第1弾~3弾でコレクションホビーの新たな地平を切り拓き、第4弾・第5弾で売り上げを伸ばした「悪魔VS天使」シリーズ。そして、ついに人気の絶頂期をむかえる第6弾・第7弾! その裏に隠された制作秘話をビックリマンの父・反後さんに語っていただくっ!!
ビックリマン第20回
「第7弾制作秘話・前編! またまたピンチ! 今度はシールが足りない!?」
——今回は第7弾についてお聞きします! どんな弾でしょうか?
反後:
第6弾は2種類の強力な悪魔をヘッドに投入した、聖魔界が主役の弾でした(くわしくは第19回)。なので、第7弾は天使だって負けてないぞ!…というテーマで制作しました。
——ヘッドはヘラクライストですね。3バージョンもあって驚きました。
——なぜ3種類もヘッドを用意したんですか?
反後:
もともとは、通常のヘラクライスト(A)とパワーアップしたヘラクライストの2種類だけの予定だったんです。しかし、ここで問題が。ヘッドのシールはホロの上に透明なフィルムをのせるんです。それをイギリスの会社から買っていたのですが、ビックリマンの生産が多くなるに従ってフィルムが足りなくなってしまうんです。
——チョコウエハースの生産が追いつかないときに、今度はシールが足りない状況に!? 超ピンチじゃないですか!
反後:
そうなんです。だから、パワーアップバージョンは透明なフィルムを使うのはやめて、まだ在庫のある赤いフィルムにしたんです。それで生まれたのが(B)のヘラクライストですね。そして、赤のフィルムもなくなってしまう…次は緑だ! とやっているうちにヘッドが3バージョンになったんです。
——(B)と(C)はイラストが違います…?
反後:
色味は違いますが、イラスト自体はまったく一緒なんです。新しいイラストを描き起こす時間的な余裕はありませんでしたからね。
——たしか(B)がパワーが増幅した状態で、(C)がパワーダウンした状態でしたよね。同じイラストなのに、状態は真逆という。
反後:
なんとか違いを出そうと、考えた結果、顔色に注目しました。フィルムの色を利用して、(B)はパワーがあふれて顔色が紅潮しているように見せたんです。
——比べてみると(B)の方が赤い! “フィルムの色を利用”ってどういうことですか?
反後:
(B)の顔がほんのり赤く見えるのは、じつはフィルムの赤色が透けているからなんです。
——そうなんですね。でも(C)は顔が緑に見えないですね…。
反後:
それは白いインクを二重に塗って色が透けないようにしたんです。だからきちんと白く見える。
——なるほど、“フィルムの色を利用”するってそういうことなんですね! ピンチをチャンスに変え、バリエーションまで増やす男・反後さん、すごいっす!
反後:
逆にピンチじゃなかったら生まれてこないものばかりですね。
——か、かっこいい…我々もそんな強い男になりたい!!
(第21回「第7弾制作秘話・後編! 12天使誕生秘話!!」につづく!)
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(C)LOTTE/ビックリマンプロジェクト
反後 四郎(たんご しろう)プロフィール
1949年、熊本出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社ロッテに入社。85年にメインスタッフとして参加した「悪魔VS天使シリーズ」をヒットさせる。当時はコロコロの誌面に「反後博士」として登場した。