヘルサラマンダーは左回転なので、右回転のベイと当たった時には低速バースト(※4)を狙えます。しかし、低速バーストを知っている相手が右回転のベイを使っている場合は全力では打ってきません。そうなると、最後の1~2回転での粘り勝負になる可能性があるのです。
そこで、アトミックドライバーを組み合わせます。これには、360度フリー回転するボールがついています。これにより、どんな角度になっても回り続けるため、粘りが生まれます。苦しい態勢になってもある程度のパフォーマンスを発揮できるのです。
メテオフレームは、周囲についた5枚の刃が全て右側に向かって出ているため、左回転にしたときは刃の背で相手のベイをなでるように回転します。結果、相手のベイに引っかからず長く回り、手堅くポイントを狙うことができるのです。
3番目:「リヴァイブフェニックス.0B.Et」
最後は最新機種のリヴァイブフェニックスです。リヴァイブフェニックスには、リヴァイブアーマーがついています。リヴァイブアーマーとは、レイヤーの外側についた、切り離し可能なパーツです。相手の攻撃を受けても、リヴァイブアーマーが外れることにより、その力を受け流すことができます。
サイズも大きく、外側にメタルパーツがついていて、外重心になるので、遠心力は最強クラスです。相手がアタックタイプだった場合は、ぶつかった衝撃で、こちらのアーマーが外されてしまう可能性がありますが、ディフェンスタイプが多い今の対戦では、外されるリスクは少ないと考えます。
ベイは本体が重いほど、自機の重さと、衝突時の反動でバーストしやすくなります。このベイでも、ゼロディスクの重さによるバーストの危険性ありますが、リヴァイブフェニックスのアーマーが外れる能力でカバーできます。
16個の刃が隙間なくついたバンプフレームは、相手の攻撃が当たりづらく、攻撃を受け流すことができ、また、高さの低いエターナルドライバーによる安定性と合わせて、生存能力に優れています。最新機種のため、まだ使っている人が少ない点も、おすすめのポイントです。
以上が、私の考えるおすすめのベイデッキです。
私は、アタックタイプを1番手に持っていきます。もちろん相手によって順番を変えることはあります。その場合でも、リスクとリターンのバランスはよく考えますね。
今回は現状の中での強めのデッキの一例を紹介しましたが、これからもどんどんおすすめの改造を紹介していくので、楽しみに待っていてください!
2017年から導入された、3つのベイで戦い、3ポイント先取で競う対戦方法。
同じパーツを重複させてはいけないため、相手のベイとの相性を考え、先鋒、次鋒、大将にどのベイを配置するかが勝敗のカギを握る。
※2.各パーツの役割
一番外側の「レイヤー」は、攻撃の肝となる部分。ここが相手のベイとぶつかり合う。レイヤーの下につくパーツが「ディスク」。3つのパーツのなかでもっとも重いパーツで、このディスクの重さにより、ベイの総重量と攻撃力が決まる。「ドライバー」は、ベイの軸に当たる部分。陸上競技で言えばスパイク。
ここの形や素材等によって、「アタック」「スタミナ」「ディフェンス」「バランス」といった、ベイのタイプが決まる。「アタック」は、動きが大きく、相手を弾き飛ばすのに適している。「スタミナ」は、長く回り続けられるという特性。「ディフェンス」は、相手の攻撃を跳ね返す、受け流すものが多い。「バランス」はその名の通り、複数のベイの良いところを併せ持ったタイプ。「フレーム」は、ディスクに装着して使用するもの。装着することで相手に当たりやすくなり、攻撃性能がアップする。
※3.スピンフィニッシュ
ベイブレードバーストの勝敗は3つのパターンがある。スピンフィニッシュは、相手のベイよりも長く回り続けることによる勝ち方。他には、相手をスタジアムの外に弾き出すオーバーフィニッシュ、相手のベイをバースト(分解)させるバーストフィニッシュがある。
※4.低速バースト
右回転と左回転のベイ同士で戦った時、回転速度に差があればあるほど、ぶつかった時、回転数が高い(速い)ベイの方がバーストされやすくなる現象。そのため、そのような対戦になった時は「あえて弱く打つ」という作戦が有効。
堀川亮(ほりかわ あきら)
マスターブレーダー。2008年、タカラトミー入社。ベイブレードバーストの開発からマーケティングまで、全般を担当。