By まつがん
いきなり宣伝だが、先週末、11月10日(土) に「超誕!!ツインヒーローデッキ 80 [Jの超機兵VS聖剣神話†][自然大暴走VS卍獄の虚無月]」がついに発売となった。どちらもかなり強力なカードが多数収録された80枚 (40枚デッキ×2の) セットとなっているので、ぜひ2つとも入手してみて欲しい。
さて、今回はvol.2-5と同様の番外編ということで、動画で使用したデッキを再び紹介させていただこうと思う。
YouTubeのコロコロチャンネルにおけるデュエル・マスターズのコーナーでは、毎週火曜日にアニメ「デュエル・マスターズ!」の見逃し配信をやっているほか、毎週水曜日にデュエマ仙人たちによる対決企画なども行っている。その企画に、「研究仙人」たる私も時折参加しているのだ。
というわけで、今回は9月〜10月にかけて行っていた「バツバツ秋の陣」で使用した2つのデッキを、その製作経緯とともに見ていこう。
バツバツ秋の陣第1回戦: 禁術スコーラー
デッキを作るときには、まずそのデッキのコンセプトを決める必要がある。
コンセプトとは要するに、実現したい展開や出したいカードのことだ。
ちなみに私の場合、コンセプトに選ぶのは大体「効果が派手なカード」である。
効果が派手なカードを、なるべく少ないコストでバトルゾーンに出す。
これが実現できれば、勝てるかどうかは別にして、そのカードの持つポテンシャルの最大値を多くの場合に (「常に」ではないので注意) 知ることができるからだ。
だから、バツバツ秋の陣でデッキを組むことになったとき、迷いなくコンセプトに選んだのはこのカードだった。
《次元の嵐 スコーラー》。
バトルゾーンに出すことができれば追加ターンという超ド級のボーナスがある。しかも「G・ゼロ」を持っているので、なるべく少ないコストどころか頑張れば0マナで出せることが決まっているのである。これはデッキを作るしかない。
だが問題は、その「G・ゼロ」の条件にあった。
「このターン中に自分の呪文を5枚以上唱えていれば」。《超宮兵 マノミ》のように呪文3枚ならば《失われし禁術の復元》や《セイレーン・コンチェルト》だけでも容易に達成できるが、5枚というのは仮に《失われし禁術の復元》を2枚墓地に落とした状態で3枚目の《失われし禁術の復元》を打ったとしても、それだけでは達成できない条件である。
現実的には《失われし禁術の復元》を墓地に落とせるのはせいぜい1枚、しかも手札の分散まで考えると、5枚を達成できるのはせいぜい6ターン目がいいところ。しかしスロットの関係上まともな「S・トリガー」を積めそうもないオールインデッキで、さすがにそれは目論見が甘すぎる……。
どうにかして5回の呪文をもう少し早く唱えることができないか。そこまで考えたとき、私はソリューションの可能性に気が付いたのである。
すなわち、0マナの呪文を唱えればいいのではないか?
そう、マナを必要としない呪文ならば《失われし禁術の復元》を打ちながらでも打つことができる。やはり不可能を可能にするのはゼロ。
だが、はたしてデュエマには0マナで打てる呪文があるだろうか?
あった。《シンクロ・スパイラル》だ。
タダで唱えるためには水のクリーチャーを2体出す必要があるとはいえ、もとより《超宮兵 マノミ》をセットで使う気でいたから問題はない (ちなみに余談だが、このようにコストが軽くて唯一無二の効果を持つカードはいずれ使う機会が生まれる可能性があるので積極的に手元に残しておいた方が良いというのが私の持論だ)。
ついでにいざとなったら相手のメタクリーチャーなどを手札に戻せるという点でも噛み合っている。
かくして障害は取り除かれた。あとは《次元の嵐 スコーラー》《超宮兵 マノミ》《失われし禁術の復元》《シンクロ・スパイラル》を入れる前提で一人回しを無限に繰り返すだけだ。
そして、以下のようなデッキができあがったのである。
『禁術スコーラー』
《超宮兵 マノミ》 | |
《音精 ラフルル》 | |
《疾封怒闘 キューブリック》 | |
《超宮城コーラリアン》 | |
《天災超邪 クロスファイア 2nd》 | |
4 | 《次元の嵐 スコーラー》 |
4 | 《海底鬼面城》 |
4 | 《セイレーン・コンチェルト》 |
4 | 《エマージェンシー・タイフーン》 |
3 | 《シークレット・クロックタワー》 |
4 | 《サイバー・チューン》 |
4 | 《シンクロ・スパイラル》 |
1 | 《ストリーミング・シェイパー》 |
4 | 《失われし禁術の復元》 |
一人回ししかしてないので盤面を返せるS・トリガーは当然の0枚、リスクも考えず《海底鬼面城》も強気の4投。しかしそれだけ無茶をしたかいあって、どうにか5ターン目には仕掛けられそうな形にまでは整った。
序盤は《海底鬼面城》《エマージェンシー・タイフーン》《サイバー・チューン》で《超宮兵 マノミ》を集めながら墓地に《失われし禁術の復元》を送り込む。そして5ターン目、《セイレーン・コンチェルト》のマナを残しながら《失われし禁術の復元》→《失われし禁術の復元》→《サイバー・チューン》、さらに《超宮兵 マノミ》連打からの《セイレーン・コンチェルト》+《シンクロ・スパイラル》。呪文5枚の条件を満たす。
先手5ターン目に追加ターンを得て大量のスコーラーで乗り込んでウィン。
これなら、動画で《次元の嵐 スコーラー》を活躍させられる……一人回しでそのような感触を得た私は、この『禁術スコーラー』とともにバツバツ秋の陣の撮影に向かったのである。
そして。
先手5ターン目に追加ターンを得て大量のマナでエクストラウィンされてルーズ。
対戦相手であるラーメン仙人がこんなぶん回りある?というくらいのぶん回りで、私に5ターン目が回ってくることはついぞなかったのである。
死ぬほど一人回しをしたデッキが一切の見せ場なく出番が終了してしまったというのはいささか残念だったので、こうして記事にして供養する次第となった。ただ《”轟轟轟”ブランド》なんてカードも存在するデュエマなので、逆に4ターンで相手を倒せないどころか何の干渉もしない方が悪いと言えばそのとおりではある。
あるいは今なら《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》もあるので、《ガード・グリップ》と合わせてもしかすると4ターン目《次元の嵐 スコーラー》が狙える形が作れるかもしれない。《次元の嵐 スコーラー》が好きな方は、ぜひ挑戦してみて欲しい。
バツバツ秋の陣ビリ決定戦: エイエイオールデリート
ビリ決定戦で「ペリッ!!スペシャルだらけのミステリーパック」のカードを使うことが決まったときも、私は当然効果が派手なカードを使おうと思った。
数ある派手な効果を持つカードの中から、私が選んだのは《エイエイオー》。S・トリガーとはいえ、8マナ以下のクリーチャーなら何でも0マナで踏み倒せる可能性があるというのは魅力的だった。
しかしそれ以上に、私はランダムが好きなのだ。
入念にまともなデュエマを準備した相手を、ランダムの上振れで理不尽に倒す。それこそが私が目指している到達点のうちの一つである。
ところで、《エイエイオー》のようにランダムなデッキトップを踏み倒すコンセプトが他になかったか……?
あ、これだぁ!
すなわち、S・トリガー《エイエイオー》からの《アクア・スペルブルー》がめくれてからの《オールデリート》。これぞ完璧な護身。
ちなみに《エイエイオー》で《オールデリート》がめくれたらどうなってしまうのか?などとは考えてはいけない。どうなってしまうのかも何も、死ぬだけである。それが嫌なら、運命力を鍛えるしかない。
そう、デッキの中に「山札の上から何かを出す/プレイする」カードしか入れなければ、自分と相手は常に運命力を問われることになる。それがデュエマを超えたデュエマ、デュエル・マスターズ2なのだ。
かくして、狂気のデッキができあがった。
『エイエイオールデリート』
《精神を刻む者 ジェイス》 | |
《幻影 ミスキュー》 | |
《アクア・スペルブルー》 | |
《サイバー・I・チョイス》 | |
《サイバー・G・ホーガン》 | |
4 | 《ドンジャングルS7》 |
4 | 《カブトリアル・クーガ/ミステリー・ディザスター》 |
4 | 《遣宮使 ネオンクス/ネオ・ブレイン》 |
4 | 《エイエイオー》 |
1 | 《ホーガン・ブラスター》 |
1 | 《ミステリー・キューブ》 |
4 | 《オールデリート》 |
1 | 《禁断 〜封印されしX〜》 |
能動的なアクションは4マナが最低、しかもドローするだけ (《精神を刻む者、ジェイス》はマスコット) なので、自分からはほとんど一切何もしないデッキではある。
しかしひとたびS・トリガーで《アクア・スペルブルー》《サイバー・I・チョイス》《エイエイオー》《ホーガン・ブラスター》《ミステリー・キューブ》の14枚のうちいずれかがめくれたならば、楽しい楽しい運命力タイムの始まりである。
しかもこの運命力タイムは一回めくれたら終わりというわけではない。《エイエイオー》で《幻影 ミスキュー》がめくれたらもう一回。《ドンジャングルS7》がめくれたら《幻影 ミスキュー》をマナから引き出してもう一回。《サイバー・G・ホーガン》がめくれたらそこから《アクア・スペルブルー》につながる可能性もあるなど、自分と対戦相手の運命力を何度も何度も何度も何度も試しては、その度に要求されるシャッフルで対戦相手の手首を間接的に破壊していくという攻撃手段も兼ね備えているのである。
対戦相手であるカミカミ王子には悪いが、手首の複雑骨折で1か月くらい入院してもらうことになるかもしれない。そんな傷害罪の未必の故意まで持って臨んだビリ決定戦で。
先手4ターン目にシールド全部割られてS・トリガーもなくてルーズ。
14枚もS・トリガー入れたら相当な高確率で1枚以上埋まるはずなのだが、まさか戦う前から運命力で負けているとは思いも寄らなかった。カミカミ王子……恐るべし……。
このデッキはさすがに狂気度合いが高かったにせよ、《エイエイオー》と《ドンジャングルS7》との相性の良さはまた別のデッキで生かせるかもしれないので、色々と試してみるといいかもしれない。
と、いうわけで見事にビリの称号を拝命したバツバツ秋の陣。仙人対決企画だと2段ビックリーノと合わせて3連敗中ではないかという疑惑もあるが、私は元気です(日記)。
ともあれ、YouTubeのコロコロチャンネルではデュエル・マスターズの新カードの情報なども出てきたりするので、これを機にチャンネル登録していただけると幸いだ。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。