By まつがん
「ゼニス」について、もっとよく知る必要がある。
この双極篇真っ盛りの2018年に一体何を言っているんだと思うかもしれない。
だが個人的事情で恐縮なのだが、私の作り上げた「2段ビックリーノ」が、デュエコロ夏休みの陣でノエルの駆るゼニスデッキにあっさりと敗北したことがトラウマになっているのだ。
デュエマで勝つためには対戦相手が使ってくる可能性のあるカードやデッキについて、できる限り事前に情報を持っておく必要がある。
そこで。
「クロニクル・レガシー・デッキ2018 至高のゼニス頂神殿」も発売してゼニスが現代に蘇ってきているこの機会に、そこに収録されているゼニスの一部を紹介しつつも自らゼニスデッキを作ってみることで、様々な種類のゼニスたちの効果や使い方を覚えよう、という発想に至ったのである。
なので、昔からデュエマをやっていてゼニスの効果なんてカードを見なくても諳んじて言えるぜ!という方には茶番に思われるかもしれないが、しばらくお付き合いいただきたい。
さて、「クロニクル・レガシー・デッキ2018 至高のゼニス頂神殿」に収録されている中で代表的なゼニスといえば、これらのカードになるのではないだろうか。
《「俺」の頂 ライオネル》はシールドがすべて「S・トリガー」になるという恐ろしい能力を持っている。加えてこのクリーチャーを召喚によって出した場合、その能力で即座にシールド1枚を踏み倒すチャンスが与えられる。
加えて「ブロッカー」も持っているので、このカードによって他のゼニスを踏み倒しつつ相手の攻撃を抑制できるのが強みだ。
《「智」の頂 レディオ・ローゼス》はシンプルなテキストながら強力無比な効果を持っている……すなわち、自分5ドロー、相手5ディスカード。
盤面に影響する能力ではないために既に押されている局面では役に立たないものの、五分以上の盤面で召喚すると一瞬でゲームの主導権を握れるようになる決定力の高さが魅力と言える。
《「祝」の頂 ウェディング》は相手の手札とクリーチャーを (選ぶのは相手だが) 合わせて4枚シールド送りにできる。
相手がクリーチャーを展開するデッキか受けるデッキかにかかわらず制圧力が高い上にシールド焼却の能力も持っているので、フィニッシャーとしてはこれ以上ないスペックと言えるだろう。
上で挙げたゼニスたちは10マナや11マナとおよそ通常の手段では召喚できない重さのカードであるところ、《天運ゼニスクラッチ》は運次第ではあるもののほぼ唯一の完璧な踏み倒し手段となる。
というのも、ゼニスたちの能力は召喚によってしか発動しないものが多いところ、《天運ゼニスクラッチ》による踏み倒しは召喚なので、その強力極まりない効果を最大限に発揮させることができるのだ。
では次に、これらのカードたちを使ったデッキを考えてみよう。
《天運ゼニスクラッチ》がある以上、ゼニスはなるべく多くの枚数を投入したいところである。
その一方で、《天運ゼニスクラッチ》に頼らずに10マナや11マナのゼニスを召喚できるプランももちろん用意しなければならない。
となれば、ここは一撃で大量にマナを伸ばせる 《ドルツヴァイ・アステリオ》の出番だろう。
そして《ドルツヴァイ・アステリオ》を使う以上、できれば4ターン目に走らせたいところではある。
そこで大量のゼニスのおかげで3ターン目に2ブーストできる可能性がある 《ボント・プラントボ》《フェアリー・クリスタル》の2枚を採用することにした。
3→6→12の動きで対戦相手をカードパワーで踏み潰そう。
そんなわけで、ゼニスの使い方を学ぶためのデッキ、「ゼニス勉強計画」がついに完成したのだ。
「ゼニス勉強計画」
《ドルツヴァイ・アステリオ》 | |
《「智」の頂 レディオ・ローゼス》 | |
《「俺」の頂 ライオネル》 | |
《「戦慄」の頂 ベートーベン》 | |
《「祝」の頂 ウェディング》 | |
《超絶奇跡 鬼羅丸》 | |
《フェアリー・ギフト》 | |
《ボント・プラントボ》 | |
《フェアリー・クリスタル》 | |
《戦慄のプレリュード》 | |
《天運ゼニスクラッチ》 |
《「戦慄」の頂 ベートーベン》と《超絶奇跡 鬼羅丸》は「クロニクル・レガシー・デッキ2018 至高のゼニス頂神殿」には収録されていないが、前者は相手の攻撃を封殺する防御札として、後者は出れば他のゼニスに連鎖して一気に勝負を決められるフィニッシャーとして、いずれもこのデッキにおいて重要な役割を果たしている。
さて、こうして実際にデッキを作ってみたことで、今回採用した5種類のゼニスと《天運ゼニスクラッチ》については効果をしっかりと把握することができたので、目標としてはひとまず達成したことになる。
だが同時に、ゼニスの弱点も何となく見えてきてしまった。それは、デッキ自体の速度がそこまで早くないにもかかわらず、効果的な「S・トリガー」をあまり多く積めないことだ。
ゼニスたちは単体ではどれも主にアドバンテージの面で絶大なインパクトをもたらすのだが、それは決して盤面を完全に逆転不可能にするようなものではない。そしてもしそのような盤面を実現しようと思えば、どうしても2体以上のゼニスを並べる必要が出てくる。
そうなるとマナブースト手段 (それも1枚で最低2マナ以上ブーストできるものが複数必要だ) と3スロット以上のゼニスがデッキを圧迫し、さらにはそのマナブーストの成功率に関わる妖精 (《ボント・プラントボ》や《フェアリー・クリスタル》を使いたいならデッキに入れられるカードは限られてしまう) もあって、「S・トリガー」に割けるスロットがほとんどなくなってしまうのだ。
これは結局、ゼニスたちの能力がそれぞれ相互に補完的であるようにデザインされており、単体で完結していないことに起因する。
すなわち、単体で確実な決着に持ち込むことができないのがゼニスの持つ解決できない弱点だと言える。
???「ふっふっふ、そう決めつけるのは早計ではないですか?」
そ、その声は……!?
デッドマン!!!(なぜU.S.A.……?)
デッドマン「来週もう一度ここに来てください。本物のゼニスというものをお見せしますよ」
はたしてデッドマンが持ってくる本物のゼニスとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.3 | |
デュエマ妄想構築録 vol.3-1 〜ジャンケン小僧がやって来た〜 | |
デュエマ妄想構築録 vol.3-3 〜最恐ゼニス、グーチーパ登場!〜 | |
デュエマ妄想構築録 vol.3-4 〜グーチーパ・プレリュード、爆誕!〜 |